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自己紹介

私は、生まれる前から死と隣り合わせだった。
首に巻きついた臍の緒が、私の小さな命を締めつけていた。

産声をあげることなく、真っ白な顔でこの世に出た私を、医師は必死に呼び戻そうとした。

「15回折り曲げて無理なら、諦めてください。」
母は、その言葉をどんな気持ちで聞いたのだろう。

小さな身体を医師は折り曲げた。
1、2、3…13回目、「うっ」と声が漏れた。
1、2、3…10回目、「うっ」
1、2、3…7回目——間隔が縮む
そして、30分後。

やっと、私はこの世界に産声をあげた。

けれど、その代償に脳性麻痺を抱えることになった。
でも、それでも——私は、生まれてきた。

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