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【映画】「セーヌ川の水面の下に」

パリ五輪でちょっとその水質が話題になったセーヌ川。あれ、相当ひどかったらしいですね。セーヌ川は1923年から過去101年間、水質汚染を理由に遊泳が禁じられてきたそうです。道頓堀の4倍の大腸菌がいるとか…。私はフランスやパリは「観光名所が沢山あるし、お洒落なカフェもそこかしこにあって、パリジェンヌがおーシャンゼリゼな感じでうふふ」なイメージだったんですが、なんか幻想が音を立ててブレイクダウンしました。匂いとかやばそうだなぁ…。

さて、以前「温泉シャーク」を紹介しましたが、私は比較的サメ映画好き(と言っても膨大な作品があるから、ちょっとしか観られてないけどね)でして、Netflixでこの作品が公開になった時も早期に観ました。(レビューが今頃になったのは、私がさぼってただけの話です)

予想をはるかに上回る感じで、結構スケールデカくてびっくりしましたw サメ退治でパリ壊滅しとるやんけw

物語

生物学者であるソフィアは、北太平洋で研究対象であったサメの「リリス」に仲間を殺されてしまいます。

事件から3年後、ソフィアはとある環境活動家から「リリスがパリのセーヌ川に現れた」と報告を受けます。奇しくもセーヌ川では、トライアスロンの大会が行われることが決まっていて、パリ知事側は「川にサメが出ようが、とにかくイベントを成功させたい(何故なら大金が動いているイベントだから)」というスタンス。惨事を避けなくてはならないが、騒ぎになってはまずい訳です。

パリ市内には、地下水路や地下墓地、貯水池などがあり、環境汚染のために「淡水でも泳げるようになった」リリスがここに入り込みます。そこで環境保護団体「SOS(Save Our Seas)が余計な事をしでかしまくります。

トライアスロンは果たして成功するのか?被害者はどのくらい出るのか?

という物語です。

感想

ハリウッド映画であれば、おそらく「人間がサメの脅威に立ち向かって、駆逐してハッピーエンド」なのでしょうが、この映画は割と絶望的。衝撃のラストでした。なんでサメ退治であんだけ被害が出るねん…というレベル。まあ、人間側の大失態ではあるんですけど。

あくまでフィクションではあるのですが、現実に対してかなりアイロニカルというか、意図的にリンクさせている感じがありました。パリは実際に五輪でセーヌ川で「あの水質なのに」競技を行った訳です。環境団体が「自己の主張を公共の意思より優先する」も描かれていました。知事側が不都合な真実を隠ぺいしようとするのもフランスの政治家不信もあるのかもですね。まあ、実際は「露見した時のダメージがデカい場合はさっさと公表する」がリスクヘッジになるパターンが多いとは思うけど。

サメ映画ってのは「海上、孤立無援、陸地までの距離と通信手段の隔絶」みたいなのが多いので、こういう街中でどーんとサメが暴れるパターンってなかなかないですよね(まあ、淡水だからな)


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