【時事】河野太郎 情報整理 Vol.2
先に申し上げておきますが、河野大臣はキャリアが長いので、その分トピックが多すぎる(=網羅はなかなか難しい)という点をご了承ください。したがって、調べてないトピックに「これはどうなんだ!」と食って掛かられても「知らんがな」でお答えする事になるかと思います。
また、私は河野大臣を全肯定も全否定もするつもりはありません。「このトピックは言いがかりでしょう。でも、このトピックは河野大臣もまずいよね」という感じの記事になるかと思います。また、当該事実の是非については割愛します。
例:「河野大臣が再エネ推しかどうかは調べますが、再エネそのものの是非については皆さん個々のご判断にお任せ」といった感じです。
今日取り上げるトピックは「いつもSNSで流れてくるこの画像」についてです。なお、Vol.1で記載した分は割愛します。
1.X上で散見される画像の検証
これも項目が多いからまあまあ大変だとは思いますが…。改めて書き出すと項目多すぎて、なかなか気が重いなぁ…。でも、乗り掛かった舟なのでやっちゃいましょう。
1-01. 女系天皇推進
これはミスリードだと思います。「推進」ではないですね。下記の記事をご覧いただけるとわかられると思うのですが「積極的に女系を推している左派」とは違って「男系が維持できない時のための次善策」というニュアンスで語られています。
当該箇所抜粋します。
ご本人発言動画もありました。@Pleasure_2023さん、情報提供ありがとうございます。
あくまで「男系による皇位継承が続くのがいちばん望ましい」が前提で、その上での「最悪の事態を想定したら、選択肢は減らすべきではない」というニュアンスが汲み取れます。
1-02. 移民1000万人政策推進
これ、起点になる発言がわからないので調べてみましたら「大統領選で派手にデマをバラ撒いていた某漫画家さん」がヒットしました。リンク先は既に消えていましたので、Weyback Machineでのアーカイブを当たりましたが、掘れませんでした。んー、これはBaidu上の個人ブログか何か?
どうやらこれが陰謀論サイト「RAPT」に掲載されて、そのあたりで広がっていったようですね。この関係で検索したらRAPTばかり出てきますので。
ただ、移民政策に関しては「採るべき」との立場ではあるようです。これは私と同じ視点であり、「少子高齢化、人口減、生産年齢人口の減少」に端をなす発信でした。
移民政策ってのは「今までのライフスタイルを変えたくない、イデオロギー的には比較的保守寄り」の方からは「嫌われる」のはわかっているんですよね。でも、誰かがこれを「憎まれ役」として俎上に挙げてがっつり議論しないといけません。賛否は皆さんそれぞれあるとは思います。
ともあれ、1000万人のソースは「日本語サイト」には見当たらなかったので、発言そのものの実在性が不明なままです。もし元ソース、元発言をご存知の方がいらっしゃったらご教示願います。
1-03. 緊縮財政堅持
ここでケインズ経済、積極財政、緊縮財政について触れると、そこだけでめちゃめちゃ長くなってしまいますので、皆さんそれぞれ調べてください。一応ここは「河野大臣がどういうスタンスなのか?」の検証目的なので。
緊縮財政とは「支出の抑制で歳出を減らす、増税で国の予算を賄う方向性」ですね。対して積極財政は「政府が公共事業をガンガン発注して民間に貨幣を流通させる手法。彼がどちらのスタンスなのかの検証ですので、ご了承ください。まあ、緊縮財政ですね。ここはデマで糾弾されているという訳ではないようです。
繰り返しますが「緊縮財政、積極財政の是非」は個々にお考え下さい。
1-04. PB黒字化目標堅持
PBとはプライマリーバランスの事です。Xで政治アカウントの方はよく目にするワードだと思います。通貨発行権があるとか、通貨をガンガン流通させて国債ばんばん刷ってしまえとか、国債には60年償還ルールがあるとか、様々な議論があちこちでなされていますよね。PB黒字化の是非はめちゃめちゃ長くなるし、経済学者さんにお任せします。ここでのテーマは「言ったか言わなかったか」ですので。ただし、基礎的に用語解説はしておきます。
で、これを河野大臣が掲げているかというと、事実ですね。PB黒字化を目標として掲げている記事がありました。まずは2014年の記事。
続いて2017年の記事です。
ただし、これは安倍元総理も同様に掲げていた側面もあります。これは2020年目標で掲げ続けていたのは覚えておられる方も多いのではないでしょうか?まあ、ご存知の通り未達なんですけどね。
