未来永劫きっと好きな音楽が2024年に1曲加わった話▷▶モッガッタ
2024年が終わってしまう前にどうしても1本書いておきたくて。
自分にとって今年最大の出来事がサマソニでのBOYNEXTDOORとの出会いだったんですが、あんなにも音楽を楽しんで届けてくれる彼らを見ていたらすっかり内向モードになってしまって。
最近は好きな音楽をひとつひとつ思い返して自分のルーツをたどりながらしばし過ごしてました。
その中でも人生の分岐点というか、しんどい時とかここぞの踏ん張り時でそばにあった大切な音楽たちをまとめてみました。
好きな曲でも人でも、いわゆる″推したい″対象ってその時の自分に必要だったり憧れたりする要素を持ってるものに自ずと矢印が向くんだなって。当然か。
MONGOL800『GO ON AS YOU ARE』(アルバム)
学生の頃、地元のCDショップでモンパチかバンプかどっちのCDを買うかで迷ったことを思い出す。どんな曲が入ってるのかよくわかってなかったので多分ジャケットで選んだ気がする。何となくハッピーそう★って。
で、帰宅していざ聴いてみたら馴染みのない音楽すぎて最初「うわぁミスったかも〜」ってちょっと後悔したのも記憶にある。でも何回か聴いてたらめっちゃ耳に残るようになって、みるみる大好きになっていった大切な1枚。
特に、8.『MISS YOU』⇒ 9.『ホルモン』⇒ 10.『PARTY』の流れが好きで、人生で初めて「アルバムの曲順って意味があってめちゃくちゃ大事なんやな」ってことに気づかせてくれた1枚でもある。
あの時バンプを選んでたらまたきっと別の人生を歩んでたに違いないって本気で思うぐらいには、モンパチの選択は自分の価値観をいい意味でかき混ぜてってくれた。ギター習い始めて路上で弾き語りもしたし、勉強の合間を縫って市内のライブハウスに単身で乗り込んではインディーズバンドの音楽を浴びに行く人に仕上がって、周囲の大人たちをヤキモキさせるなどした。音楽を聴いている時だけは呼吸が少しラクにできるような気がしていた。
受験でライブがおあずけになった時は本当に悲しくて死に物狂いで勉強したから、今の学生たちがそうやって頑張っている姿を見かけると絶対無駄にならないって言いたいし、ひたむきに取り組める物事とそれを奮い立たせてくれる存在が自分の中にあるってステキだよって老婆心ながらに伝えたくなる。
ちなみにバンプもその後、人並みに通過してしかるべきタイミングでちゃんと好きになりました。大学で軽音楽部入ってアルエとかコピーしてたし。
ELLEGARDEN『Stereoman』
エルレは昔ラジオから『My Favorite Song』が流れてきたのを聴いた時の衝撃たるや!ですが、自分が一番好きな曲はこれです。
社会人になってから20代はなんやかんやで結構暗黒期も多くて音楽しか信じられんモードによく陥ってたので、この歌詞とメロディーによくすがりついては救われていたことを思い出すし、今聴いても自分の軸みたいになっててこの気持ちの根拠ってきっとずっとこの先も変わらないんだろうなってある意味愕然とする。あまりにも自我がすごい!やばい。
こんな自分の周りにいてくれる人、仲良くしてくれる人ありがとうねってつくづく思う。
SHINee『Everybody』
日本デビューのタイミングで難波駅に貼り出されてたメンバーのポスター。通りすがりにジョンヒョンを見た時に、「君に決めた!(cv.サトシ)」って秒でストンとなにかが舞い降りてきた。『Replay』のMVを見て、「なんて可愛くてかっこよくて歌の上手い華のある人なんだろう」ってもう感覚全振りで、出会った直後から息をするみたいに当たり前に大好きになってた。
見れば見るほどメンバーひとりひとりが魅力的で、振り返ってみれば箱推しの感情を知ったのもSHINeeで。自分の中では″歌って踊れるアイドル″の象徴のような人たちで、一生それはブレない。
パフォーマンスから伝わってくる気迫と圧倒的なオーラ、表舞台に立つ人の覚悟みたいなものをまざまざと目の当たりにして涙腺がぶっ壊れたみたいに部屋でこの『Everybody』を見ながらボロボロ泣いてしまったことを今でも鮮明に思い出す。
ドラマストア『午前0時の太陽』(アルバム)
関西でミナミホイールっていう大阪ミナミ界隈のライブハウスを回る夢のようなサーキットイベントがあるんですけど、2015年に行ってた時に歌声にひと耳惚れしたのがこちらのバンド。終演後も頭の中を曲がぐるぐるしてて、でもうかうかしてる間に物販終わってて一旦ライブハウスを後にしたけどやっぱり諦められんくて。Twitterからバンド公式アカウントにDMしてお願いして、ライブ終えたばかりのメンバーにわざわざCD持ってきてもらうっていうありがた迷惑をぶっかましたエピソードがある。
