ぱくさ

【パクさんをおいかけたい】vs.ジェフユナイテッド千葉:"粉骨砕身"【リーグ111試合目】



ホームで先頭集団を喰らい続けている岡山、真夏日を記録したあたりからは運動量の優位で勝ち点をもぎとる試合を続けることが出来ています。

今回の相手はジェフ千葉。個性的なハイラインポゼッションサッカーを披露する古豪にも"らしさ"を出してホーム3連勝を飾りたいという試合でした。



◆メンバー



岡山は塚川君が怪我から復帰してボランチに。パクさんはリーグ111試合目になりました。千葉は一時期干されていたというアランダが右インサイド。ウイングにボランチの山本真希を置いているあたりにこだわりが感じられます。スーパールーキーの高橋壱成君もしっかりスタメンに名を連ねました。




◆試合内容について








・似て非なる空中殺法


千葉と岡山はお互いに高いラインと前線から捕まえる守備を特徴とするチーム同士、前線の守備からボールを解放させ、高いラインの裏を手早く突くというアプローチを見せていきます。

千葉は長身の指宿、岡山は裏への駆け引きの豊川が主なターゲット。最終ラインから一気にゴール前を狙っていきます。

岡山のファーストシュートはGKの背後を狙った石毛の縦回転のシュート、千葉のファーストシュートはロングフィードを収めた指宿のサイドからのミドルシュートとお互いに高いラインを狙った攻撃。

潰し合いからの素早い展開となったことでチャンスはセットプレーの一瞬を狙ったものが中心となり、岡山はCKから塚川のヘッドとバイシクルの連続チャンスやパクさんのクイックスローからの豊川の抜け出しでチャンスをつくると千葉も乾のFKのこぼれ球を高橋がダイレクトで狙うという決定機が。

両者似たような立ち上がりになりましたがおそらく狙いは異なっていたでしょう。岡山は90分続けるつもりでやっていたでしょうが、千葉は自分たちでボール保持をするための下ごしらえのように思われました。




・狂気の配置優位:司令塔キムボムヨン


15分あたりを経過すると千葉はショートパスの割合を増やしていきます。岡山の守備の方針はあいわかったということで動き始めたところでしょうか。



岡山のプレスを佐藤勇人のポジショニングとキムボムヨンの足下でかわしていき、山本の下がる動きで岡山のWBを釣り、その裏にアランダや2トップを走らせる形で安定した攻撃の形を出すことに成功していました。

岡山を押し込むと左スローインからのサイドチェンジに山本、パクさんが詰めきれず横パスアランダのクロスを指宿がピタリとあわせると一度は一森に弾かれたボールを押し込みました。オフサイドで良かった…w

これで塚川君も佐藤勇人番に動員してもっと前へ行こうとなった岡山のプレスにつかまり決定機を作られかけることも出て少し危なっかしくなります。飛び交うボールに躍動する佐藤優也と一森。リベロGK対決。

ならばと千葉は2トップや高橋がサポートに来てアンカー(本来は攻守のリスクを一手に引き受ける役割)佐藤勇人が上がっていったり、中央の近藤を左にキムボムヨンを中央に置いたりとかなりリスク度外視の配置を見せてきました。

佐藤優也の凄さにも表れていますが、ポジションのバランスを考えると狂気的な配置…理念のために手段択ばずといった趣。後半もそういう采配をしたのですがちょっと選手がついていけてなかったように感じましたが…w 

尖り尖ってからバランスを取れる人を呼ぶと結構いい塩梅になることもあると思うので、うまいことバトンをつないでほしいところです。ペトロビッチ経験則から言えばこの監督では無理ではと言う感想が自然と浮かぶのですが、次の人をどうするか、次の人でどうするつもりかという部分次第だと思います。がんばれフロント。





閑話休題。今節ではその"狂気"が功を奏しました。切り替えの局面で最終ラインのプレッシャーがなくなったところから岡野のフィードが二列目の位置から走り出していた指宿のファウルゲットを誘い、FKのクリアボールをキムボムヨンが余裕をもったミドルシュート。弾丸のようにネットに突き刺さり先制に成功。

