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ここにある
はじめまして!南相馬市生まれ、志賀優香です。
今は東洋大学3年生になります。
就活を通して「自分」と向き合い、無意識のうちに生まれ故郷の原町に帰りたいと思っていたことに気づきました。
あくまで私が感じたモノを私の言葉で表すので、分かりにくい部分も多々あると思いますが、お付き合い頂けると嬉しいです。
まずは、自己紹介から
福島県南相馬市原町区出身のわたし。
小学一年生の三月に東日本大震災で被災をし、神奈川県に移住をしました。
小学二年生からはずっと神奈川県に住み、現在は東洋大学、国際学部に在籍し、まちづくりゼミに所属をしています。
建物やインフラ、交通などのハード面のまちづくりではなく、コミュニティや地域と人々のつながりなど、目に見えないようなものを領域とするソフト面のまちづくりを勉強しています。
南相馬市の特徴は、「外」からの人々を受け入れられる、開かれたコミュニティであるということです。
日本は少し前から東京一極集中型になり、地方は段々と廃れていきました。しかし、地方には、そこに生きる人々や文化、生業があります。私はそれを蔑ろにしたくありません。極ではない側とされた地方にこそ、今後の日本を支える力があると、私は考えています。
個人的な話になりますが、私は卒業後の就職先として、このまま都内でした方がいいのかなと考えていました。
「心」を「亡くす」と書く「忙」。
私は心を亡くすような忙しさを、働く上でしたく無いと思っていました。
それが出来るのが都内か、はたまた南相馬か。
自分の中でいろいろ考えてぐるぐるしながら、答えを求めるようにこのプログラムに参加しました。
南相馬はモデルになりうる…?
少し硬い話になりますが、地方が今後必要になるのは、コミュニティを外に開く勇気を持つことだと思います。
ウチ意識や、仲間意識が強く、移住者が馴染むことができないというのはよく聞く話ですが、南相馬は前述した通り、コミュニティが開かれています。
全地方のモデルケースになりうるのは、実は南相馬なのでは無いでしょうか。
1泊2日を過ごして
私が被災をして、住んでいなかった空いた12年の間に、南相馬はしっかりと歩みを進めていたようです。
色んな方がIターン、Uターンをして、各々のスタイルで南相馬を支えていました。
その人々の熱意や地域に対する思いを、実際にお話を伺わせていただき、痛感しました。
お話をされている時の皆さんの芯のある表情を今でも覚えています。
同じ女性として、とてもかっこいいなと感じました。
「人がいい」
みなさんが共通して仰っていた言葉です。
この人の良さに魅了され、移住を決める方も多いのでは無いでしょうか。
こんな人達と一緒に頑張りたい。
そう強く思いました。
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プログラムを通して感じたこと
・人がいいこと
・色んな人を応援したり、支えたりする制度が整っていること
・皆んなで食べるご飯はいつもより美味しいこと
前述しましたが南相馬はいい人で溢れています。
とても温かく、どこか心地よさと懐かしさを覚えるような、そんな人達です。これは昔からそうだと私は思います。
そして、いつのまにか子育てしやすいまち、そして何かを始めたい人を応援するまちになっていました。何か始めたい時に、応援してくれる制度や人がいるというのは、それだけで心強いと思います。
最後に、皆んなで囲む食卓の良さ、そのご飯のおいしさを痛感しました。
色んな人と食べるごはん。
とってもあたたかくて美味しいんです。
一緒に作って、一緒に食べる。
それだけで素敵な思い出になるんです。
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ここにある
南相馬市出身です。
今まで私はこれを胸を張って中々言うことが出来ませんでした。
震災を経て、色んな声を浴びていく大好きな福島、大好きな南相馬を見て、幼ながらにいろいろ考えて、いつのまにか目を背けてしまっていました。
「朝庭で採れたからあげる。天ぷらが美味しいよ。」
「おはよう!気をつけていってらっしゃい。」
私が南相馬に無意識に戻りたいと感じていたのは、人との距離感にありました。
隣の人は知り合いで、まちのひととは皆んな挨拶をして。
けれど、神奈川に引っ越してから隣の人を知ったことは一度もありませんでした。
街のすれ違う人と挨拶をしたこともない。
「外」からきた私。
その地域に、まちに、人の輪に混ざれたと感じたことがなく、いつもどこか疎外感、孤立感を感じていました。
そんななか、自分と向き合う時間が就活を機に持つことが出来て、もう一度生まれ故郷と向き合うことにし、このプログラムに参加しました。
人の温かさ、南相馬の中で一生懸命生きている人々、その人々の生業への強い芯、女性の強さ、それに伴ったまちの勢いを見て、「あぁそういえばこんなに素晴らしい、わくわくするまちだった」と思い出しました。
南相馬市出身です!
これからは胸を張って言えます。
私が求めているものは、ここにあったのです。
南相馬との関わり方を考える、とてもいい機会となりました。素敵なプログラムを開催していただき、誠にありがとうございました。
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🌞この記事を書いたひと
東洋大学3年 志賀優香
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