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【パクさんをおいかけたい】vs.ツエーゲン金沢:"リベンジ"【J117試合目】



こんしゅうは夏休み大特集で豪華二本立てです。うそです。へばっててヴェルディ戦の思い出を残し忘れてただけです。



◆メンバー




前回対戦ではロングボールとセットプレー合戦となりミニマルな試合となりましたが、そのセットプレーの精度の差で敗れてしまいました。





石毛が定着する前でキッカーはパクさんに一任の頃であったので非常に悔しかった。あのころとは違うのだよというところが見せられるかどうか。

もちろんチームの方にも変化はあります。金沢では若い庄司と宮崎が定着しており、岡山も塚川君と石毛が定着して赤嶺さんが復帰しています。また、試合内容もお互いの成長が見られたものであったと言えましょう。



◆試合内容について






・この夏のトレンドはパク嶺ラインで決まり的な


赤嶺さんが復帰してから前線は石毛がトップ下として間で受け、赤嶺さんがポストに受けて空いてDFラインを乱し、豊川が抜け出てフィニッシュに向かう、というバランスが作れています。

そこにつなぐまでのルートはウイングが担うことが多く、ボランチの両名はセカンドボールと二列目~PAへの飛び出しを狙えるフィジカルに振ったチョイスになっており、簡単に言えばパクさんがパスでチームを加速させることが増えています。つまりパクさんがゲームを作っているといっても過言…過言だな…。





今節では赤嶺さんへのポストからのシャドウがフリ―を得る、奪われても飛び出しを準備していた両ボランチが襲い掛かる展開で岡山が押し気味で試合を進めていきます。赤嶺→関戸→パクさんの曲線美クロス、かたやませんしゅのロングスロー地獄など得意の形が生まれていきます。

7月に入ってますます磨きがかかる低い位置でのインターセプト→前線への展開も見られ、連戦でありながらも充実のパフォーマンスを感じさせました。ヴェルディ戦で幾度も炸裂したパクさんが奪ってから間をまたず繰り出される赤嶺さんへの正確なパス…とはいえやはり勝負の世界ですので、金沢も黙っていることはありませんでした。スカウティングですね。




・宮崎幾笑とヤンツー式4-2-2-2


金沢がペースを奪ったのは岡山のビルドアップに対するプレッシングの適応から。岡山のビルドアップに対してCB陣に対しては奪いに行くよりも横パスを促すにとどめ、前線につなげるキーマンである両ウイングには両SHが、両ボランチにもボランチをマンツーマンでぶつけ、ボールが入るタイミングで奪いに来ていました。

篠原さんがドリブルで打開するシーンが作れていたものの前線とのタイミングが合わず、結果的には金沢のプレッシングに見事にかち合ってしまい、無理な体勢、タイミングでの縦パスを奪われてのピンチが続出していきました。ありがとうポスト、ありがとう。

そうして攻守にリズムがでていくと簡単なクリアに終始していた金沢の方に落ち着きが生まれおそらく本来の形であろう攻撃が見えていきます。懐かしのヤンツー新潟の4222...5バックの人海戦術にてきめんに強かったんですよね...なぜか決定力が極端に悪くて勝つには勝てたんですがガンバ大阪や横浜マリノスや鹿島アントラーズもやってくるようになり最近はとてもボコボコにされています。





逆足の両SHが中央に絞り、杉浦がポストに降りてくる形でボランチの後ろのスペースが有効活用されていきます。特に右サイドから中央に飛び込んでくる左利きの宮崎幾笑(きわら)は細かいドリブルでこのスペースで前を向いて仕掛けることができ、金沢の決定機をいくつもうみだしていきます。いやあ、もう一人二人抜けられてたら確実に失点してました。最後でなんとかブロックできて良かったです。

岡山は撤退を余儀なくされ、そうなると金沢のSBがフリーになってしまい、シャドウも下がっての守備を強いられて赤嶺さんとの距離が広がり岡山の得意な形を出せなくなってしまいました。攻守にうまくいかなくなった岡山は前半終盤の関戸と塚川の両ボランチの飛び出しで散発的に巻き返しますが、試合は金沢のペースで折り返しました。




