見出し画像

Conglomerate with Daiamond and Gold 古期礫岩という石について

お久しぶりでございます。なんと、前回ブログを更新したのが2023年の12月。まる1年以上経っていたにもかかわらず、読んでくださっていた方がいらっしゃった様子で、感謝でございます。

あれこれ書いているのですがInstagramで紹介することが多く、こちらはあえて残しておきたいと思う内容を投稿しております。Instagramは流れていってしまいますのでね。

今日はですね、昨年の5月と7月に迎えたある石について書こうと思います。

古期礫岩

黒色頁岩(けつがん)に古期礫岩が付着している個体で、礫岩の中にダイヤモンド。個体の年代は始生代。始生代というのは、現在は太古代(たいこだい)と呼ばれ、40億年前(または38億年前)から25億年前までにあたる地質時代の一つ。

川のポケットと呼ばれる窪みのようなところで、石が削られて、他の石と結合して形成された礫岩。磨いているわけではなく、自然の中で生まれた丸み。表面の石の出方も人が磨いたわけではなく、自然のもの。
個体によって、自然金、パイライト、マグネタイト、クォーツが含まれています。

この石を初めてショー会場で見たのは確か3年ほど前だった気がします。(←5年も経っていました)ダイヤモンドと金が混ざっているのは知っていて、形や風貌からとても惹かれるのに、金・ダイヤが居るというだけで立ちすくんでしまう感じがありまして、文字通り手を出さずにいました。深く理由は探らず。若干の予感を感じながら数年、通り過ぎる。

なんで去年だったのだろうと考えるのですが、少し自分のためにも整理したいと思います。ミネラルショーが近づいていて、ふと思い出して気になっていたことがありました。金鉱床について数年前に丁寧に教えてくれた石屋さん、この石を実際に採ってご紹介されていた石屋さんと同じ方なのですが、以前話したことをもう一度詳しく聞きたくて訪ねました。オーナー様はいらっしゃらず、この石の購入を決め、梱包が終わったところで、オーナー様が他界されたことを知りました。知りたかったのは金の鉱床のあるところに一緒に存在する鉱物の名称についてでした。どうしても名前が思い出せず。そのことを別の方に話すと、その話ができるのは彼(オーナー様)だけだとおっしゃっていました。
その後、7月にオーナー様のコレクション、店頭には出していない石の即売会があると聞き、同じ産地の礫岩、全部で6点を迎えることになりました。

金鉱床と鉱物

調べると、金の鉱床には、金と一緒に存在する鉱物がたくさんあるようで、これらの鉱物は、金鉱床の形成過程や地質学的環境によって異なるようです。

主な鉱物:

  • 石英 (Quartz): 金鉱床で最も一般的な鉱物の一つ。金は石英脈や石英砂岩の中にしばしば見られる。

  • 方解石 (Calcite): 金鉱床でよく見られるもう一つの鉱物。金は方解石脈や石灰岩の中に存在することがある。

  • 黄鉄鉱 (Pyrite): 金鉱床で頻繁に見られる硫化鉱物。金は黄鉄鉱の中に含まれていることが多く、金鉱石の重要な指標となる。

  • 黄銅鉱 (Chalcopyrite): 金鉱床でよく見られる銅硫化鉱物。金は黄銅鉱の中に含まれていることが多く、金鉱石の重要な指標となる。

  • 閃亜鉛鉱 (Sphalerite): 金鉱床でよく見られる亜鉛硫化鉱物。金は閃亜鉛鉱の中に含まれていることが多く、金鉱石の重要な指標となる。

  • 方鉛鉱 (Galena): 金鉱床でよく見られる鉛硫化鉱物。金は方鉛鉱の中に含まれていることが多く、金鉱石の重要な指標となる。

その他の鉱物:

  • 磁鉄鉱 (Magnetite): 金鉱床でよく見られる鉄酸化鉱物。金は磁鉄鉱の中に含まれていることがあるが、それほど一般的ではない。

  • 赤鉄鉱 (Hematite): 金鉱床でよく見られる鉄酸化鉱物。金は赤鉄鉱の中に含まれていることがあるが、それほど一般的ではない。

  • 白金族金属 (Platinum Group Metals): 金鉱床でよく見られる貴金属。白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウムなどがある。

  • テルル化鉱物 (Telluride Minerals): 金鉱床でよく見られるテルルを含む鉱物。カレシテ (Calaverite)、シルバナイト (Sylvanite)、ナグヤギテ (Nagyagite) などがある。

鉱床の種類:

