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おいでよ! 3!参!SUN! ~ライブ編~

 実家のリビングに掛かっていたカレンダーが、今でも記憶に残っています。
 それ自体は月ごとにありがたいお言葉が書いてあるありふれたものだったのですが、そこに書いてあるひとことがなかなかに強烈でした。
 曰く、「この世の中は苦しいところだと知れ」
 怖いよ。
 なんというか、もう少し明るい言葉でもよさそうなものです。しかもそのカレンダーは、普段遣いのカレンダーとは別にいつもその月を表にして掛けられていました。記憶にある限りずっとです。
 想像してみてください。食事のときにふと顔を上げると「この世の中は苦しいところだと知れ」といういかつい筆文字が目に入るのはなかなか迫力のある光景です。迫力がありすぎてなかなか忘れられず、気がつけば自分の中にずっしりと残る言葉になってしまいました。
 「この世の中は苦しいところだと知れ」。
 なんとも言えない居心地の悪さと共に目にしたこの言葉は、ある程度人生を過ごせばわかる通り、おおよそ正しいです。この世の中は苦しい。

 ただ、苦しいばかりではありません。好きなことや楽しいこと、嬉しいことや喜ばしいことが見つかることもあります。
 例えばそれはおいしいごはんを食べることだったり、親しい人となんでもないことで談笑する時間だったり、2024年12月6日に武蔵野の森総合スポーツプラザでさんばか 5th Anniversary LIVE ~3!参!SUN!~が開催されることだったりします。現在チケット販売中、ライブグッズはコトブキヤさんの店頭であれば当日までに入手可能です。

 ライブ前の配信はこちら。普段の三人らしさがありつつ、ライブまでの盛り上がりも伝わってきます。


 ……。

 ……い……。

 ……しい……。

 ……うれしい!!!!!そして……来てほしい!!!!!たくさんの人に!!!!!!現地に!!!!!!!!すごく来てほしい!!!!!!!!!!めちゃくちゃにそれはもう果てしなく……来てほしい!!!!!!!!
 もちろん、どうしてもライブが苦手な人や配信は見てるけどライブは見ないという人に、その心を曲げてほしいわけではありません。
 来てほしいというのは来て楽しんでほしいという意味であって、内心を無視してそこにいろ、ということではないからです。

 でも、行くかどうかまだ考えていたり、行きたい気持ちはあるけど迷っているのであれば……それはもうとってもやっぱり……無理のない判断の結果として……来てほしい!!!!!あわよくばこの文章を読んでもらったうえでわずかながらでも“行く”ほうに心を傾けてもらえたら……うれしい!!!!!!でもこんな気持ちを押し付けるのは結構……後ろめたい!!!!!!
 そんな行き場のない気持ちを抱えたままTwitter(現・自称X)を徘徊していると、ちらほらと「行くかどうか迷ってる」というツイートが散見されました。

 どういう迷いなのかは、人によって異なるでしょう。個人の意思ではどうにもならないものもあるはず。そういう事情を無視して「なんとかなるから来よう」という言葉を投げつけるのは、相手の心に対する粗雑な踏みつけにほかなりません。
 かといって「現地でしか味わえない魅力」を説くのもピンときません。それが行く理由足り得ないからこそ迷っているわけですから。となると、自分にできることは一つしかありません。
 身に覚えのある迷いに対して、自分の判断の道筋を示すことです。

 なのでこの文章は、「ライブに行きたい気持ちはあるけれど、行くかどうか迷っている」「ライブというものがわからなくて、いまいち気持ちが定まらない」「行きたいけれど、ライブというものへのためらいがある」というような人に向けての文章です。

 これとは別に「にじさんじは知っているけど、あんまりさんばかにふれていない」「最近さんばかを知って、もう少しライブまでに知っておきたい」というような方へ、曲をはじめとしたライブに向けての軽いガイドのようなものも書いているので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。

