【ブンデスリーガ】シュトゥットガルトvs.ヴォルフスブルク:海を越えた浅野頼みのクソサッカー
3連休ですね。ご機嫌いかがでしょうか。台風も通り過ぎ太陽が帰って来ました。ちょっと帰って来すぎだと思う(あつい)
浅野拓磨君のブンデスリーが挑戦も2年目となり、スプリントが通用した手応えと止まった状態ではほとんど勝負ができないという宿題、そしておなじみになってしまった逸機と悔しさの勝ったシーズンを経て、自慢の肉体がもう一回りくらいビルドアップされておりちょっと引いているのですが、そんな2年目は1部挑戦という大舞台。
大エースのシモン・テロッデを残留させ、経験豊富な選手と新進気鋭の若武者をバランスよく補強して意気揚々と乗り込んだシュトゥットガルトですが、金の力(というかシモン・テロッデの強さ)で殴れる2部とは違い忍耐の問われる開幕数試合となっています。4-3-3ないし4-2-3-1の前輪駆動であったチームも2部時代から懸念のSH-SB間をチンチンにされたため3-4-2-1にシフトしました。
浅野拓磨君は開幕から出場機会を得ていますが、日本代表合流後はベンチスタートが続いています。それでも持ち前のスピードは一部でも通用しており、出るたびにチャンスが作れている、そういう印象です。まあ、ゴールにはなってないんですが。
◆メンバー
シュトゥットガルトは★のついた選手が新加入。はじめのうちはチャンスメイカーのマネのところをアコロに置き換えたくらいで大きな変更はなかったのですが、3-4-2-1にシフトしてからは両翼のベテランとキャプテンを除いた人選をかなりシャッフルしています。
浅野拓磨君もカウンター前残り要員としてシャドウでチャンスを量産しつつありますが、ウォルフ監督はドリブル、パス、シュートと選択肢の豊富さがマネを彷彿とさせるアコロ、そしてマーカーを引きずるようなドリブルを見せるドニスをチョイス。ボランチにはドルトムントU19上がりのマンガラを使っていましたが今節はアルゼンチンU20代表キャプテンのアスカシバルをデビューさせました。
◆試合について
・マスチェラーノの再来
両者とも引いて構える状況でお互いに3バックがボールを持つ時間が長くなる試合になりました。どちらもポジショニングの優位で動かすということがなかなかできず少々まったりとした展開に。
その中で時間がたつごとに存在感を増していたのはボランチのアスカシバル。一人だけ危険に対する反応がずば抜けて早く、しかも確実にスイープしていました。弱冠なのかこれで…と青ざめるような巧さでした。アルゼンチンの人財力がこわい。ネクストマスチェラーノやと言われてるらしいですがフラグなのであまりこういうのは言わない方がいいですよね…w
しかもこれ異国の地でのデビュー戦なんですよね…DAZNに入ってらっしゃる方で時間のある方は見てくださればと思います。自分が飛び出したチャンスをキーパーにキャッチされ速攻されそうなのを防ぐために体当たりしてイエロー貰ってますからね。アルゼンチンでは普通なのかもしれないけどナチュラルYAKUZAぶりがすごい。
「止めて蹴る」こともできますし、サイドチェンジも出せています。よりトップ下なゲントナーとの縦の関係は結構うまくいっていました。アスカシバルが間で受けてはたいてフォローに回ることでシュトゥットガルトは左サイドの支配力を高めていき、ドニスの肉体派ドリブルが冴えてきました。強烈なミドルシュートがポストを襲うと、次のチャンスではゴリゴリとえぐってクロス、これをアコロが捉えて押し込み先制に成功しました。
・海を越えた浅野頼みのクソサッカー
後半前線を入れ替えたヴォルフスブルグにシュトゥットガルトは手を焼きますが、アスカシバル君のカバーリングがさらに輝きを増していきました。これはマスチェラーノですわ…
そこでシュトゥットガルトはテロッデ→浅野。浅野拓磨君念願のFW起用となりました。ワントップはドイツでは初めてです。
左の奥を狙えとの指示があったようで、自慢の急加速でヴォルフスブルクDFラインの後背を突き、アコロの決定機を2度演出。残念ながらゴールには至りませんでしたが、試合のペースを取り戻すには十分でした。これは広島でよく見たやつだ…とドイツの試合で郷愁に胸を締め付けられました。あの懐かしいクソサッカーを返して…
シュトゥットガルトは2部で得点王となったテロッデが孤立する上に競り勝てず、苦しい状況なのですが、今回の浅野拓磨君のワントップ起用がひとつの答えになってくれると良いですね。決定力という大きすぎるネックの話は今はやめときましょう。
・襲い掛かる負傷トラブル
それでもめでたしめでたしとはいかず、勢いの出たシュトゥットガルトに衝撃が走ります。クロスに飛び込んだゲントナーが相手GKと交錯し起き上がれず。のちの診断で顔面数か所の骨折とアナウンスされました。
既に3人交代したあとに襲った悲劇。懐かしのリリーフ浅野拓磨君が炸裂したのもつかの間、とりあえず浅野拓磨君が2列目右サイドに下がり5-4-0の形で対応しましたが、やはり最前線に誰もいないとなるとヴォルフスブルクのやりたい放題。サンドバック状態となりシュートの雨に打たれますが、GKツィーラーのファインセーブもあってなんとかしのぎきりました。
試合後ゴールを挙げそれ以外にも決定機を量産したアコロに大腿筋のトラブルも発覚しており、せっかく星を5分に戻したシュトゥットガルトですがキャプテンと攻撃の要の負傷という重い問題がのしかかることになりました。ある程度攻守両面での問題解決にこぎつけたと思ったのですが、一難去ってまた一難とはこのことか…
がんばれ浅野拓磨君。ワントップやシャドウといった広島で慣れ親しんだポジションで見られるのはこちらとしてもうれしい限りですしキャリアにとってもプラスでしょう。今季も痺れるシーズンになりそうですね。
では。