1-05. メガソーラー推進
これは有名な話なのですが、河野大臣は再エネ派です。原発ゼロの会にも加盟。調べてみると、2011-2015までが再エネを決行精力的に推していた時期のようですね。ただ、現在でも再エネタスクフォースを進めている点から鑑みると「当時から今に至るまで再エネ推進」かな。
2011年には山本太郎氏との記念撮影もあります。
まだ平成、れいわ新選組発足前の山本太郎氏との記念撮影は目にされたことがある方も多いと思います。河野大臣側のサイトも確認してみましょう。サイト内に下記が河野大臣のエネルギー政策の箇所。
ただ、注意したいのが「日本端子は太陽光パネルを作っているから、河野大臣は太陽光推しだ」という話題はデマのようです。下記のBLOGから抜粋すると「そもそも日本端子は、端子・コネクタメーカーです。太陽光パネルの製造などはしていません。日本ではかつて日本の太陽光パネルメーカー向けの端子・コネクタの製造を行っていましたが、2015年に製造販売は終了しています。また、中国市場において日本端子が太陽光パネル用の端子・コネクタの生産及び販売をしたことはありません」との事。
一貫して脱原発・再エネ推進なのは間違いないようです。
ここからは私見です。現状のエネルギーの需給バランス的に原子力・火力発電が主軸なのは当然として「今は再エネは過渡期」なので、開発目標としてはここも同時進行で抑えていた方がいいのではないかなと考えます。
1-06. 脱原発推進
相対的に、上記と重複につき割愛。
1-07. 二重国籍容認
これはVol.1にて記載済みなので割愛。
1-08. MSR研究開発反対
ここ、MSRで検索してもそれらしい情報が出てこなかったので、まずは「MSRとは?」から検索。MSRとは、溶融塩炉(MSR:Molten−Salt Reactor)の事らしいです。「溶融塩に核燃料物質(ウランやトリウム)を溶解させて液体燃料とし、ポンプにより燃料塩自身を原子炉と1次系熱交換器の間を循環させて、原子炉で発生した熱を発電等に利用する液体燃料炉」との事ですが、さっぱりわかりません…。が、検索ヒントが出ましたので「溶融塩炉」で調べましたら、真逆の発言が出てきました。
トリウム溶融炉については「ウランより高く評価している」文面だと思います。まあ、再エネ派ではありますので、プライオリティは太陽光や洋上風力より下かもですが…研究開発反対ではないと思われます。
1-09. 旧宮家皇籍復帰反対
これは文言解釈の問題かな?おそらくソースはここだと思います。
「国民感情的に受け入れられるかどうか議論が必要」であり、文言としてはかなり慎重なのですが「反対」という文面でもなさそうです。
1-10. ペット税導入
これもソースが今一つわからないです。動物愛護法関連でマイクロチップ導入に際しての負担をどうするかという発言はありますが、ここの話でしょうか?ペットを飼わない方からの税徴収は理解が得にくいので、方向性としては受益者負担のルールに合致するとは思います。
1-11. 靖国神社参拝反対
先の総裁選で河野大臣は「首相在任中の靖国神社参拝はしない」と明言しました。おそらく画像の元情報はここかなと思います。
憲政史上最長の総理である安倍さんでも在任中の参拝は1回のみ。この時は号外が出るくらいに騒がれました。
過去の政権時はまだそんなにハードル高くなかったんですけどね。ハードルが一気に上がったのは中曽根政権時で「A級戦犯合祀」に中国と韓国が猛反発したからですね。
これに関しては、キャノングローバル戦略研究所の記事がなかなかわかりやすいです。対中・対韓のみならず「米国」がこれを快く思っていないという。安倍政権時の訪問を最後にずっと実現していないのは「ハードルがものすごく高くなってしまった」が理由です。
少しだけ補足すると、米国アーリントン墓地は「国立の墓苑」であり、日本ではこれに該当するのは「千鳥ヶ淵墓苑」です。靖国神社は「宗教施設」に該当します。
現実的回答として「参拝しない」は(参拝したいかしたくないかとは別問題で)可能か不可能か、と考えるとさほど不自然な回答でもない気がします。高市さんも「実際に総理総裁になった時に出来るか」というと、なかなか厳しいのではないでしょうか…
1-12.規制改革推進
これ、特別悪い事ではない気がしますが…。この関連では、彼は国民から大絶賛されていた記憶があります。
神エクセル問題
