【パクさんをおいかけたい】ファジアーノ岡山vs.モンテディオ山形【リーグ103試合目】


瀬戸大橋ダービーも勝ちきれずと残留圏との差が気になってくる状況になり始めた岡山。とはいえ上位も混戦ということでホームの山形戦で戦いの場を移したいという一戦になりました。


◆メンバー



負傷から復帰した藤本がスタメン復帰。藤本に代わってスタメンに入っていた塚川はベンチとなっています。それ以外は変更なくパクさんもスタメン。関戸さんは100試合出場を達成しました。お若いのにパクさんとあんまかわらんのか…(※追記:見た目で勝手に高卒4年目くらいだと思っていましたが増田卓也さんと流経大同期でした。マジかよ。パパ増田と同期なのかよ。今季一番驚いたよ)

山形は木山隆之(たかしと読むことを先日初めて知りました)監督の手勢の目立つ陣容ですが、阪野や荒堀はパクさんと栃木で同僚であり、特にパクさんと阪野とはホットラインを築いていました。

荒堀とパクさんが両SBって今思えばなかなか頭のおかしい布陣でしたね…w 岡山でのパフォーマンスほどにはパクさん守備できなかったですからね…(これでもだいぶうまくなっているんですよ、、)

また、広島で韓国語の通訳をしていたカンヘンさんも、現在は山形におり、旧友を温めたようです。ファン・ソッコとともに鹿島に移籍し(鹿島的にはカンヘン通訳は復帰だったそうで)、そのファン・ソッコさんは中国超級へ行ってしまわれたのでまた籍を移していたようです。人に歴史あり・・


◆試合内容



閑話休題。試合の話に入りましょう。

・噛み合う狙い

序盤は片山と藤本の強さが前面にでたロングフィード+ハイプレスで山形陣内でのプレーを増やした岡山。山形の両ストッパーはSB的な選手で、右の茂木は174cmのマルチロール(浦和ユース産で器用な選手という印象があります)、左の高木利也は長崎の高木琢也監督のご子息でキムボムヨン(活かしてあげられずホンマすまんかった)の後釜として大卒ルーキーながら左WBで出場機会を増やしていた選手です。

このあたりの人選に木山監督の個性が出ているでしょうか。欧州トップシーンでも3バックの両ストッパーはボールを持った時に前に進める力が大事なのでSBを置くよというのがトレンドだそうです。ドルトムントとかでしたっけ

ただ、この試合に関してはそんなSB的な選手に藤本や片山をぶつけてフィジカルで優位に立ってボールをキープするという岡山の狙いが機能していました。

そんな流れかなーというのが見えるかなどうかなという序盤も序盤の3分にセットプレーから喜山さんがねじこみ先制を果たすことができたのは岡山にとっては理想的だったでしょう。岡山は基本的にロングボール+ハイプレスで奪ったカウンターやロングスロー、プレースキックからチャンスを生み出していました

ある程度時間がたち岡山のプレスが落ち着くと山形の狙いが具現化する時間となります。本田拓也が下がって4バックを形成して岡山の3トップをずらしにかかると、菅沼または本田からの大きなサイドチェンジで左ウイングの山田が一気に加地さんの横や裏に抜け出す、広島や浦和の形で岡山ゴールに迫ります。

山田にボールが集中したのは菅沼や本田が右利きであったからだと思いますが、右サイドからも茂木が持ち出して瀬沼や降りてきた阪野にあてる形がありそうでした。ただし、このラインは篠原さんの鬼気迫るつぶしが効いておりさほど具現化せず。篠原さんは前節の雪辱と言わんばかりの獅子奮迅の活躍でした。


・拍車をかける岡山とスクランブルで停滞する山形

後半早々には伊藤大介→塚川。ライブ観戦時には負傷だろうかと思っていましたが、特に言及はなく戦術的な交代だったかもしれません。

3トップが全員身体の強さを押し出していくスタイルとなり、岡山のスタイルは拍車をかけることになります。片山さんが左シャドウに入ると、これまで以上にパクさんとの前線プレスの疎通が良くなり、左サイドはなかなかのボール奪い取り拠点となりました。

