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#19 私のヒーロー・ヒロイン/及川恵子

一生サポートさせてくれ

私のヒーロー・ヒロインは、「劇団四季」です。

もう少し丁寧にいうと、「劇団四季にいるすべての人々」かな。
キャストはもちろん、舞台美術をつくるスタッフさん、衣装を作るスタッフさん、営業や広報に関わるスタッフさん、そのほか私には見えていない部分で劇団四季を作り上げているたくさんの方々が、ヒーローであり、ヒロインです。

そもそもどうして私がこんなに劇団四季が好きかというと、すべてがプロフェッショナルだからです。
(おままごとみたいな舞台も時々みかけるので…)
プロによる歌唱、プロによる演技、プロによるダンス、プロによる美術、プロによる衣装、プロによる演出…。
そのすべてがひとつの形になった時に、私は確実に「最高を観た」という経験と成長を手にすることができるのです。

そして、全身の血肉がみずみずしいものに入れ替わるような感覚になります。
体のあちこちに溜まった不純物が濾過されて、全身に澄んだ水に満たされていく感じ…。
それが、わたしにとっての劇団四季。ああ愛しい。

どんなことがあっても私の気持ちを晴れやかにしてくれる。
そして、拠り所になってくれる。
ありがとう。
あなたたちは私にとって永遠のヒーロー・ヒロインです。
(ちなみに私の推しは松島勇気さんと宮田 愛さんです)

ところがコロナウイルスの拡大以降、劇団四季は創設以来最大のピンチに陥っております。
たくさんの公演が中止になり、公演収入は激減。
国内最大の劇団がクラウドファンディングで支援を求めるという状況は、エンターテインメントの崖っぷちぶりをまざまざと見せているなあと悲しい気持ちになりました。

しかし先日、待ちに待った、本っっっっっ当に待ちに待った「コーラス・ライン」の仙台公演が開催されたのです…!!

ほぼ満員の会場。(コロナ対策はもちろん万全)
開演までのざわついた客席の雰囲気。
公演中の諸注意を告げるアナウンス。
パンフレットを読みながら幕が上がるまでの時間を静かに過ごす私。

もうその瞬間にいられることが、たまらなくうれしくって…。
思わず胸がじーんとしたのは言うまでもありません。

それにね、満身創痍な劇団のキャストたちが、舞台上では煌びやかな世界観を表現しているわけですよ…。
なんだかもういろんなうれしさと悲しさが入り混じってしまいまして、いろんな思いを抱えて帰路についたのでした。

ただ、これからも劇団四季には私のヒーロー・ヒロインであってもらわないと困る。
だから、劇団四季がこれからも日本の演劇界のトップにいてくれるためにどんな支援もしてやるぜ。
いつまでもキラキラしていてくれ。

しかしここ最近の私は、大切な物や人を思う時に「支えたい」と思うようになったんだな。大人になったわ。

及川恵子