ジャンケンに負けてかんしゃく・・・その後
自閉症スペクトルムの息子。
10歳。
晩ごはん中に私に蹴りを入れたその後。
ふてくされて別室にいた私は、息子を家族に託す形をとったことになる。逃げた?いや、家族を信じた。息子を信じた。
5分ほどしてか、ガチャっとドアが開き、いつも一緒にいるぬいぐるみを動かしながら息子が言った。
「ぼく、もうちゃん(ぬいぐるみの名前:仮名)。さっきは、けっちゃってごめんね。」
「ママは、もうちゃんには蹴られていません。」
息子、自分の声で「さっきは蹴っちゃってごめんね」
(よく言えた!!!!)と心では叫び、ハグしたい気持ちをぐっとこらえ、私は不機嫌な声で
「うんと痛かった。・・・もう蹴らないでね」
もう、なんてハナマルなんでしょう!!上出来な展開にただただびっくり!!
食卓に戻り、彼は自分でおかずを盛りつけ、おいしくいただいた。家族の協力がかなり大きかったかな。どうなってたんだろう。また聞いてみよう。
・・・
息子は、3年生あたりから友だちとのかかわりを求めるようになりました。一緒にあそぶことが楽しくなってきたのか。もともと人は好きなのか。ただ、かかわり方が問題なのです。あいさつ代わりに頭を叩く。「あそぼ」の代わりにその子の持っているものを取り上げる。遊びの中で気に入らないことが起こると大きな声で怒鳴り散らし、暴れ、みんなが逃げる。人間関係のスキルは、たぶん幼児レベルかと。
友達とのかかわりを求めるがゆえに、トラブルが起きる。それは、彼の中で、成長している証です。だって、人が何してようが、自分は自分だったのですから。そして、日々の問題行動にぶち当たるたびに、それがそのままSST(ソーシャルスキルトレーニング)になるのです。家の中でも一緒。兄妹の中でも日々けんか。そしてSST。
いい行動は強化しにくく、悪い行動はすぐに強化する。なので、私は意識的にいい行動、それも細かい行動一つ一つに「今のハナマル!」と息子と確認します。毎日、ハナマルを積み重ねることで、彼がこれでいいんだ、という確信を持つことと、自信を持つことを願い、また次へのステップアップを目指しています。
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