キムボムヨンはスーパーリベロにゴリゴリ突破ストッパーにそしてこのミドルと広島を出た喜びに充ち溢れすぎた前半のパフォーマンス。ボンちゃんのストッパーは広島のセカンドチームでもありましたが、まさしく狂気の沙汰といった内容だったのですが…それ以上の狂気が今日ここに現れていました…地獄の窯が…w




・再びのかたやませんしゅ効果


先制で余裕の出た千葉は高橋と清武のコンビネーションと岡野とキムボムヨンのサイドチェンジでやりたい崩しができてきたなという時間を作っていきます。

対する岡山は千葉の良い攻撃から良い守備プレスにつかまる頻度が増えていき渡邉が負傷交代。ボランチが塚川と関戸、シャドウに片山と石毛という配置になりました。

ビハインドであり、身体の張れるかたやませんしゅも入り、ボランチは二人とも横パスを受ける位置取りが取れ、前への推進力もある選手になったということもあり、岡山は中盤の競り合いに勝って前線にボールを届ける回数が増えていきます。千葉がリスクをかけすぎていた(佐藤勇人が普通に攻め込むので自陣にセーフティネットがない)こともあったでしょう。躍動する佐藤優也。本当に佐藤優也の破天荒さだけで興業的な価値はあると思います。面白かったしフクアリに行きたくなりました…w

岡山の狙いは序盤と同様にDFの裏かサイドで持った場合はサイドチェンジ。パクさんがターゲットに計算されていましたが全敗していましたね…せつなさ…






しかし一森と片山の状況判断がチームを救いました。千葉のフィードが流れたところをダイレクトで蹴り返し前線へ。これを狙っていた片山が岡野と佐藤優也の交錯を誘いあっという間に同点に。最後の最後にスペシャルなワンプレーで前半をタイスコアで折り返すことに成功しました。




・顕現、走り勝つサッカー


さて、長澤監督の座右の銘となっている「後半が勝負所」ですが、今節もまたHTの修正が試合を動かしていくことになりました。

まずほとんど千葉にボールを持たれてしまった攻撃面は塚川君と加地さんが近い位置に並び、前線へのボールは豊川の駆け引きが向上しておりマイボール保持やファウルゲットが多くなりました。

低い早いフィードを豊川がDFの死角から現れてかすめとるという形が後半は何度も現れてきます。低い位置からのパクさんのサイドチェンジから加地→久木田→豊川へのクサビ一度は奪われますが、奪い返した加地→塚川の横断→パクさんが走り込みクロス→豊川が飛び込んだ形の決定機は最高の形でした。


https://youtu.be/yAst4x7h5mY?t=3m2s


youtubeの開始位置指定がnoteではできないみたいでかなしみ…ハイライトの3:02からごらんください…






より直接的な効果が表れたのは前線守備。佐藤優也からのパスをスイッチに、右サイドに運ばれたときの山本の落ちる動きから裏にアランダという出入りを石毛とパクさんがうまく受け渡しており、パクさんはアランダからのボール奪取に成功していました。左サイドではボムヨンから乾または高橋への足下のパスで外して裏というの千葉のパターンをしっかり押さえ、特に塚川君が高橋との球際対決で勝ちまくったっことが試合を大きく傾けていきます。

佐藤優也は面白いのですが、一人飛ばすパスを狙えないので岡山のプレスを誘発してしまいました。一森はそういうことできそうなんですが、エスナイデル方針を貫くならGKの育成や補強は考えた方が良さそうですね。

さて、奪ったボールは佐藤勇人も攻めあがるリスクをかけた千葉のミドルゾーンに陣取るシャドウや豊川に手早くつけることでファウルゲットも増えていき、かたやませんしゅのロングスローや石毛とパクさんのプレースキックが増えていきます。





そのなかで片山と近藤のおいかけっことなったカウンターのリスタートからボムヨンのパスを奪った片山の折り返しを石毛がゲット。流れを引き寄せた岡山が勢いそのままに逆転に成功しました。

かたやませんしゅはスクランブルで1G1Aと大車輪の活躍。すっかりキープレイヤーです。




・The most impressive 塚川孝輝




逆転を許した千葉はすぐさま、アランダ→船山、ボムヨン→町田と二枚替え。4-2-3-1に布陣を変更します。

交代直後は佐藤勇人が下がって3バックの形でボールを進めましたが、サイドで引いて受けに来て裏に出すという同じパターンではないかと岡山のプレスは迷いがなくピンチが続きましたが、少しするとトップ下に入っている町田が最終ラインまで下がって、船山と清武の2枚のトップ下のような形になりました。

