『戦国ごはん男子・伊達政宗』第十章
第十章:「宴の極み 黄金の戦勝鍋」
連戦連勝を重ね、ついに一つの大きな戦を制した政宗の軍。その勝利は、戦場の流れを一変させるほどのものであり、兵士たちも誇らしげにその勝利を称え合っていた。戦場を離れ、一息つける城内で政宗は一大決心をする。
政宗 :「よし、今日は豪勢に行こうじゃないか。みんなで祝うための、史上最高の鍋料理を作ってやる!」
小十郎:「政宗様、また妙なことをお考えですね。しかし、この勝利を祝うには確かにふさわしいかと存じます。」
政宗は兵士たちを集めて言った。
政宗:「今回は特別な鍋を用意する。名付けて『黄金の鍋』だ。芋をたっぷり使って、勝利の味を楽しむぞ。」
運び込まれたのは、里芋、大根、牛肉、そして味噌や酒など、戦場の合間に調達した材料だった。
小十郎:「里芋が主役でございますか。それはまた兵たちも喜ぶことでしょうな。」
政宗:「主役は芋だが、脇役がいなきゃ舞台は成り立たない。具材全てが重要だ。」
芋煮の準備と作り方
材料
里芋(皮を剥き、食べやすい大きさに切る)
牛肉(薄切り)
長ねぎ(斜め切り)
大根(いちょう切り)
こんにゃく(手でちぎる)
だし汁(昆布と鰹節で取ったもの)
調味料(味噌、酒、みりん、醤油)
作り方
1. だしの準備
昆布と鰹節でだしを取る。
2. 具材を煮込む
鍋にだしを入れ、こんにゃく、大根、里芋を加えて煮込む。里芋が柔らかくなるまで煮る。
3. 味付け
味噌を溶かし、酒、みりん、醤油を加えて調味する。
4. 仕上げ
牛肉と長ねぎを加え、さっと煮込む。牛肉に火が通れば完成。
鍋が完成すると、政宗は兵士たちを大広間に集めた。その大鍋は湯気を立て、香ばしい匂いが部屋中に広がっていた。
政宗:「さあ、みんな! 今日はたらふく食って、明日のために力を蓄えるぞ。戦場では我慢も多かったが、今夜は気にするな!」
兵士たちは歓声を上げ、一斉に鍋を囲む。里芋の柔らかさ、牛肉の濃厚な旨味、野菜の甘味が一体となり、口の中で広がる贅沢な味わいに皆が笑顔を見せた。
兵士A:「この里芋の柔らかさ、最高だな!」
兵士B:「牛肉と味噌の旨味が絶妙に絡み合っている。」
兵士C:「殿、この鍋を食べればどんな疲れも吹き飛びます!」
小十郎:「政宗様、これは何とも見事な鍋料理でございますな。このような豪勢な宴、兵たちにとっても忘れられぬものとなりましょう。」
政宗:「だろう? こういうのは気分も大事なんだよ、小十郎。勝利の喜びを分かち合うのが、俺たちの流儀だ。」
さらに、政宗は兵士たちの器に卵の黄身を乗せながら一言。「これが鍋の『黄金』だ。勝利の証として、存分に味わえ!」
料理の力、戦の力
黄金色の鍋は兵士たちの間で評判となり、彼らの士気をさらに高めた。食事を終えた兵士たちは満足げな顔で語り合い、その絆は一層強くなっていった。
政宗は鍋を片付けながら、小十郎に向かって微笑む。
政宗 :「料理ひとつで人の心はここまで変わる。これも戦の力、だよな。」
小十郎は一礼しながら応じた。
小十郎 :「さすがは政宗様。勝利の余韻をもって、次なる戦も勝ち続けること間違いなしです。」
政宗は笑いながら言った。
政宗:「人も食材も、よく煮込んで味が出る。こうして皆で鍋を囲めば、絆も深まるというものだ。」
こうして、政宗の料理と宴はその場限りのものでなく、兵たちの心に深く刻まれ、戦の後でも語り継がれる伝説となった。
第一部 完
※この物語は、作者の想像(創造)の話しである。
ご意見やご感想があれば聞かせてください。
よろしくお願いします!
『戦国ごはん男子・伊達政宗』第1部終了のご報告
いつも『戦国ごはん男子・伊達政宗』をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
このたび、第十章をもって本作の第1部を一旦終了させていただくこととなりました。その理由について、少しお話させていただきます。
これまで伊達政宗というインパクトのあるキャラクターと「仙台名物」というテーマで、何とか物語を紡いでまいりました。しかし、もっと内容を分厚くし、より深みのある物語をお届けしたいという気持ちが強くなり、改めて政宗公の人生や史実、さらには料理について勉強し直すことにしました。その上で、より充実した続編を皆さまにお届けしたいと考えています。
また、現在別の歴史上の人物を題材にした新たな小説を執筆中です。この作品も皆さまに楽しんでいただけるよう、全力で取り組んでおりますので、どうぞご期待ください。
なお、『戦国ごはん男子・伊達政宗』の続編では、豊臣秀吉や徳川家康といったメジャーな武将たちも登場する予定です。第1部よりさらにスケールアップした物語をお届けするべく準備を進めておりますので、どうぞお楽しみに!
これからも皆さまに楽しんでいただける作品をお届けできるよう努めてまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。
マゴトラ