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新しいネオン -作品-②

だんだんと、建築の設計段階からネオンが組み込まれるようになってくる。

The Elm City Electric Light Sculpture Company used neon as an updated form of identification and also suggested light-fixture applications.

Rudi Stern / Let There Be Neon
P110

"エルム・シティ・エレクトリック・ライト・スカルプチャー・カンパニーは、ネオンを最新の識別形式として使用し、照明器具の応用も提案した。"

As interior uses of the medium, some Paris café ceilings demonstrate a fusion of graphic design and illumination. The luminous tubing is no afterthought here, but rather a part of the architectural conception, the mirrored surfaces adding other dimensions to the already integrated design.

Rudi Stern / Let There BeNeon
P110

"ネオンのインテリア用途として、いくつかのパリのカフェの天井は、グラフィックデザインと照明の融合を示している。ここでは、発光管は後付けではなく、むしろ建築構想の一部であり、鏡面はすでに統合されたデザインに別の次元を加えている。"

パリ、北駅のカフェの1930年代の天井。
「EAT」のサイン、1968年。所蔵 ワズワース・アテネウム、ハートフォード、コネチカット州。この看板を制作したエルム・シティ・エレクトリック・ライト・スカルプチャー・カンパニーは、ウィリアム・H.グローバー、R. ジェローム・ワグナー、マーサ・プール・ワグナーによって1967年に設立された。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon


数ページ前には、「光そのものは建築家にとってほとんど知らない要素であることが多く、照明は設計の後付けであることが多い」と書いてあったけど、
1968年だと、建築の一部として初めから設計されるまでになっている。

As an interior source of illumination with great design potential it is interesting to compare the indirect use of the medium in the Schroeder Hotel in Milwaukee with the medium's use in the 'Mod's Hair Salon in Paris. In both cases, neon is an active desion element.

Rudi Stern / Let There Be Neon
P110

"デザインの可能性を秘めた室内照明として、ミルウォーキーのシュローダー・ホテルにおけるネオンの間接的な使用と、パリのモッズ・ヘアサロンにおけるネオンの使用を比較することは興味深い。どちらの場合も、ネオンは積極的なデザイン要素である。

ミルウォーキー、シュローダー・ホテルのカクテル・ラウンジ(1930年代)。
白いネオン管は、間接照明としてバー・パネルの後ろとガラス棚の下に使われた。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon
アンナ・ベラール、「モッズ・ヘア」サロン・ド・コワフュール、パリ。このパリのサロンでは、白いネオン管を使って鏡のようなシルエットの輪郭を描くことで、興味深く機能的な環境を作り出している。外部からのイメージと内部空間の定義が並置された、一連の多重反射が生み出された。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon


ネオンは、プラスチックに隠れた光源になってしまった時もあったけど、デザインとネオンの存在がマッチしていれば、それは隠された光源ではなく、積極的なものになるよね。

Charles Moore's recent New Orleans fountain is an excellent example of an architec tural application where no other medium would work as effectively.

Rudi Stern / Let There Be Neon
P110

"チャールズ・ムーアが最近手がけたニューオーリンズの噴水は、他の媒体ではこれほど効果的に機能しない建築的用途の優れた例である。"

イタリア広場プロジェクト、ニューオーリンズ。
噴水デザイン:チャールズ・ムーア、アーバン・イノベーションズ・グループ(ロスアンジェレス)。「この広場は、すでにイタリア人コミュニティーの間で大成功を収めている。 ......しかし、イタリア人コミュニティーの一部には、このデザインのディテールに満足していない者もいる。
これは、ポピュラーなイメージに意味を再割り当てすることが不可能であることのさらなる証明であり、正真正銘のヴァナキュラーな文脈の外でヴァナキュラーなモチーフを使おうとする建築家が直面する問題である。[マーティン・フィラー『プログレッシブ・アーキテクチャー』1978年11月号]
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon


チャールズ・ムーアとは?
アメリカの建築家で、大学とか美術館、広場など、
公共の場の建築を多く手がけてきた人らしい。

写真の説明を読むと、このデザインに満足していない人もいる。ヴァナキュラーな(土着のとか、その土地固有のという意味らしい)モチーフを使おうとする建築家が直面する問題だと書いてある。
これは、ピカデリーサーカス問題と一緒だなぁ。

看板は、それだけで役割があるから完結していた。
すでに、看板的な要素から離れようとする時代が始まっている。だけど、そうすると今度はここにこのネオンを付ける意味は?と考えるようになる。意味のないものをつくっても意味がないとか言い過ぎると確かに面白くないけど、あまりにも意味のないものはやっぱり意味がない…悩ましい時代の始まりです。笑


※ 引用部分については、Let There Be Neonさんのご厚意により、直接許可をいただいています。


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