自主制作盤やからCDショップでは買えなかったしもうとっくに廃盤やし、サブスクにはおろかyoutubeにも上がってないけど未だに口ずさめるぐらい好みの曲と歌声で溢れている名盤。
数回のメンバーチェンジを経てバンドは解散してしまったけれど、サブスクでも聴ける曲で好きなのはこちら。歌詞がとてもとてもいい。メロティー運びが本当にいっつも好きやけどこれは珠玉すぎる。MVもドラマ仕立てでめっちゃいい。ぜひ聴いてみてほしい。
Brian the sun『神曲』
こちらも大阪に住んでた頃に、いつものようにふらりと阿倍野のタワレコに行って、試聴してグサグサきた1曲。一旦帰宅するために電車に乗ったのに、またすぐにあの曲聴きたい!って思って最寄り駅で降りて流れるように逆周りの電車に乗り直してCDを買いに舞い戻った。
世の中にはロックの定義ってたくさんあるし何が正解なのかはよくわからないけど、″ロック″というワードを耳にするたびに自分はふとこの曲を思い出す。ボーカルの森さんはソロで音楽を続けてるらしいので、そう遠くないうちにまた彼の歌を聴いてみたい。
GRAND FAMILY ORCHESTRA『ラバーソウル』
自分史上、最も心の琴線に触れる本当に大切な曲。
もうこのオリジナルメンバーのパフォーマンスを聴けることは二度とないけれど、これから先もこの曲のことは胸にしまって生きていきたいし、生まれ変わってもこの曲を聴いて心を震わせられる感性で生まれてきたいと思う。
GFOもそうやけど、吉祥寺、渋谷、大阪キタミナミ、京都四条、たまに名古屋ってライブハウスを好きなバンドたちを見に駆け回ってた時に、その先々でよく遭遇して楽しく音楽を浴びてたライブハウス仲間な友人とひょんなことで2年ぐらい前に再会して、流れで一緒に観に行ったこの夏のサマソニで2人してノーマークだったBOYNEXTDOORにがっつりハマってるっていう見事なオチがついた。
人生何が起こるかわからないし、根っからの音楽好きのオタクなんやなってつくづく思った2024年だった。
My Hair is Bad『真赤』
今やアリーナを埋めて圧倒的支持と人気を誇る彼らですが、2016年に奈良の生駒RHEBGATEっていうキャパ100人に満たない小さいハコでワンマンライブをやってくれたことがあって、観に行った時のフロアのむせかえるような熱が凄まじかった。魂と魂のぶつかり合いだった。最初から最後まで延々と泣いてた気がするし、あんな気持ちになることはもうない気もする。ぐちゃぐちゃになった。椎木さんの歌はナマモノが過ぎるので、未だに不意に蘇ってきてはえぐってくる。もう随分沢山のCDを処分してしまったけど、マイヘアの『昨日になりたくて』ってアルバムは特別なので大切に取ってある。
そういえば、昨日駅で若い男の子が『真赤』を歌ってて、ちょっと違うんよなぁって微笑ましくもうーんともなりながら、こうして世代を超えて誰かの特別な1曲になっていることを実感してまた色んなことを思い出した。
SHINee『君のせいで』
日本シングル曲ですが、SHINeeの中で1番聴いた思い入れの深い曲。ポップなのにじわじわ胸が締め付けられる切ないサウンドがたまらなく好きだったし、SHINeeってこういう表現もできるのかって嬉しかった記憶がある。
当時自分は学習塾で先生をしていて、中3受験生も結構な人数を社員ひとりで抱えていたプレッシャーでずっと気が張ってて。生徒はみんないい子で可愛かったし絶対志望校に合格させてあげたかったから毎日馬車馬のように働いていたので、この曲を合間に擦り切れるほど聴いてめっちゃ癒やされてた。
その頃見ていた景色とか向き合っていた物事を物凄くクリアに思い出せるので、音楽って記憶と結びつきすぎてるよねってちょっと戸惑ってしまう。
Mrs.GREEN APPLE『StaRt』
リリース当初もいいなって思ってたけど、最近になってからますます沁みるようになって好きが増した1曲。
何度も聴きたくなる聴き心地のいい明るいメロディーにほんの少しのシリアスと憂いが織り混ざった歌詞がすっと入ってきて、リスナー側に引き寄せて解釈することを許してくれてる感じがする。なんていうか。押し付けがましくないのに「これって自分の物語なんかな?」って錯覚するぐらい芯はあるけどとことん優しく響くから救われている。
こうやって生きていけたらいいなを具現化した人生のテーマソングみたいに勝手に思わせてもらっている。