役所ではびこる「神エクセル」ですね。紙への印刷を前提に整えられたExcelファイルを指す俗語で、マス目を区切って文字を1個ずつ記入していく、実に非効率的なエクセルシート。例えば「河野太郎」と入力するのではなく「河」「野」「太」「郎」と入れていくのって面倒ですよね。
まあ、一部で改善されていなかった部門もあったようですが…
印鑑廃止
これもスピーディでした。大臣が動きが速いとこんなに世の中動くんだ、と舌を巻いた記憶があります。
テレワーク超過時間
コロナ以降、問題になっていたテレワークの労働時間超過問題にメスを入れたのも記憶に新しいですね。
オンライン更新時講習
これは地域差があり、過渡期ですがもうすぐ全国的に実現する模様。こういうのは「いかに楽にやるか」の方向に全振りでいいと思います。
脱FAX
ペーパーレス時代に向けての動きです。今でもまだまだFAX需要多いんですよねぇ、我が国…
1-13. 同性婚推進
これに関しては10年スパンで取り組んでおられる模様ですね。
これは保守系のアカウントは否定的だと思いますが、世間は意外とそうでもなくて、下記の通りになります。同性婚は、どの会社の調査でも一般的には「賛同者が多い」のですね。SNS上で近しいイデオロギーの方々と話していると、少し乖離するかも…
1-14. 河野談話堅持
まず、河野談話そのものをご存じない方はこちらで確認をお願いします。要は「従軍慰安婦の強制連行があった」とするもので、当時の官房長官だった河野洋平氏によって発表された私的談話。閣議決定を経たものではないのにもご注意。全文はこちら。
これについては安倍政権時に国会で質疑がなされています。まずは質問の方から掲載。
回答がこちら。回答は安倍元総理ですね。
世間一般の論調もミスリードがありそうな感じですね。父親の意見を支持するというものではなく、河野氏は安倍元総理の言う通り「安倍内閣での70年談話、日韓合意に尽きる」および「自民党が継承してきた歴史認識を受け継いでいきたい」と述べています。
1-15. 地方分権推進
これもかなりふわっとしか理解していない方が多そうなテーマですね。私も今回調べるまで「ふわっと」でした。これ綺麗にまとめてあるサイトがあったのでご紹介。政治アカウントの方にはおなじみ「政治.com」ですw
これは元画像の作成者の方が「何を問題視しているのか?」が今一つ見えてきませんので、誰かわかる方はご教示ください。特にこれといった問題要素がわかりません…
1-16. 道州制導入
現在の都道府県の区分けを道州にしていくプランで、上記の地方分権と地続きのネタですね。河野大臣のBLOG内検索をすると2005年とか2006年の記事がかなりヒットします。さすがに20年近く前なのでそこは割愛して、ここで一番新しい記事が2011年の記事。
もっと新しいのないかなぁと探していたら出てきたのが、あの悪名高い「余命3年時事日記」でした。
河野大臣がこれを積極的に推進しているような動きがここ10年以上見られないように思います。情報をお持ちの方はご教示ください。
1-17. 最低保障年金導入
これは総裁選の時に話題になってたなぁ、と思って検索。確かに河野大臣は「最低保証年金制度」を掲げておられました。これは「年金を全て消費税で賄う、現在の若年層の消費税徴収は廃止」という、かなり思い切ったプランですね。制度設計がかなり難しいようにも思えます。
やはり制度設計の点で谷垣さんに批判されていました。
賛否はさておき、これを掲げていたのは事実です。
1-18. 消費税20%増税
これも上記の最低保障年金と地続きの話ですね。総裁選の時に消費税増税を掲げておられます。その上昇分は「高齢者の最低保証年金に充当」するというプランです。高齢者はベーシックインカム的に年金が支払われ、若年層は年金の徴収が無くなり、その分消費税があがる…試算データを見てみないと正確には言えませんので、賛否は皆様にお任せします。
20%という具体的数値は見つかりませんでしたが消費税UPのプランは構想にあるようです。
1-19. 脱炭素税導入
炭素税は欧州などで既に導入されています。企業や個人が二酸化炭素の排出量に応じて税を払う仕組みです。
まずは「地球温暖化対策のための税」おさらい。聞きなれないかもですが、新設の税制ではなく2012年から稼働中の税ですね。
炭素税はこの延長線上にあります。区分はどうなんだろうと調べてみました。「地球温暖化対策のための税」はエンドユーザー側で「炭素税」は事業者側という理解でいいのかな?