 書いているうちに長くなってしまったのですが、お付き合いくださるとうれしいです。



ライブという催しに抵抗がある

 そもそもの話になりますが、ライブに行くこと自体になんとなく抵抗があるという人もいるでしょう。
 不自然なことでもなんでもありませんし、正直に言うと私自身も抵抗がないわけではありません。ライブの目的は「曲やダンスや演奏を楽しむ」ということですが、現地に行くとなるとどうしてもそれ以外のものも伴うからです。
 チケットを取ったり、準備をしたり、当日の席に一喜一憂したり。純粋に楽しむ他に、いろいろと気にする必要が出てきてしまいます。
 極端な言い方をすれば、現地参加に伴う諸々がライブそのものの楽しみを損なってしまうこともありえます。誰だってそれは嫌です。
 それも含めて現地参加の楽しみと言ってしまえれば簡単なのですが、なにぶん自分もそれをハードルだと感じる人間です。

 加えて、現地というのは人がたくさんいます。
 単純に人混みが苦手ということもありますし、そうでなくてもメンタル的に「みんなでワイワイ」に抵抗がある、ということもあるでしょう。
 私は「みんなでワイワイ」か「一人で黙々」かで言うと、もちろん「一人で黙々」派です。そういう人間にとって、絶対に「みんなでワイワイ」が伴うイベントというのは、多少回数を重ねてもやっぱり抵抗がある。
 逆にこういう準備や現地の雰囲気も含めて楽しめるということは、明確な長所だと思います。

 この「抵抗がある」というのがまた微妙なところで、「行きたくない」のではなく、「嫌々ながら行く」わけでもない。
 行きたいという気持ちがあるから行くし、行けば楽しいけど、それとは別に抵抗はある、ということなんです。
 これはやっぱり、誰のどんなライブかということは一切関係のない、個人の性格とライブという催しそのものの相性ということになるのでしょう。
 少なくとも私は、自分で自分をライブとの相性が悪い人間だと思っています。

 ではどうしているのかというと、もう単純に、抵抗があるままで行っています。
 これはライブに限らない話になってしまいますが、普段の自分の行動パターンの外にあることをするときにって、だいたい抵抗があるものです。その際に、少しでも抵抗があったらやらないというのも明確なスタンスの一つではあります。
 ただそこで、「抵抗がありつつやる」というスタンスを取ることも可能ではあるんですよね。
 その事に気づいてから、多少抵抗があってもやってみるという選択が人生に出現しました。
 
 なので、私は自分という個人とライブという催しの相性は悪いと思っています。
 思っていますが、それはそれとして楽しむことはできています。相性と楽しさは別に二者択一ではないというのが自分の経験です。 

行っても楽しめるかわからない 

知らない曲で盛り上がれない

 ライブで何を楽しむのかといえば、歌声の色合い、込められた感情の機微、動きの重なりや鮮やかさ、音の重なりが直に伝わる迫力などでしょう。
 こういったものに関しては、事前知識というものはあまり必要ありません。ただ味わう、それだけで十分ですから。

 ですが、ライブではそこに「選曲」という要素が加わってきます。その結果生まれるのが「知ってる曲で盛り上がる」というのが楽しみ方で、これが大きな盛り上がりの一つなのは間違いありません。
 裏を返すと、「知らない曲だと盛り上がれない」ということにもなりえます。

 極端な例を挙げると、アルバムの発売を記念して開催されるライブにアルバムを一切聞かずに行けば、盛り上がることは難しいでしょう。加えて、盛り上がってる人たちに対する疎外感、そんな態度は周りから良く思われないのではないかという不安もあるはずです。
 こうした不安は、「行っても楽しめるかわからない」という迷いの十分な理由になりますよね。

 でも私は、盛り上がれないのが悪いことだとは思いません。

 知っている曲で盛り上がる、それは間違いなく主な楽しみ方の一つです。実際に自分の知っている曲が始まったとき、イントロで曲がわかったときの興奮は何にも代えがたい。
 ただ、ライブの楽しみ方とは決してそれだけではありません。
 「知らない曲と出会う」という楽しみ方もあるからです。

 言ってしまえば、新曲がライブで初披露されるときに「知っている曲で盛り上がる」要素は完全に存在しません。ではそれが楽しくないかというと、そんなことはないでしょう。
 新しい曲がまさに生まれ出る瞬間に立ち会う楽しみ、そして曲そのものに耳を傾ける喜びというのは、確かにそこにあります。

