見出し画像

清水エスパルスの2018-19選手動向その3 各ポジションの編成について 【シリーズ:ヤン・ヨンソン監督と歩む】



その1その2でそれぞれinとoutを見ていきました。その3ではその結果どのような編成になったのかを眺めてリアクションしていきたいと思います。

おそらくテーマは”濃縮還元”というところでしょうか。濃縮還元清水汁。


*編成マークについて

昨季の公式戦出場実績(リ:リーグ戦 カ:カップ戦)に筆者の色眼鏡を掛け合わせた評価となりますことを先に断っておきます。

太字は新加入選手
◎リーグ戦のスタメンで出てきそう
○交代カードやスタメン争いで活性化させそう
△ターンオーバーなどで実力を示してほしい
☆大卒3年未満の新卒なのであわよくば戦力くらいの期待
★高卒3年未満の新卒なのでまずは身体作りから
※オプションとして可能性ありか



監督

選手を率いる人。チームを導き生き馬の目を抜くプロサッカーリーグをサヴァイヴする真の男だが、孤独で気を休める暇もなく真っ先にバッシングに遭うため急速に老ける。

◇ヤン・ヨンソン
リーグ14勝7分13敗(8位)、ルヴァン杯予選敗退、天皇杯3回戦敗退



 2020年のタイトル獲得を目標に掲げるチームを率いて2年目となる今季はタイトル争いに参加することが目標となっていきます。ハイプレス+カウンターの精度を高めると共に、より敵陣でボールを持つ局面を作れるかどうかがポイントになってきそう。イケイケカウンターの切れ味は簡単な失点と表裏一体であったので上位に行くにはそこのバランスをとりたいですね。ほとんどの主力が残りましたし懸念は少なそう。新たな助っ人がそのピースとなってくれるかどうかでしょうか。

 また、二番手以降の選手との組織的な質の差も大きかったので、編成をフルに戦力に組み込みカップ戦で結果を残すことも求められてきそうです。少数精鋭の編成は監督への信頼の証ということのようで(@新体制記者会見)、流石にもうちょい補強があるはずだけども応えていきたいところ。新体制会見ではちょっとベタ褒めすぎて怖いくらいでした。貧乏性なので…w




GK

ゴールキーパー。手を使ってゴールに入りそうなボールを止めたり、たまにコーナーキックでゴールを決める人です。清水ではCBの代わりにパスを出すことも多くなります。

◎六反勇治:リ34試合1得点
○西部洋平:カ8試合
△高木和徹:0試合
★梅田透吾(清水ユース)


 「居なかったら清水の失点は倍になってた」「とめすぎたせいで神が嫉妬して前歯を持っていった」「静岡で雪が降らないのは六反が上空で寒気を止めているおかげ」と巷でもっぱらの噂の六反勇治が契約更改。ベテラン西部洋平が控え、新井の育成レンタルは高木和の帰還でカバー。さらにユースの守護神を昇格と隙のない構成になりました。密かにグラウンダーのパスや低いフィードを味方に付けるのも上手くなってきているので今季はポゼッションでも大黒柱になるという期待もちょっとかけています。


ベテランを大幅に放出した今季はリーダーとしての期待も大きくなる六反勇治。ウルトラマン。



CB

センターバック。GKの目の前に陣取ってゴールを奪おうとする相手選手を止める人です。相手がガチガチに守ってくる場合は攻撃の第一手をやらされることも。

◎ファンソッコ:リ32試合1得点、カ1試合
○立田悠悟:リ25試合1得点、カ4試合
○ヴァンデルソン:リ15試合、コパ・スダメリカーナ2試合(アトレティコパラナエンセ:ブラジルセリエA)
△二見宏志:リ7試合、カ7試合
※鎌田翔雅:0試合

 
 昨季もターンオーバーでCHの増田誓志をCBに置くほど選手層の薄かったセクションですが、フレイレ・角田誠を放出してその薄さは業界最薄といえるほどに。立田悠悟を本職として腰を据えて育てるにしても編成がハードコアすぎる。ブラジルからヴァンデルソンを借りてこれましたが、それでもまだ心もとないのでたぶん三木谷さんが呼んだピケが梅田駅の地下で迷ってサリーダがラボルピアーナして清水に来るんじゃないかな。SBの二見や鎌田が駆り出される機会もありそうです。


六反・北川とは公私とも深い付き合いでプロ意識が高まったという立田悠悟は昨年チームの主力へと成長。今季は本職のCBとして清水と東京五輪代表に名乗りをあげる。モデル体型が過ぎる。



SB

サイドバック。将棋の香車のような担当の人です。まっさきにねらわれるので大抵損な役回りですが、攻撃を効果的にするには彼らの頭脳と心肺能力が不可欠。

◎エウシーニョ:リ32試合2得点、カ5試合1得点、ACL3試合1得点(川崎フロンターレ)
◎松原后:リ32試合、カ3試合
○飯田貴敬:リ15試合、カ1試合
○二見宏志:リ7試合、カ7試合
△水谷拓磨:リ3試合
△鎌田翔雅:0試合
★伊藤研太:カ3試合
※立田悠悟:リ25試合1得点、カ4試合


 昨季は飯田貴敬の負傷離脱が立田悠悟の台頭につながり塞翁が馬となったものの、本職の層の薄さを露呈してしまったセクション。今季はエウシーニョが加わったことで一気に楽しみなポジションとなりました。松原后との両サイド、一体どんなパリピなサイド攻撃になってしまうんでしょうかといろんな意味で震えが止まりません。懸念だった最後尾のボール保持問題を解消できるか、そしてエウシーニョから清水が誇る生え抜きSB軍団が技を盗んでスケールアップしてくれるか。期待がかかります。