それでも船山を喜山に撃退され、清武は久木田の粘りに仕掛けが不発に終わり千葉の攻撃が目に見えて改善されたという程ではなかった。千葉のDFは豊川に対するファウルがかさんでいきました。

ただ、千葉はセットプレーのカウンターから大決定機を作っていきます。FKが流れたパクさんのクロスは大外フリーの加地にわたりますがその折り返しをカット。一気呵成のカウンターで町田→指宿→船山とフリーで抜け出されるとシュートはクロスバー。続くこぼれ球を町田が溜めて船山にわたしシュートも一森がセーブし辛くもしのぎます。

これで勢いに乗りたい千葉でしたが、今度は塚川君のボール奪取からショートカウンターで一気に攻め込まれ慌てる展開に。後半の塚川君はボール狩りまくり攻め込みまくりでマジ凄かった。一番引き込まれました。

千葉は後半塚川君にやられまくってしまった高橋→ラリベイで町田をボランチに下げた4-4-2でロングボール中心の攻めを再開しますが、運動量の低下が重くのしかかり岡山に敵陣でのボール奪取と時間経過を許します。

指宿とラリベイの長身2トップをシンプルに狙いこじあけにかかりますが岡山が集中した守備を続けて試合はそのまま終了。岡山が鮮烈な逆転勝ちを収めました。





◆かんそう


・夏は岡山の季節になるか


岡山としては前半厳しい内容となりましたが板についてきたHT修正から完全にゲームをひっくり返し終わってみれば快勝といっていい内容にすることができました。

千葉の攻め筋をうまく読んだ前線守備とそこから千葉のかけたリスクをしっかりとついた左ストッパーの前でのボール奪取やボールキープで後半序盤を完全に支配して逆転に成功するとその流れを手放さず運動量で圧倒して勝利を収めたことは自信のつくものだったでしょう。

塚川君と加地さんと石毛の右サイドは落ち着いたボールの前進を可能にして攻守のリズムを作り出しました。かたやませんしゅのプレッシングと結果が猛烈すぎるのでMOMはやはり彼でしょうが、千葉のショートパス攻撃のリズムを作っていた高橋をロックオン完封した塚川君は個人的には most impressiveでした。

アウェイでの勝利が群馬戦での赤嶺大明神降臨しかないということですので(幸運なことに現地にいましたがアホみたいに寒かった…)、次節この流れをさらに強めたいところ。プレーオフ圏との差もまだ5ポイントなので今季の昇格シーンをかき回してほしい…




・たおれこむまで走りに走ったパクさん


今節もまたチャンス自体はさほど多くはありませんでしたが、少ないチャンスでもしっかりと決定機にしていけてよかったです。やはり相手の攻撃の拠点にされてしまうというところは否めませんが今節はかたやませんしゅに助けられ、自身でも千葉のポジションチェンジに対応したボール奪取や、最終ラインでのビルドアップもみせました。

一番の見せ場であった豊川へのアシスト未遂も実はパクさんのサイドチェンジで加地さんがフリーになったところから始まっていましたね。あのシーンは自陣で繋いだところから全員で攻め込めた数少ないシーンだったので一番いい攻撃のように思いました。

なにより一番良かったのは岡山のアイデンティティである"最後まで走り切る""球際にこだわる"という姿勢を見せられたところ。ここ3試合では最後の5分間というツライ時間帯でも果敢なオーバーラップやドリブル突破を狙うシーンが出せており、チームにも活かしてもらえています。正直ゲームプラン的にリスキーすぎて大丈夫かなと思うこともあるんですが、スタジアムでのリアクションをみれば歓迎されていることも確かでしょう。


DAZNには映ってませんでしたが、試合終了直後には倒れ込むほどだったそうです。パクさんがんばったね。



special thanks:@fyusoccer さん


112試合目もこの努力が報われてくれると嬉しいのですが...なんといっても現地参戦なので…w まっててねパクさん…そして温泉リゾート…ラブアンドピース..未来へ...



では。