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『戦国ごはん男子・伊達政宗』第四章

第四章:「はらこ飯と母の味」

政宗は豊かな川の近くで陣を張っていた。兵たちは食料調達を兼ねて川で鮭を捕らえてきた。政宗はその鮭を見て、ふと母親・義姫の作った懐かしい料理を思い出す。

政宗:「この鮭を見てると母上の料理を思い出すな。確か、鮭の身と卵を一緒に炊き込んだ飯があった。」

小十郎:「政宗様、それは“母の味”とやらでございますな。しかし戦場では贅沢な料理は難しいでしょう。」

政宗:「だからこそ考えるんだろう。小十郎、これだけ鮭があるなら、あの飯を作れるんじゃないか?」

小十郎:「鮭を活かした戦場食……お見事な発想です。」


政宗は炊き込みご飯に鮭の身と卵を使い、手軽かつ滋味深い料理を作ることを提案した。兵士たちは期待を胸に集まり、料理作りを見守る。

兵士A:「殿、鮭をそのまま炊き込むだけでいいんでしょうか?」

政宗:「それじゃあ面白くないだろう?鮭の卵をうまく使うんだ。母上は醤油と酒で煮付けて味を染み込ませてたな。」


材料

鮭の切り身……2~3切れ

鮭の卵(筋子)……適量

米……3合

出汁(昆布と鰹節で取る)……600ml

醤油……大さじ3

酒……大さじ2

みりん……大さじ1

塩……適量

作り方

  1. 鮭の切り身を焼き、香ばしさを出す。

  2. 鮭の卵(筋子)は醤油、酒、みりんで軽く煮付けて味を染み込ませる。

  3. 米を研ぎ、出汁と醤油、酒を混ぜて炊飯用の鍋に入れる。

  4. 炊き始めた途中で焼いた鮭を乗せ、一緒に炊き込む。

  5. 炊き上がったら鮭の身をほぐし、最後に煮付けた鮭の卵を乗せて完成。


香ばしい香りが漂う中、飯が炊き上がった。政宗は炊きたてのはらこ飯をよそい、兵士たちに振る舞った。

兵士B:「この香り……たまりませんな!」

兵士C:「おお、鮭の身がほぐれて柔らかい!卵の塩味も絶妙だ!」

政宗は一口食べて満足げに頷いた。

政宗:「これぞ“戦場の母の味”だな。栄養もたっぷりで、士気も上がるだろう。」


普段は厳格な小十郎もこの料理を食べ、ふと幼い頃を思い出すような表情を見せた。

小十郎:「殿、これほど懐かしさと温かみのある味を、この場で再現するとは……感服いたしました。」

政宗:「堅物のお前も、たまには昔を思い出して肩の力を抜けよ。」


はらこ飯はその後、兵士たちの間で人気の料理となり、故郷に帰った兵士たちが作り方を伝え広めたという。

政宗:「この飯はただの料理じゃない。家族を思い出し、皆が笑顔になれる料理だ。名物にして、領民にも教えよう。」

こうして、「はらこ飯」は仙台の郷土料理として定着していった。
               つづく……


※この物語は、作者の想像(創造)の話しである。

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