SixTONES『Gum Tape』
6枚目のシングル『共鳴』に入っているカップリング曲。SixTONESはサブスク解禁されてないので、表題曲はMVとかで聴く手立てはあるけどカップリングともなるとCDをプレイヤーに入れて再生するまで未知数すぎて。
「ガムテープ・・・ピンとこやんなぁ」ってタイトルだけ見て曲を聴くまでは思ってた気がするけど、いざ聴き始めたら鳥肌が止まらなかった。というのも、当時のメンバーの雰囲気や人となりにあまりにも楽曲がぴったりハマりすぎていたから。パート割りまで解釈一致すぎて絶句した。
1回聴いて、このやるせなくて全細胞が浸りに浸っている感覚を薄れさせたくないからって2回目がなかなか聴けなくなってしまって深刻な面持ちで葛藤してみたりもしていた。数日は一旦聴いたら数時間間隔空けてってしながら、それはもう本当に大切に聴いていた。
田中樹さんが「未来しかなかった」って歌って始まったのに、「これでお互い自由に」で結ぶことにも打ちのめされてたなーって。
この曲2番の歌詞がめちゃくちゃいいのに、公式youtube [PLAYLIST] ではカットされてることをみんな嘆いてて。たしかにそこ飛ばすと幸せな予感から急展開でお別れして独りになってますやん?!って情緒追いつかなくなるのがもったいない。
是が非でもフル尺で披露させてくれない日本の音楽番組ぐらい惜しいことしてる。まあでもだからこそフルver.が唯一聴けるCDの価値があがってるみたいなとこあるけど、そうなると熱心なファンしか聴かんしジレンマですね。
BOYNEXTDOOR『But Sometimes』
こうやってざっと振り返ってみると、自分にとってのいつ聴いても大好きって思えて気持ちが途切れない特別な曲って7〜8年前に固まっててそこからしばらく増えてないなぁって少し寂しくなった。
耳心地のいいお気に入りの曲ならもちろん山のようにいっぱいあって、ほぼ毎日定期的に聴いてるし、数ある曲の中から選んだとびきりの好きな曲に変わりはないけれど。それとは少し違っていて、人生をかけてずっと聴いていくことになりそうな曲。
そんな1曲に今年出会えた。
それが、BOYNEXTDOORの『But Sometimes』だった。
まずそもそもメロディーラインが好き。ミディアムテンポなロックナンバーでつい身を預けて乗りたくなってしまう抜群のグルーヴ感と、歌をしっかり聴かせてくる歌唱力。もう自分がリアルタイムで味わう感情ではなくなってしまったけど、かつてそんな気持ちになったよなって痛いところをしっかり突いてくる歌詞。
ダンス抜きでも最強の楽曲なのに、ダンスが加わることで曲の世界観に奥行きが生まれるというかめちゃくちゃストーリーが可視化されて伝わってくるから、パフォーマンス動画をじっくり見た時に自分はそのことに深々と感激した。こうやって音楽にリアルに色を付ける表現としてのダンスがあるのかって。
サマソニの初見の時はとにかく6人の爽やかなパッションと伝わってくる自信がまぶしかった。ひとりひとりの個性が光る表現力と空間掌握力もさることながら、今この瞬間を全身で楽しんでいる姿がめちゃくちゃにかっこよかった。
そうやった。音楽って、こんなにもシンプルで楽しかったよなぁってサマソニでのボネクドのパフォーマンス中は嬉しくて仕方なかった。
自分よりだいぶ下の世代やし、とかそんなことに思いが至る隙すら与えず、こんな風に心の底から「このグループ(この人)が届けてくれる音楽凄まじく楽しいなぁ」とか「今ここにいてこうしてこの音楽を浴びれてて幸せすぎるなぁ」とか「あーあ、生きててよかったなぁ」とか思える感覚をライブハウス以来思い出させてくれたのは紛れもなく、K-POP第5世代と称される自分とはかけ離れた若い6人組が生み出す音楽だった。
ボネクドのみんなはきっと同世代に響くように日々曲を作ったり信念を持って活動しているはずで。自分も10代後半〜20代前半の頃に心の支えにしていた大切なものがあったように、なかなかに大変な世の中を一生懸命に生きるボネクドと同世代の子たちにとって彼らがそうあってほしいなってお節介ながらも本気で思っている。
そして、上の世代の大人もあなたたちの音楽きっかけで心がめっちゃ動いたり、感化されてこれまでの自分の人生を思い返してそれなりに悪くなかったなー頑張ってきたなーって楽しく肯定できたりしてるよってことを書き残しておきますね。
2025年もいいなと思ったものを心のままにいいと思える、伝えられる自分でいられますように。水のように流れるように、竹のようにしなやかに。
こんな人間ですがみなさま来年も引き続きよろしくお願いします。