元恋人へ、
もし、いつかどこかで、また会えたら
別れてもうすぐで半年の今、思う。
最近は、あなたはあの人に、だんだんあいつに変わっていった。
あの人の名前もだんだん心に浮かんでこなくなった。
だんだんと心は離れているようで、最近はひとりじゃなかったことが不思議なくらい、この生活に慣れている。
だんだんと、ゆっくりと、変わっていく。
最近あった模試。
まぁまぁな出来だった。
悪くは無いが、よくもない。
まだボーダーには乗らない。
でも不思議と焦っている感じはしない。
ノってる時の感じが常にしてて、あんま落ちる気がしない。
なんでだろな。
多分自分に酔ってるだけ。
でもそう思わないことにした。
なんか頑張ってる自分に水をさすのは失礼だし、第一絶対落ちるって訳でもないんだし。
ならいっそ言ってやるよ。
俺ならできるって。
でもなんだろな、寂しくなる回数は増えた気がする。
ここ半年ぐらいずっと1人で帰ってるし、1人で勉強してるのに、ふとした瞬間、急激に寂しくなる。
気づかされる、
自分は1人なんだと。
あんたはいいよな。
そんな思いしないんだもんな。
そう呟こうとする。
でもそれは声になんかならなくて、ふと現れては消えて、また現れて消えてを繰り返す。
羨ましくはあると思う。
望んではいないけど。
そんな時、ふと頭によぎる。
また、あの人に会いたいんだろうか。
いろいろあって連絡先は全部消したし、思い出も何も残ってない。
インスタは消されてたし、それ以外も何も残ってなんかいない。
だからかもな、こんな風に思っちゃうのは。
いつか、どっか知らない街で、偶然、
あなたにまた出会いたい。
別に次は恋人でなんかなくていい。
永続的になんか会わなくたっていい。
友達になんかなれるわけが無い。
でもそれでも、1度でいいから、会いたいな。
これは俺の記憶に残るあなたに言ってるわけじゃなくて、ずっと先のあなたに向けて思う。
何年も先の未来で、成長したあなたを、大人になって綺麗になったあなたを、見てみたい。
きっとその時にはもう、この気持ちもないだろうけど、それでもあなたに会いたい。
俺も見せてあげたい。
大人になった自分を、あの頃にはなかった気持ちを知った俺を。
お互いがそれぞれ大切なもんを別に持ってて、
あなたじゃ幸せになれなかったと、
お互いが納得出来る頃に、
全てのしがらみを取っ払って、ありのままのあなたに、もう1度会ってみたい。
そんでそんときに、あなたと昔の思い出を語り合いたい。
二人で行った公園、
二人で行った映画館、
あの頃食べてたメロンパン、
あの頃聞いてたあの曲、
全部2人にしか分からないことだから。
どんなに酷い別れをしたって、あなたと愛し合っていたという事実は揺るがない。
思い出は消えない。
そしてそれは、あなたとしか共有できない。
だから、会いたい。
あなたとの思い出に、もう1度浸ってみたい。
今この胸にある寂しさを忘れないでいたい。
他でもないあなたと。
大丈夫。
きっとその時にはもう、俺は笑えるから。
あなたを過去にする準備はもうできてるから。
あとは時間が解決してくれる。
そんできっと、あなたも笑ってくれる。
でもこんなの、叶わないかもしれない。
ずっとこの思いを抱き続けるのはできないだろうし、俺に新しい恋人が出来たら多分変わると思う。
俺は俺で、忘れっぽいし、我慢強くないから。
でもそれはそれでいいと思う。
過去の自分が何を言おうが、きっと今の自分は止められないから。
きっとそれに、そのことをちゃんと踏まえた上で進めるだろうから。
この2年でそれを学んだのだから、
きっと大丈夫。
だから多分、あなたに会えるかどうかは
運次第だと思うな。
それに、俺たちが出会ったのも、偶然の起きたことなんだから。
同じ年に生まれて、同じ高校に入って、同じクラスで、
そんな偶然が何個も重なって起きたことだから。
出会えただけでも、愛し合えただけでも、
奇跡に近い事なんだから。
たとえどんな結末であったとしても、今はただ巡り会えたこの運命にありがとうを言いたい。
だから俺は、忘れずに願っておくよ。
あなたもいつかどこかで願って欲しいな。
別に愛してくれなんか頼んでないよ。
それはもう大丈夫だから。
でもやっぱり願っちゃうよなぁ。
あなたが思い出して、ちょっとでも別れたことを、俺を待たなかったことを、後悔するようなそんな素敵な人になりたい。
いつかあなたに、会いたいと思われてみたい。
もう一度。
でもとりあえずは頑張るよ。
まずは受験だし、まずは自分の将来だから。
あなたも頑張って、お元気で。