 そして、曲に限らず何かと初めて出会う瞬間というのは、その人個人だけのものです。
 たとえ周りのほとんどが知っている曲であっても、自分にとって初めて出会う瞬間であるのなら、その出会いは自分だけのものです。
 それがライブでの曲との出会いなら、わからないからこそ耳を傾けてもいいし、わからないなりに周りの雰囲気に乗ってみてもいい。盛り上がるだけが楽しみではありません。
 そうしてライブで初めて出会った曲を帰路で購入して改めて味わうというのも、ものすごく贅沢でかけがえのない出会いではないでしょうか。

 もっと言ってしまうと、「周りが知ってるのに自分だけ知らなくて盛り上がれなかったな」という後悔だって、あなたとその曲とのかけがえのない出会いで、思い出です。
 
もちろんポジティブなものではありません。でもそれをきっかけにその曲を聞き込んでみたりすれば、いつか後悔ではなくなる日が来ます。
 
 とは言ったものの、あまり参考にならない答えかな、とも思います。結局のところ「周りを気にせずに自分と曲の関係を大事にすればいい」と言っているだけなので。
 それができたら苦労しませんと言われれば、その通りです。
 でも、たとえ他の人にとっては慣れ親しんだ当たり前のことでも、自分にとって初めてであるのなら、それを後ろめたく思ったり恥ずかしく感じる必要はない、ということは強く主張させてください。

 それから、もちろん予習という行為を否定したいわけでもありません。予習することもしないことも、どちらも一つの出会い方であるということです。
 せっかく行くなら予習していきたいという気持ち自体も同じく尊重されるべきですし、もちろん予習だってライブの楽しみの一つです。
 

どんな曲を予習すればいいのかわからない

 自分が経験したことのあるライブはほとんどがVのライブなのですが、演目が全てがオリジナル曲である、ということは今までありませんでした。
 それこそ年末に開催されるカウントダウンライブで「全てがオリジナル曲である」と特筆されるくらいには珍しいことなんですね。
 つまり、カバー曲がセットリストに入ってくる以上漏れなく予習するというのは現実的ではありません。これは決してネガティブなことではなく、ほとんどの人が「知ってる曲で盛り上がる」「知らない曲と出会う」の両方の楽しみを味わえるわけです。

 それを踏まえた上で予習をするとなると、さんばかの場合はそれぞれに数曲ずつオリジナル曲があり、ユニットとしてのオリジナル曲が二曲あります。このあたりについて、くわしくはこちらの記事で触れているので、もし気になったら読んでみていただければと思います。

コーレスがわからない

 ライブといえばコール&レスポンスですが、少なくとも今回のさんばかのライブであれば、ほとんど心配しなくて大丈夫でしょう。
 というのも、上にあるようにカバー曲もある程度歌われるからです。仮にその曲のコーレスが細かく決まっていたとして、どうやっても知ってる人と知らない人に分かれます。
 知らなかった場合、コーレスしたければ知ってる人をなぞればいいし、とりあえず曲を聞きたいというのであれば耳を傾けてもいい。どっちでもなんとかなる、と思います。

 ではオリジナル曲はというと、『3倍!Sun Shine!カーニバル!』がはっきりコール&レスポンスがある曲です。
 ただ、この曲自体はこれまで何度かライブで披露されてはいるものの、いずれも声出しのできない状況でした。
 なので来る人全員コーレスは今回が初めてです。自分も一応できるとは思うのですが、実際会場で上手にできるかというとわからないのが正直なところです。
 曲自体の聞き込みに関しては確かに多い少ないはあるかもしれません。でも、コーレスに関しては本当に来る人全員が初めてです。

 ミスって白い目で見られるということはきっとないでしょうし、仮にミスったとしても、そういったわちゃわちゃも含めてこの曲だと私は思います。

ライブに伴うあれこれがわからない

ライブまでの過ごし方がわからない

 ライブに行くとなるとライブ以外のものがついてくる、ということは先に少しふれました。準備をする、物販がある、入場がある、移動がある。そういったライブに伴うあれこれがわからないということも、ためらう理由になると思います。

