【読書】藤垣裕子「科学技術と社会 具体的課題群」
「科学技術と社会」という本を読んだ。科学技術を社会の中にどう位置づけるかという1冊であり、「具体的課題群」とあるように原発問題から生命倫理、AIまで様々なトピックについて議論がなされていた。
個人的に興味深かったのは科学リテラシーについての話である。今までの自分は科学リテラシーとは科学を知っているかどうかという点で測られる内容かなと思っていたが、本書によると科学そのものを重視する立場のみならず、社会の中に存在する科学というものを重視する立場というものもあるという。
デザイナーベイビーなど科学が倫理観を揺さぶる問題や、原子力発電所など科学とリスクの関連を考えさせられる問題など様々あるが、そうした問題について如何にして考えるべきかを問う1冊であると思った。ただ、あくまで答えというものは用意されていないように思われるので、その点は注意が必要。