この流れの理由には山形の右WB鈴木雄斗の負傷交代もあったことでしょう。瀬川が代わりに入り、右に山田が移ってきましたが、貰い方が整理されていない感じがありました。緊急事態ゆえか。

そんなこんなでCKからパクさんのキックは一度はクリアされますが、再び拾ったところからの切り替えしからの右クロスに塚川が飛び込むもその手前で触った瀬沼がオウンゴール。セットプレーから岡山が2点の先行に成功したました。


・山形の反撃と繰り返さない冷静と情熱


2点を先行され山形はさらに両ストッパー=SBが攻め込むことになります。特に高木利也の攻撃参加は効果的で、塚川―関戸―加地のトリオはかなり困っていそうでした。このあたりの裏を独りカバーできる久木田さんのスピードは凄かったですね…w

左サイドは喜山さんのご指導ご鞭撻と流れてくるボランチ風間をがっちり捉える渡邉さんの介護の甲斐もあってパクさんは思った以上に堅守に貢献できていました。

しかしながら山形が本田→中村の交代あたりから5-3-2となりがっぷりと同じフォーメーションだったのが変わって中盤のマークがますます難しくなると、CKの流れからのクロスをパクさんが痛恨のクリアミス。何とかかきだしますが相手にわたってしまい1点追い上げられてしまいます。

讃岐戦の再現となる失点に山形の攻勢が強まり一気に戦況は厳しくなりますが、同じ失敗を繰り返すまいと掛け合う声は増え、渡邊→竹田で空中戦とこぼれだまを補強しながらDFラインは身体をぶつけ、藤本→三村で前線はカウンターに死力を尽くし、最後の児玉の攻め上がりも弾き切り、勝ち点3を手繰り寄せました。



◆感想

・ついに日の目を見たセットプレーのデザイン

内容的には山形にかなりボールをつながれ、崩されてしまいました。しかし、これまでチャンスを作りながら得点が叶わなかったセットプレーから2得点を挙げ、結果としてそれがチームを救うということになりました。

ボールをつなぎながら高い位置でサッカーをする形から京都戦や群馬戦の逆転勝利あたりから蹴っ飛ばして追いかけることで高い位置でサッカーをするという方針になっているように見受けられますが、今回なんとかそれで勝っていける算段となるような結果が出てきたように思います。

熊本戦で勝ちきれていれば通らなかった遠回りだったかもしれませんが、とりあえずは2017年のたたかう形を決められそうな試合になり良かったです。

・落ち着いたパクさんと腕試しなGW連戦

パクさんにおかれましても、ボールをつなぐ拠点という意外や意外な活躍ぶりから、セットプレーのチャンスメイク役という本来?の形に落ち着きつつあり、以前の興奮とは異なりますが、チームの戦力になれそうだという安心感がありました。守備に関しても喜山さんが瀬沼をチェックする裏を常に気を配れており、二人の連携の高まりを感じました。まあ…とんでもないクリアミスで…チームに無駄なドラマチックをもたらしてしまったのですが…ライブ観戦時は軽く不整脈が起こりましたが笑い話になりそうでほっとしています…

右サイドについても久木田さんの圧倒的な走力でカバーという計算が成り立ちつつあり、攻撃は片山+藤本or塚川ががんばるからのセットプレーという安定したチャンスメイクが出来つつあります。

勝てるチーム作りが固まりそうな中で、湘南、長崎、徳島という連戦に臨めるのは面白そうです。GWの長崎戦は現地に行くので、今からでも楽しみですし、暗黒月末労働の励みになっています。

103試合目のパクさんは勝利に貢献できたので104試合目もそうなりますように…


では。