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10.毎日皿洗い系YouTuberごっこ

毎日の家事など、やってもやってもすぐ汚れてしまうものばかりだ。掃除、洗濯、片付け、ゴミ捨て……。わたしは特に皿洗いが好きじゃない。

食事するたびに家族の使った食器が流しに重なり、洗っても洗っても同じことが繰り返す。賽の河原状態だ。毎日のキッチンに賽の河原なんておどろおどろしすぎる。

こんなもの、まともな精神状態でできるわけがない。だから最近、わたしは皿洗い系YouTuberごっこをしている。

簡単だ。皆さん是非やってみて欲しい。まずは皿の溜まった流しを準備する。水で濡れないよう袖をまくって、髪が邪魔なら結んでおこう。

この遊びはとても人様に見せられるものではない。はじめる前に周りを確認して、誰にも見られていないことを確認しよう。この遊びの唯一の注意点だ。

さて、準備が整ったらはじめよう。無駄に画角を決めたら、無駄にこなれた調子で挨拶しよう。「こんにちは〜。今日も皿、洗っていきますッ」恥ずかしい?そんなことは、最初からわかっています。

これ以降は、皆さんご自由に収録してください。
皿洗いのこだわりポイントを解説してもいいし、今日の夕食レシピを紹介してもいい。趣味の話をだらだら話してもいいし、日常生活の愚痴を言ったっていい。

話したいことをべらべらしゃべっているうちに、皿が片付いていく。毎日やっていることなのだから、考えなくても勝手に手が動いてくれる。

我に帰るころには、皿も流しもキレイになるという寸法だ。安心してほしい。その頃にはもう何の話をしていたかなど、覚えていない。

この皿洗い系YouTuberごっこは、それなりにヒーリング効果がある。筆者の体感で調査済みだ。

気の置けない女子会でさんざん喋り倒すと、解散後に心地よい疲労感と爽快感を感じるだろう。アレに似た感覚を味わえる。いわゆる「あ〜楽しかった!なんかスッキリしちゃった!」である。

どんな遊びでもやり込むと面白い。皿洗い系YouTuberごっこも例外ではない。自分に設定をつけるのも、自他境界崩壊直前のヤバさがあっておすすめだ。

例えば『近々公開の映画告知でYouTubeに出ている女優』とか。『一般家庭に溶け込んでいるが実はスパイ』とか。『突然脚光を浴びたマルチアーティスト』とか。

…楽しすぎるからほどほどに。わたしは最近、動画の仕上がりを意識してBGMを選びだした。これ以上やり込んで大丈夫か、自分で自分が心配になっていきている。

だからこの遊びを、ここまで読んでしまった読者、いや視聴者の皆さんに受け継いでほしいのだ。毎日のキッチンなど、賽の河原なのだから。

しかしその時も、誰にも言わずコッソリやることだ。下手に見られたら人格が疑われるし、コッソリ隠れてやるから面白い遊びだから。

ライライ




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