#92 印象に残る広告
ADまみれの中で
安倍元首相の事件の直後、多くのテレビCMがACジャパンに差し替えられていたことで東日本大震災の直後に流れ続けたCMのことを思い出していました。「ポポポポ〜ン」のアレです。私は正直、震災後の不便な生活の中であのCMを見ることが何よりも苦痛でした。本気で頭がおかしくなるかと思ったほどです。
そんなことを思いながら、広告についてぼんやりと考えていた今日この頃。「あ、私そういえばあの広告好きだったな」と思い出したものがあります。
それがこれ。
ビルの屋上に設置された「美酒 爛漫」のネオンサインです。
この広告があるのは以前の勤務先のすぐそば。
このオレンジの光に「らんまん」の丸みのあるフォント、オレンジとグリーンの独特な組み合わせ。
広告の原点のような、名前の周知だけに焦点を当てたシンプルな主張も好き。そして、地下鉄愛宕橋駅周辺という特に特徴がない地域にあるのも好きです。
さらに、毎日夜遅くに帰る中でこの広告をいつも見ていたなあとか、退職の日は「ひゃっほー!」と思いながらこの広告に見守られて帰ったことを思い出したら、「自分の思い出に広告が馴染むことなんてあったのか」と、なんだか新鮮な気持ちで広告を考えることができました。
(会社員時代はこの看板をまじまじと見る余裕なんてありませんでしたが)
ちなみに我が家の近所には、虹色の地に【24時間監視中】といういかつい文字とかわいい2匹の犬の顔がプリントされた看板広告があります。これもかなり好き。
こんなかわいい犬に24時間監視されるなんてそれ以上の幸せはないよ、と思います。
ああ、そうそう。「この子は絶対に社長の孫なんだろうな」という小さいお子さんが出ている広告も好き。「孫を全面に出したい」という社長という権力者しかできない暴挙と、子どもの素朴な表情の対比にグッときます。
たいていこういうCMは食品会社が多いです。
お二人にとって、「この広告好きだなあ」とか「思い出深いなあ」というものはありますか?
もしよかったら、教えてください。
及川恵子