今回は保守派アカウントからやたらと叩かれている「林芳正」外務大臣についての検証です。正当な評価をするには「正しい情報」が必要だと思いますので、少し整理しました。中国によく行くのは本当ですし、戦略的に「中国は味方にするにしても敵にするにしても影響力が多いから、情報は多いに越したことはない」という知中派と考えています。
が、ちゃんと言う事は言っているんですよ。みなさんのイメージともしかしたら乖離するかもですね。ご確認ください。
過去の功績・トピック
安倍政権時、西川農相の後任
2015年、西川農相が政治献金問題で辞任。安倍元総理が急遽この穴を埋めるのに起用したのが林議員でした。幅広い分野での政策に精通し、理路整然と冷静にロジカルに答弁を行い、難易度の高い仕事もこなしていくため、自民党内では「困ったときの林さん」と呼ばれているそうですが、この時がまさにそうだったですね。彼は農相を2度務めていますが、その際に日豪の経済連携協定(EPA)の締結に尽力され、党農林水産戦略調査会長として農協改革案のとりまとめも行っております。TPPの立役者の一人でもあります。
加計学園騒動の時の文科省立て直し
この時の大活躍をお忘れの方、多いような気がするのですよね…。様々な野党の批判を冷静にかわし、ぶれずに答弁して安倍政権を支えていたじゃないですか。
当時の安倍元総理の評価がこちらです。
TPPに関して池上彰氏と
選挙特番で、TPPに関して池上彰氏が印象操作をしようとしたが、即座に指摘し、話題転換にも乗らず取り消しを求めた姿が放送されました。
尖閣周辺の中国ブイの件
これはまだ途中段階で結果までは行きついてはいませんが、林議員がブイ撤去の選択肢を提示しています。「親中ではない証左」と考えています。
関連して追記しますと、安倍政権時にも同様のブイ問題は起きていましたが、撤去に至っておりません。
処理水放出について
中国の対応についても毅然とした対応をしておられますよね。
何故、林議員は批判されるのか?
憶測も混じります。ご了承ください。
高市総理誕生には邪魔な存在?
まず、話は自民党総裁選に遡ります。安倍元総理が推していた高市氏が決選投票に進めず敗れ、岸田総理が誕生します。が、高市氏は多くの人が期待していたように官房長官の職には就かず、党三役の政調会長に就任。閣僚ではないという事は政府要職ではなく「自民党の要職」ですので、人によっては冷遇と映るかもしれません。まあ、実際は将来総理になるうえで「政調会長」キャリアはマイナスにはならないんですけどね。
林氏が批判されるようになる転機は、先の衆院選。幹事長だった甘利氏が小選挙区で落選(比例復活ですが)し、引責辞任。空白の幹事長のポストに茂木氏が就任、外務大臣職に林芳正氏が就任しました。林氏は2021年衆院選挙では参議院から鞍替え、山口3区で立候補して当選です。慣例的に総理大臣は衆議院議員が務めることが多く、林氏も将来的には「総理を目指せるポジション」にいます。これは「高市早苗総理誕生」には邪魔な立ち位置です。
【私見】これは自民党議員内ではライバル関係でもあるので仕方ないですw
安倍元総理と選挙区が重複
山口の選挙区は、国勢調査での人口減少を勘案し4区から3区に減少します。安倍元総理の地盤である山口県下関市等(旧4区)と、林氏の地盤である宇部市等(旧3区)が同一選挙区になるので、自民党の公認関係で「安倍元総理の敵」のようなイメージがあるのかもしれません。
【私見】これについては最後に述べます。
ハニートラップ疑惑
ご本人否定されましたね。
【私見】これはさすがに信憑性が薄いでしょう。本人否定動画は上記の通り。また、後述しますが、林大臣はバチバチに中国批判をしています。もしハニトラにかかっているのであれば、この言動とは整合性が取れません。また、安倍元総理が議員でもない部外者に自民党議員の悪口を吹聴するような人物とは思えません…。