 準備については、忘れものにだけは気をつけましょう。身分証明書など、忘れたらそもそもの目的が達成できなくなる類のうっかりだけはなんとしても阻止したいところです。

 当日の具体的な過ごし方については、自分の気持ちと相談しましょう。色々なライブのレポートが参考になると思います。
 物販に行かない場合は開場時間に間に合うように到着すればよく、物販に間に合いたい場合は開始時間より前に到着して指示に従う、というのはおおよそどのライブにも共通するはずです。

 時間に余裕がある場合は、少し足を伸ばして観光をするのもいいかもしれません。このあたりはそれぞれのやりたいことによって違ってくるので、自分の過ごしたいようにするのがベストです。
 なによりも、公式の注意事項を熟読することも忘れずに。

現地での過ごし方が不安

 当日の過ごし方に大きく関わってくるのが、「一人で行くか、誰かと一緒に行くか」ということです。
 一人が不安というのはもちろん、誰かと一緒であることだって不安の理由にはなるでしょう。とりあえずは、以下の三つにわけて考えてみることにします。

  • 誰かと一緒に楽しみたいが、相手がいないので不安 

  • 一人で楽しみたいが、それはそれで不安

  • 誰かと一緒に楽しむ予定があるが、それはそれで不安


誰かと一緒に楽しみたいが、相手がいないので不安 

 この場合、SNSなどで同じ状況の人を見つけて声をかけてみるというのが考えられます。
 知らない相手と少人数で会うことが不安という場合であれば、すでに企画されている中規模~大規模のオフ会に参加するのもありです。
 飲み会など、人数の把握が必要なものは時期的に間に合うかどうかは微妙なところですが、軽く集まろうというものであればまだ大丈夫かもしれません。

 ただ、どうしてもインターネットを介した出会いとなるので、細心の注意を払いましょう。
 同じ状況の人を見つけたとして、そのアカウントの言動や行動方針、どういったアカウントと関わりを持っているか、ということを十分に考慮してください。
 不快になりにライブに来る人というのはほとんどいないでしょうが、やっぱりそこは人と人との関わりなので、何が起きるかはわかりません。
 未成年の場合は尚更です。絶対に緊急時の対処法を一つは持っておいてください。
 これらを踏まえたうえで、誰かと一緒に楽しもうとしてみる、ということはできます。

 ……とは言うものの、自分はライブ会場で人と会いたいという願望がそこまでありません。
 人に会うのが楽しくないわけではありません。ただ、どれだけ楽しくてもあくまでそれはライブに付随する“おまけ”であって、本体ではないと考えているタイプの人間です。

 なので、この不安に関しては「安全な形で人に会える機会があって、万が一の場合安全を確保できる手段や相手がいて、なんとかできそうな場合に、もし勇気があれば声をかけてみる」という通り一遍のことしか言えません。申し訳ないです……。

一人で楽しみたいが、それはそれで不安

 この場合に焦点が当たるのは、一人でいることで生じる不利益です。
 一番大きいのは「何かあった場合のリカバーを自分だけでやらなければならない」ということでしょう。特にライブともなると、物販だったり入場だったりで想定外の事態が発生する可能性があります。
 ただ、これについてはどんな一人行動にもともなう不安でしょうし、一人で行動するのが平気な人だったらおおよそ大丈夫だと思います。
 わからないことがあればスタッフさんに、万が一見当たらなければ周りの人に声をかけてみましょう。

 これはさっきも書きましたが、現地にいる人というのはほとんどが楽しみたくて来ている人です。物販であれば気が急いていたりするかもしれませんが、おそらくそれ以外の場面では多少わからないことを尋ねたくらいで邪険にされるということはない……と思いたいです。
 断言はできません。できませんが、ないと思いたいです。
 基本的に一人で行動するときに必要な注意を払って行動する、ということを心がけていればおおよそ問題は起きない、と思います。
 