・主役に躍り出る澤口雅彦と雪辱のパクさん


後半の立ち上がりは岡山の修正が作用しました。猛然と追いかけて蹴りあいに仕向けて行って赤嶺さんの勝率の高さを頼みにボールを保持仕返し、金沢のビルドアップに対してはSBと中央に侵入してくるSHやFWの片方を捕まえることを優先することで守備も改善していきます。中でも一番大きかったのは右ウイングの澤口雅彦が攻撃で活きるようになったことでしょう。





前半は中美や野田に対する守備で存在感を見せていた澤口でしたが、攻撃面ではWBがFWとSHのプレス第一波をかいくぐる役目というチームの決まりをうまく消化できず狙いどころにされることが多く、解説にも指摘されていたところでしたが、後半は役割を変えDFラインのギャップに飛び込む形になりました。そのかわりに石毛(たまにつかがわ)が下りてきて赤嶺へ中継し、逆サイドのパクさんか近くのボランチというルートで金沢のゴールへと反復して迫ることが出来ていました。

おそらく金沢のプランの中に澤口が上がってくるということはあまりなかったようで、かなりの頻度でどフリーになっていました。右サイドのレーンをほぼ自由に使えており、蹴りあいのどつき合いから二試合連続二回目の石毛CKからの片山ニアすらしで塚川君が先制に成功した後から顕著に表れてきます。

金沢も負けじと4-2-2-2の中央密集を警戒された裏をとるSBからのアーリークロスで岡山ゴールを強襲。石田からの佐藤のヘッドはなかなか危なかったですし、CKからの混戦でもあわやというチャンスをつくっていきます。

しかしいわゆる"勇気"が満ちてきた岡山。最終ラインからの縦パスに淀みがなくなり、左サイドからの細かい仕掛けとそれに伴った右サイドでの澤口のアイソレーションからのクロス強襲で試合のペースをものにしていきます。


なかなか決まらずちょっとパワープレイで押し込まれるとまずいかもという時間になってきた75分、ついに追加点。これもまたセットプレーでのサインプレーでした。





ニアすらしをにおわせるファーへ偏った選手配置によって空いたニアのスペースのここしかないというところにパクさんの放ったボールが吸い込まれ待望の二点目。2点以上取れば勝っている岡山にとっては大きな追加点になりました。相手がセットプレー対決に敗れた金沢というのも嬉しすぎた。




・パワープレイと帰ってきたベテランたち


少し話を巻き戻して交代カードの話。澤口さんの大活躍がにおい始めたころから金沢は杉浦→長身の垣田で的を増やしていました。アーリークロスが活路とみていたであろうというところです。それに対して岡山は石毛→渡邊で関戸をシャドウに回して強度を高めようとしています。金沢のこのアーリークロス攻勢がはっきりとした形になってきたのは2失点後の金子と太田の投入からでした。




金子は宮崎のいた右サイドに入りましたが、中央というよりもサイドで仕掛ける形に。中美はそのまま中央に入り込み少し変則的な形になります。また、宮崎が左SBに下がったことでボランチの太田とのパス交換から岡山のプレスの届かない位置でボールを持ち、ロングフィードやドリブルでの仕掛けとクロスで岡山ゴールを脅かしていきます。

左サイドでの混戦からスローインからのサイドチェンジで生まれた隙を突かれて金子のクロスに片山の裏から中美が合わせて1点差に追い上げた形は理想的なもの。金沢としてはクロスを増やして押し込みたいところでした。

しかし岡山も伊藤大介、竹田忠嗣を投入して引きこもって良かろうという形で対抗していくと、金沢は唯一プレス網から外れる宮崎が気を吐きますがこれまでの切れ味鋭い仕掛けとパクさんへの執拗なプレスが疲れさせたかミスを連発。岡山はアウェイの連戦で勝ち点4を稼ぐことに成功し、金沢の連勝は4でストップということになりました。

岡山としては修正の甲斐あって強みがしっかり出せた試合であり、頼れる戦力も負傷からカムバックでき良い形の勝利だったでしょう。ちょっと紙一重になったところは課題になりますが、完成度の高まりを今回の試合でも見ることが出来楽しかったです。



◆かんそう


ベストゴール投票

岡山 パク ヒョンジン ( 明治安田生命J2リーグ 第23節 金沢 vs 岡山 )

https://www.jleague.jp/application/vote_mvp/goal_vote/596a03c3-73cc-4b66-a2e8-3cbafd5ad003


以上です。