安倍元総理死去後のテーミス記事
週刊テーミスの記事(そもそもこの媒体を知らないんですが)を平井宏治氏がツイートしています。
【私見】元記事は「国際電話」です。インドネシアでよほど近く(聞かれる位置)に人がいて声が漏れたか、通話相手からのリークからしか可能性がありません。リーク元がいたとして、それをこんなマイナーな(失礼)媒体に売り込んできた可能性は低すぎると思います。仮に私が売るなら「高く買ってくれそうな文春か新潮」です。ソースがないので、信憑性ない記事だと考えます。
この時のツイートも実際ハズレですw
国会答弁のためG20欠席
国会答弁を優先し、ウクライナ問題を議論するG20会合に出られなかった問題がありましたね。これに関しては山端さんの動画をご確認ください。が、どちらかというと外務省側ではなく与党内の連携の不足のようです。世耕さんが「参議院自民党の要請」という旨を仰っています。
【私見】自民党内調整不足。これに関しては林外務大臣というより参議院自民党に問題があったのかなと考えます。が、どのみち調整不足だとは言えるのではないかとも思います。
セクシーヨガの件
元々は文春の記事ですが、他のメディアにも飛び火しましたね。内容としては林文科相(当時)がセクシー個室ヨガに通っていたという記事です。これは整理をしないと話が混乱しそうなので、ソースと共に追っていきます。
まず、お店の業態としては風俗のようなものではないようです。
ヨガスタジオ経営者の方もご自身のブログで反論をしておられます。
私見ではこうです。
❶風俗ではない(問題ないと考えます)
❷経営者もAV出身ではない(問題ないと考えます)
❸公務と公務の間、公用車(ここは私も自重するべきと考えます)
林文科相は謝罪されました。
【私見】
ゼレンスキー大統領演説時のあくび
外務大臣は長期に努めるのは厳しいポジションと言われているようです。これは「時差ボケとの戦いの連続」という側面があるからです。岸田総理が外務大臣だった頃の2013年の岸田外相(当時)会報にこう記載があります。
下記画像はゼレンスキー大統領の演説に関連する「2022年3月」のみピックアップ。
【私見】
褒められたことでは決してないけど、あくび位出るでしょ…。
林氏、中国関連ニュース
ロシア対応、中国を名指し批判
日中外相会談、台湾海峡懸念表明
林外務大臣発言に王毅外相が激怒
中国ミサイル発射非難 日米豪外相声明
中国のウクライナ停戦呼びかけに反発
対中姿勢批判について表明
中国の不透明な軍拡批判
日中外相会談、平行線
中国前駐日大使離任挨拶を断る
G7外相会談で中国批判
外交青書にて中国批判
国際海洋条約、仲裁判断拒否批判
中国王毅氏に拘束法人解放要求
安倍元総理との関係
安倍元総理逝去直後の発言
安倍元総理、林議員応援
安倍元総理「後援会がうるさい」
前回の選挙区の構図がこちら。
この場合は安倍さんと林さんは「棲み分け」が可能ですが、国勢調査の結果でこれが3区に減るのです。実は元々下関は林家の地盤だったりします。少し時代をさかのぼってみましょう。安倍さん、林さんは双方世襲議員です。
1996年の総選挙からは、中選挙区制から現在の小選挙区制になります。ここで自民党内の調整が行われます。林義郎議員は比例に移り、安倍元総理に4区の地盤を譲るのですね。林芳正議員は3区ですので、これなら双方政界で活躍できるのです。安倍さんも林さんも初々しいw
ですが、地元では「因縁のライバル」のように言われますし、実際に後援会などを含む周囲もそう動いていたのかもしれません。
が、これも「当人がどう考えていたか」とは別のお話です。こんな記事がありました。真偽のほどはわかりませんが…
地盤が近く、周囲が気をもんでいるだけで、実は当人同士はさほど気にしていないんじゃないでしょうか?w