誰かと一緒に楽しむ予定があるが、それはそれで不安

 一人ではないということは安心にもなりますが、だからこその不安、というものも当然あるわけです。特に、これを気に初めて会う相手がいる場合は。

 結論から言うと、こうした機会をきっかけに関わりを持った人だからといって、繋がり続けなければいけないということはありません。
 同じものを好きということは、確かに関わるきっかけにはなります。
 ですが、関わりが続くかどうかというのはもっと広い範囲の、個人同士の相性によります。
 好きな物事に関する意見は一致するけどその他に気になるところがあったり、いい人ではあるけれど自分とはコミュニケーションの様式が異なっていたり。どちらかが悪い場合、どちらも悪くない場合、様々な齟齬がありえます。
 そうした場合、無理に関係を維持する必要はないのです。

 なにも角を立てろということではなく、声をかけてみて大丈夫そうであれば関わりを持てばいいし、うーんちょっと、と思えばそっと離れていい、ということです。
 もちろんせっかく受け入れてもらったのに離れるのは忍びないという気持ちや、受け入れてもらえなかったという寂しさを感じることはあるでしょう。
 ただ、人と関係を保つ理由として「忍びない」「申し訳ない」ということを選んでしまうと、なかなか良好な関係とはなりにくいものです。

 強く繋がらなくてもいいし、関わり続けなくてもいいし、気が合うならそのまま仲良くなればいい。そういうスタンスが適切だと私は思います。

 それとは別に、金銭が関わると話はこじれます。
 ライブの前後で飲み会や観光に行く場合、そのあたりの精算はしっかりしておきましょう。払った・払ってないなどの問題が起きないように。
 初対面で金銭の話をするのが気まずく感じるのであれば、「すいません初対面で金銭の話をするのって気まずいんですけど……」と素直に言ってしまうと若干話しやすくなる、かもしれません。
 気をつけられること全てに気をつける、相談できる人など万が一の場合の対策を一つは考えておく、というのは大前提です。

 また、そういう集まりに参加して「この人ほど好きな気持ちが強くない」と後ろめたく思うことがあるかもしれません。
 気にしなくてもいいというのが私の答えなのですが、気になってしまうものは気になってしまうものです。

 なので気にしてしまう人は、この際思いっきり気にしてみるのも一つのやり方です。気にしすぎて「他の人に比べてそんなに好きじゃないのにライブを楽しむ資格がないのでは?」というところまで到達してしまうのであれば、流石に「気にしなくていいよ」なのですが。

 「自分の好きはこの人ほどの好きじゃないかもしれない」という気持ちが生まれたとします。
 それをきっかけに、「自分の好きはどういう好きなのか」「なぜ自分は周りの好きと比べて自分の好きを劣っていると感じるのか」ということを考えると、少なくとも落ち込むだけではなくなるでしょう。

 その結果として「確かに周りほどの熱量はないかもしれないけれど、これが自分の好きの形」と肯定できればそれに越したことはありませんし、「他の人に負けないような好きの形にしたい」と思えばそのために必要なことの目星がつく。
 人と比べて落ち込んだり悩んだりしてしまうことは避けられないかもしれませんが、それを方向転換することはできます。

 人と関わることで嫌な思いをする確率というのは、どうやってもゼロにはなりません。
 なので嫌な思いをしないようしっかりと対策をするか、嫌な思いを嫌なままにせず別の方向に流すための心の備えをしておく、というのが私の答えです。

 また、こうした過ごし方以外にも、ライブにおける明文化されていない“しきたり”が気になる、ということもあるでしょう。
 運営からの注意事項や一般的なライブのマナーを踏まえるのはもちろん重要ですが、私としては、
 ・ルールを知り、ルールを守る
 ・故意に他人に迷惑をかけない
 ・意図せず他人に迷惑をかけてしまった場合、すぐにやめて謝る
 ・曲や歌唱の魅力を損なうようなリアクションをしない

 ということさえ守れば、おおよそ大丈夫だと思います。このあたりのことはそれこそ私なんかよりもライブ慣れしている人がいろいろと書いてくれているはずなので、それを参照してみてください。

最後に

 ここまで読んでくれた人というのは、行くかどうかは別としてとりあえず話は聞いてみようという心の広い人だったり、そこまで言うならちょっと考えてみようかなと心を開いてくれた人だと思います。
 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

