【音楽】「TONIGHT」Franz Ferdinand
ロックンロールの黎明期(プレスリーとかビル・ヘイリーあたり)ってのは「ロックは踊るためのもん」だったと思うのですよね。ロックのみならず「ロール」しなきゃいけない。「アメリカン・グラフィティ」的な、ダンサブルなジャンルだったと思うのですが、どっからか「頭でっかち」な感じに推移していったように思います。勿論、グラムでも、メタルでも、パンクでも「踊れる」ではあるけど、どこかコンセプチュアルな方向に進んだ気がします。まあ、それはそれでいいと思うし、その中には私は大好きなミュージシャンも多数含まれるのですが、やはり踊れるロックってのは必要だとも思います。
おそらく「踊れないロック」から「踊れるロック」にまたぶり返した流れのキーになるのは、先日紹介したThe Stone Rosesだったと思うのですが、今回紹介するFranz Ferdinandもその流れと言っていいんじゃないかなぁ。
このアルバムの少し前に、CMでも「What Do You Want To」が起用されて、満を持してのアルバムだったんですが、初めて聴いた時はちょいと驚きました。あっけらかんと明るいアルバムを予想してたんですけど、なんというかドスが効いてる。ダークな、ダウナーな凄味が増してたんですよね。かといって「体が動く」ようなリズムもちゃんとキープしている。こういう方向性に期待を裏切られるとは思っていなかったなぁ。どっかで味わった感覚だなぁと思い返してたんですが、これはスマパンの「Adore」のダークネスにぶん殴られた感じに近かった。
他のアルバムも好きなんですが、ぶっ飛んだ度でいうとコレが一番でした。