気候変動イニシアティブのサイトでも確認。菅政権時にカーボンニュートラルの提言がされていますし、その方向性には合致します。
結論、炭素税には前向きのようです。
1-20. LGBT法案推進
これは賛成のようですね。自民党総裁選の時の記事ピックアップ。
そもそも、「LGBTに関しての何らかの法整備」は参政党以外の全政党が賛成していた訳なので、河野大臣もそのうちの1人というところです。
おさらい。
1-21. 中国人留学生優遇
起点はここでしょうか?(他にあったらご教示ください)
中国でも下記のように取り上げられています。
これはコロナ禍で正規の手続きを行いながら、渡航が滞っている方向けの発言かなと。また、現状中国だけを優遇する制度はないと思われます。
1-22. 対中批難決議反対
これはデマのようです。難しい問題なので、おそらく当初は慎重な発言をしていたが、最終的には「採択すべき」と述べておられます。
1-23. 中小企業淘汰促進
これ、検索したのですが「淘汰促進」に該当しそうな記事が見つからなかったんですよね。もし、他に「この事を言っているのでは?」という記事があればご教示ください。
私が検索した中だと、中小企業のM&Aに関する記事が見つかりました。これは内容的には「売り手、買い手の利益相反」関するお話でした。会社を売る人は、人生でおそらく1回あるかないか。逆に企業を買収する方は「幾度も色んな会社を買う」傾向があります。M&Aで「売り手・買い手の双方から仲介手数料を貰う場合、買い手の方に優位になるように進められる事が多い」という記事。
日本の企業は後継者不在が問題で「中小企業の黒字廃業率が49%である」との事です。潰すよりは「再編して少しでも長く企業活動を続けてもらう」事は「統廃合」であり、引いては「淘汰促進」という意味合いでしょうか…
1-24. プラスチック税導入
これも元ソースが不明瞭ですね。菅内閣時の「廃プラ法」でしょうか?
調べてみましたら、2019年5月に11の環境団体がプラごみの削減の提言書を出しています。グリーンピースやWWFなどはわかるんですが、日本野鳥の会なども名を連ねるんですね。環境大臣宛ではなく、外務大臣宛(当時)となっているのは、海洋ごみが国境を超える問題であることと、G20前だからというところでしょうか。
ただ、これは環境団体のみが暴走しているという訳でもなさそうで、日本プラスチック工業連盟なども同じ方向性のようです。マイルストーンとして期限を区切り様々な目標を掲げておられます。プラスチック全体の77%(622万トン)が資源として循環していないようで、
脱線しかけました…。廃プラ利用の是非はここでは「別問題」ですので除外します。(興味がある方はこちら。汎用プラ、エンプラ、樹脂ごとの特性や用途なんかは読んでて結構面白いですよ)
で、新プラ法は成立に至りました。
が、これで税率があがったとかもないですし、法案を主軸として引っ張っている訳でもなさそうですし…。これもソース不足なので、ご存知の方がいらっしゃればご教示ください。
1-25.核燃料サイクル廃止
これは当該記事がすぐにヒットしました。
確かに「廃止の方向性」のようです。
1-26.日中自由貿易協定推進
これは外務省の記事がヒットしました。(こちら)時勢によるので、当時はその判断だったんだろうなと考えます。
RCEPに関しても意欲的でしたね。
RCEPは「加盟国間の貿易の自由度を高めて大きく強い経済圏を作る」が目的ですが、当然「ルールがない無法分野のルール作成」の側面もあります。
賛否両論あって紛糾していましたので、皆さん個々の判断も分かれると思いますが、私見では賛成です。
1-27.外国人土地売買規制反対
これは該当する記事をピックアップできませんでした。ご存知の方はご教示願います。個人的には「何らかの拡大解釈ではないだろうか」と考えます。
1-28.敵基地攻擊能力保持反対
これは総裁選の回答がベースでしょうね。
確かに敵基地攻撃能力には慎重(懐疑的)ではあるようです。
02. 私見
これはまとめづらかったです。ソースが不明瞭で見つけ切れていないものも多数あります。内容も「確かに言ってるな」もあれば「デマじゃん」も混在する。一番上に掲げた画像は「デマである」とは言い切れないです。が、全て書かれたとおりであるとも言えない。
また、人によって解釈が分かれる部分も多々あります。
ゼロヒャクじゃないので、私は「トピックごとに賛同したり反対したり」ですね。