金の鉱床は、その形成過程によって様々な種類に分類される。

  • 鉱脈型金鉱床: 地殻の断層や割れ目に沿って形成された金鉱床。金は石英脈や方解石脈の中に含まれている。

  • 堆積型金鉱床: 河川や砂漠などの堆積環境で形成された金鉱床。金は砂や礫の中に含まれている。* 熱水型金鉱床: 地下から熱水が上昇して形成された金鉱床。金は熱水によって運ばれ、鉱脈や鉱床の中に沈殿する。

  • 斑岩型金鉱床: マグマの活動によって形成された金鉱床。金は斑岩の中に含まれている。

結局、知りたかった鉱物の名称はわからず、でも、あの日話を聞いたことはなぜか度々思い出され、その時、同時に「ブラヴァツキー」の話もお聞きしていて、そのことがきっかけで調べ始め、シュタイナーの本に出会っているんだよな、とも、思い起こされること多々。お話しさせて頂いたのは、確か2019年前後だった気がします。

石を迎えて夢を見る

これを書くかどうかをずっと迷って、半年以上も経ってしまいました。
とても大事なことを気づかせてくれた夢だったのですが、心が涙の海でして、この夢について記録として言葉を残せても、そこからは見つめる時間が続きました。金やダイヤがそこに居るということに怯む感覚、あの予感のようなものはこれだったかもしれないと思います。
Instagram個人アカウントの方で記録として残した夢の内容は、何度も読み返していて、この頃私は丁度ダンス公演の稽古の最中で、踊りの時間は無意識領域に入っていく時間でもあって、とても辛かったのを覚えています。
石屋なのに、石を根底ではとても、なんと書けばいいのでしょうか、哀れに思っていて、恐れてもいて、嘆いてもいて、そのことを見ないようにしてきたのだと、いや、見えていなかったのだと思いました。はっきりと見えてからは、前々からあったのだと思うのですが。

夢はこのようなものです。

2024年5月24日
今日の夢。忘れないうちに。

自分は母親で、産んでまもない赤ん坊がいて、友人の子どもは少し先に生まれていて、家族同士で集まって庭でご飯を食べていた。
親が目を離した隙に、友人の子どもが近くにあった石を持って自分の子どもの頭に打ち付けた。何度も。それで自分の子どもは死んでしまった。私は部屋に塞ぎ込んで、誰にぶつけていいか分からない感情を床に向かって吐いていた。

わかっていたけど、見ないようにしてきたことを見せられたようで、泣いた。
石は、鉱物は、凶器。
人間は大地を掘って凶器に変えてきた。
言葉も話せない小さな子どもでも間違って使えば人を殺せてしまう。
金もダイヤもいっぱい人を殺した。
鉄も銅も。
物質を測って測って、科学が発展したけれど、人が作った原子でやっぱり人を殺す。
私の石の先生は元科学者だけど、いっぱい泣いたのかなと思ったりした。

悪夢だけれど、大事なことだと思った。
踊りで、何度も鉱物のイメージに入っていくことはあったけれど、表面的なところだったような気がする。この間深くに潜って出てきた感情は今日見た夢と同じラインな気がした。
石に人間のような気持ちはないかもしれないけど、あるとしたら、凶器にされた石はどんな気分だっただろう。
どこを見ても至るところに鉱物は使われていて、泣けて仕方ない朝だった。

https://www.instagram.com/enmadonote/

石を愛でる方々の中には、もしかしたら、同じような感情を持ったことがある方がいるのではないかと、書いています。
私がこの感情を見つめて、自力で気持ちを整えられたわけではなく、家族と周りにいる方々と、かかわらせてもらっている場の中で、ゆっくり自分の中で対話をしていったように思います。
見るもの、聞こえてくるものに助けて頂いたなと。
それから、やっぱり、この世を旅立って行かれた石の先輩方のあり方が、助けになっていたと思います。石をどのように見ていたのか、触れていたのか、いろんな場面で思い出すのです。鉱物が科学の発展のためだけにあるのではないと、鉱物について別の視点を持っていたから、石への眼差しや関わり方を伝えようと、共有しようという姿勢があったから、私は出会ったし、石屋をやれているんだなと。それはとても、この感情と向き合うときに、助けになりました。

シュタイナーは鉱物の中に閉じ込められた霊的存在は人間を通して人間の中に取り込まれ、人間が亡くなって肉体を離れるときに一緒に昇華される、と本に書いています。そうならないパターンもあるようですが。

この礫岩達が当店に来てから見た夢で、関連付けるのは危ういなとも思うのですが、個人的な感想としては面白い石だなと思っています。そして、石との関わり方、ご縁もそれぞれ違うと思いますので、私の個人的な体験として捉えていただけたら、幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!