今年のピンポイントにズドンズドン大賞。勝者に相応しいチームへと清水をもう一段階引き上げるのにこれほど相応しい選手もいないでしょう。



CH

セントラルハーフ。味方の選手が不利にならないように気を配るひと。絶えず前線と後衛のやりとりをする役割からしばしば「フィルター役」と呼ばれます。地味だとナメられるのでたまにすごいミドルシュートも決める。

◎竹内涼(cap):リ24試合1得点、カ1試合
◎河井陽介:リ32試合3得点、カ2試合
△六平光成:カ2試合
★西村恭史:カ2試合


 不動のCHが揃って契約更改。イケイケ高速サッカーの汚れ役をかってでてくれていますが、前線がガンガン背後を空けまくってよく死ぬので今年はもうちょっと報われてほしいw
 
 六平光成が戻ってこれれば高卒2年目の大型ボランチ西村恭史と併せてうまく競争力の保てる陣容になりそうでしょうか。CH3枚の場合は石毛秀樹か中村慶太が入れるのでオプションもありそうです。

   それでもやや薄いかなという感じがしますが、ブラジル人補強の噂があり。ただ、始動日までには発表がありません。どうなるでしょうか。いやまあ、もしかしたら、三木谷さんが呼んだブスケツが梅田駅の地下で迷って…


愁いを帯びた中間管理職フェイスでイケイケヨンソン清水の急所となるスペースを淡々と埋め続ける河井さんが私は大好きなんです。




SH

サイドハーフ。一番しんどい人です。外からCFとSTが追いかける相手を挟み撃ちにしたり、敵陣中央に侵入する切り込み隊長をやったり、常に走ります。

◎金子翔太:リ34試合10得点、カ2試合
◎石毛秀樹:リ29試合2得点、カ2試合
◎中村慶太:リ27試合7得点、カ3試合2得点(V・ファーレン長崎)
△楠神順平:リ13試合(清水2山形11)、カップ5試合
△水谷拓磨:リ3試合
☆西澤健太(筑波大学)
★滝裕太:カ4試合
★高橋大悟:カ5試合

 
 MFながら二桁ゴーラーとなった金子翔太と泥臭い球際とキックの冴えで縁の下から支えた石毛秀樹。若きウイングコンビを中心に据えると宣言した陣容になりました。実力伯仲のライバルあり、大胆不敵なトリックスターあり、そして虎視眈々のブレイク候補生がずらり。ここだけビッグクラブみたいですね...w
 
 ルヴァン杯の予選突破はエスパルスの中期計画=ヤン・ヨンソン体制の大きなマイルストーンの一つでしょうから、彼らブレイク候補生もキーパーソンとなります。


長期的な実績ならば金子翔太を越える数字を出している中村慶太。卓越した突破力と決定力で清水の前線争いを更にハイレベルにしてくれそう。



ST

セカンドトップ。ゴールを決める2人の担当のうち、北川航也の方。ゴールに必要なことを縦横無尽になんでもやります。

◎北川航也:リ32試合13得点、カ5試合1得点
○中村慶太:リ27試合7得点、カ3試合2得点(V・ファーレン長崎)
★高橋大悟:カ5試合
★平墳迅:0試合
※金子翔太
※石毛秀樹



 実質北川航也のポジション。昨季前線の大黒柱となって13ゴール8アシストとキャリアハイを大きく更新。日本代表に召集されて以降はキーパス(ゴールのカギとなるパス)でも主導権を握ったりとわかりやすくスケールアップしてしまい、ますます器が大きくなる気配を出しています。広島戦の活躍で初めて選手が「化ける」という感覚がわかりました。ありゃとんでもなかった。

 日本代表では残念ながら悩ましい状況であるようですが、清水エスパルスを牽引し続けることで南野の影ではないのだとわからせてやってほしいところ。ヤン・ヨンソン監督のチームには悩みの答えがあると思いますので、くれぐれもドイツとかベルギーに自分探しの旅に出ないこと。#シュツットガルト金払え


「北川君、とりあえず君は日本で一番のストライカーになりなさい」



CF

センターフォワード。ゴールを決める2人の担当のうち、後ろから来るボールをめっちゃトラップする方。相手の守備を引き付けるタフガイが求められます。

◎ドウグラス:リ15試合11得点(途中加入)
○鄭大世:リ18試合3得点、カ8試合3得点
※北川航也


 クリスラン、長谷川悠の放出で最前線で身体を張れるのはこの2名か。しかし、レジェンド級助っ人2枚ということで心配は薄そう。こちらも負傷離脱が出ないことが前提となりますが。説明不要のマップ兵器ドウグラスはもちろん、出場がままならないフラストレーションが負傷でリセットされ終盤復活してくれた”大エース”鄭大世の逆襲にも期待したいところです。

 清水で伝説を作ると意気込むドウグラス様にはジュビロ磐田戦のような圧巻のパフォーマンスのみならず「左足を振るっただけで駿河湾が割れた」「靴ひもを結ぼうと屈んだら地面から石油が湧いて清水駅にスタジアムが建った」「触ってないのに大久保嘉人が転がり回った」くらいの伝説を刻んでほしい


「エスパルスに在籍した証としてタイトルをとりたい」と加入時インタビューで宣言したドウグラス。昨季のインパクトがあれば有言実行のチャンスはあるはず。