【映画】それでも夜は明ける

映画「それでも夜は明ける」を見た。家族と幸福な日々を送っていた一般の黒人が誘拐され、奴隷として労働を強制されるというストーリー。タイトルでは「夜は明ける」とあるが、本当に光に触れることができたとは言えないだろう。

誘拐については誘拐犯を罪に問うことが可能であるが、奴隷制度については制度の問題なので個人に責任を帰属させることが難しい。奴隷としての酷い現実を映画によって知ることができたのは良かったが、最終的に誰が責任を問われるのだろうかという思いを抱いた。また、こうした過酷な日々を送ってきた奴隷を、映画の対象として良いのだろうかという思いも同様に抱いた。

途中で奴隷が奴隷に対してムチを打つことを強制される場面があるが、あの場面は人間の恐ろしさを示しているように思われた。本心ではムチを打ちたいと思っていないのに、主人からの命令に抗うことはできない。

残酷なことをした個々の人間にももちろん責任があるが、やはり制度や習慣として確立すると、それをなくすことは難しいのだなと思った。

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