アシュレー・ハッチングスが取り上げたトラッド


 ひとつの詩の紹介です。

 アルビオンバンドBBCライブインコンサート、ライナーからトラディショナルチューン「ポストマンズ・ノック」。

  ポストマンズ・ノック

郵便屋さんはなんて素晴らしい男なんだろう
戸口から戸口へと忙しく廻ってゆく
郵便屋さんの手の中にはたくさんの知らせがあるんだ
お金持ちと貧乏人の両方に

多くの人の顔に郵便屋さんは喜びを見つける
多くの顔に悲しみを見つける
大きなノックの音に応えてドアを開けた人に
さっと知らせを手渡すときに

* 毎朝 時計みたいに正確に
  誰かが郵便屋さんのノックの音を聞く
  毎朝 時計みたいに正確に
  誰かが郵便屋さんのノックの音を聞く

一軒目のうちには赤ちゃん誕生の知らせ
四軒目のうちには死の知らせ
十三軒目のうちには おっそろしく長い請求書
郵便屋さんはドアの郵便受けに落としてゆく

十五軒目のうちには所定の手続きを踏んで小切手を配達
十六軒目のうちには美人がいるから楽しいぞ
十七軒目のうちは感謝をしてくれないが
十八軒目のうちには愛の手紙だ

* リピート

郵便物は絶対に届けなくちゃならない
どんな危険なことや嫌なことがあっても
手紙の束を抱えたこの男は
大急ぎで自転車を漕いでゆく
吠えまくる犬どもに追いかけられながら

どれほど辛いことがあったって
彼が文句を言うのを聞いたことがあるかい?
一度もないだろ 郵便屋さんは負けないんだ
ただで郵便袋と帽子とバッジがもらえるんだから
仕事を探してうろうろしているよりずっといいんだ

* リピート

   (訳 茂木 健)


(*'▽')。