 そもそもどうしてこの文章を書こうと思ったのかというと、もちろん来て……ほしい!!!!2024年12月6日に武蔵野の森総合スポーツプラザで開催されるさんばか 5th Anniversary LIVE ~3!参!SUN!にそれはもうはちゃめちゃに……来てほしい!!!!!!!でも無理に来てほしいわけじゃなくて……行こうかなという気持ちが様々なあれこれを経て行ってみようという気持ちになった結果……来てほしい!!!!!からです。

 ただそれとは別に、こういう人間でもこういう人間なりに行って楽しむことはできるよ、ということを書いておきたくもありました。

 私が初めてライブに行ったのは2019年のVtL両国でした。今ほどオリ曲があるわけでもなく、私自身もライバーについてそこまで知識を持っていないという状況です。
 さらにライブに行って初めてわかったことなのですが、ボカロ曲をほぼ聞かずに生きてきたので、「著名なボカロ曲をついにあのひとがライブで歌ったときのブチ上がり」というVのライブあるあるの恩恵が一切ありませんでした。なにせ2019年時点で聞いたことのあったボカロ曲が『ワールドイズマイン』一曲です。
 ではなぜ行こうと思ったのか。
 もちろん、あの人がステージで歌う姿を目にしたい、それを近くで見たいと思ったから……というのもあります。
 ただそれだけではなくて、ものすごく陳腐になってしまうのですが、思い出づくり、という理由もなくはないのです。
 
 VtL両国に応募したとき、何が何でも行きたいというわけではありませんでした。もちろん行きたくはありましたが、当たれば縁があるから行こうくらいの、ちょっとした運試しみたいなものだったのです。
 けれどそれがきっかけになって、自分の中に「ライブに行く」という行動が生まれました。仮にライブが肌に合わずあの後一度も行かなかったとしても、「とりあえず行ってみたな」という思い出にはなったでしょう。仮に外れて配信での視聴だったとしても、「行きたかったけど外れて配信で見たな」という思い出にはなったでしょう。
 どの思い出であっても、自分の自分の好きなものの間になにか一つ増えるのならそうしようという気持ちがありました。
 その選択をしてよかった、と今でも思っています。

 思い出というのは作るものではなく自然と生まれるもの、という意見もあるでしょう。何を隠そう自分自身がそうでした。
 今は違います。自然に生まれた思い出と、作ろうとして作った思い出に、きっと差異はありません。
 なので、「思い出が増えそうなことをする」というのが今の自分の行動方針の一つです。だからコラボ店舗にも行きますし、新幹線にも乗りますし、カラオケにも行きます。
 生きていくうえでの指針の一つとして、「思い出が増えそうなことをする」というのは、悪くないはずです。きっと。

 本音を言えばさんばかのライブに来て……ほしい!!!すごく来てほしい!!!ほしいんですが、そうでなくてもこれから先、たとえば年末のカウントダウンライブや来年のにじフェスで開催されるライブが気になっていて、でも「現地ならではの音」「現地ならではの経験」という言葉には後ずさりしてしまうような人、あるいはいつかこれからどこかで自分の見ている人がライブをやるかもしれない人にとって、足を運ぶきっかけになってくれたらいいな、と思います。

 来てほしいんですけどね!とっても来てほしい。三人のことですから、きっと素敵なライブになるでしょう。それをできるだけ沢山の人に見てほしい。
 でもこればっかりは、その人がこれまでどう生きてきて何をどう好きになるのか、という個人の根幹の話になってくるので。
 読んだけど行かないという人に対して、それでも読んでくれてありがとうと言わせてください。

 「この世の中は苦しいところである」。
 そんな苦しい世の中で、幸せな思い出を増やすためになにかをやってみる。
 その一歩を踏み出そうとしたときに、少しでもその足を軽くできれば幸いです。
 そしてもし! もし行くよという方がいれば、私もどこかの席にいます。おそらく会うことも話すこともないでしょう、けれども確かにそこにいます。
 なにより三人がそこにいます。
 当日が、今から楽しみです。きっと終わった後も。

 改めて、ここまで読んでくださった全ての方にお礼を言わせてください。
 ありがとうございました。
 

 

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