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帰還

静かな車の中で、ラジオから懐かしい歌が小さく流れていた。

車が、陽射しと建物や木の影を通り抜けている間、助手席に座る僕は、よく磨かれた窓の向こうの伊豆の海を見ていた。

僕の顔が映っている窓の向こうの海を見ながら、僕は人生から生き様へ帰還する。

僕の人生は殆んど仏法を抜きに語れない生き様だけど、仏法を疎かにした時もあり、そのプラマイを加味しても、人の人生を罵ったり卑下したり嘲笑ったり、そんなことができない大人として生きている僕は、僕の今日までの生き様として、結構不完全燃焼過ぎではない日々だったんだろう。

伊豆の海は波騒よりも波光が帰還させる。

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