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【組織開発/営業戦略 事例】“同じ方向を向くパートナー”としてライトが支援した電通サイエンスジャムの変革

概要

株式会社電通サイエンスジャム様
「ココロを可視化して、ワクワクする世界を創造する」をミッションに脳波を活用したニューロマーケティングやニューロリサーチ等を、様々な生体情報解析をベースに、複雑な消費者の動向を感情分析によって見える化。国内外で活躍されているあらゆる分野の研究者とアライアンスを組み、企業との共同研究やR&Dを推進。電通グループが得意とする要件定義と的確なプロジェクトマネジメント力で「結果をだすR&D」「エビデンス開発」「製品開発」「効果的なブランディング・サービスPR」の実現に貢献している。 

  • 依頼の目的

    • 安定的に成長する組織体制の立て直し

  • 課題だったこと

    • コロナ禍による業績悪化を受け、抜本的な立て直しが必要だったが、人事評価制度が実態と合っていなかった。さらに、これまで受け身の案件引き合いのみだったため、攻めの営業体制を構築したかった。

  • 実施したこと

    • 社員の納得度が高いミッション・ビジョン・バリューの構築

    • リソースを活かした顧客開拓の仕組みづくり

  • 効果

    • 社員のエンゲージメントの向上、一体感の醸成

    • 新規見込み客の安定的な増加

▼組織開発 事例

コロナ禍で業績悪化の中の社長就任

ーどのような経営課題がありましたか?
 社長に就任したのは、まさにコロナ禍の最中でした。当社の仕事は脳波計測が必要なため、被験者を集めて実験を行わなければなりません。しかし、その当時は人を集めることができず、実験が延期や中止となり、業績が大きく落ち込みました。

その年は赤字を計上し、「会社全体を立て直さなければならない」と痛感しました。給与体系についても、より柔軟で明確な仕組みが必要だと考えました。当時、給与テーブルが上限に達しそうな社員がいたり、昇給の仕組みが不十分であったりと課題が多かったのです。そこで、まずは評価体系を整備し直し、成果が出ればみんなで分配できるような仕組みを作りたいと思いました。その際、ライトさんの支援を得ながら取り組みを進めていきました。

人事評価を変えるなら、ミッション・ビジョン、バリューから

昇給や評価の仕組みを整備するにあたり、まずは「社員のキャリア形成をどう支えるか」という議論が必要でした。当社の場合、研究職のプロフェッショナルを育てるキャリアパスが求められます。そのためには、会社のミッション、ビジョン、バリューを明確にしなければ、評価基準を確立できないと考えました。最終的に「すべてを一から構築し直そう」という結論に至ったのです。

社員全員で納得感を得る取り組み

ミッション、ビジョン、バリューを策定するにあたって、社員全員が腹落ちすることが重要でした。そのため、社員に何度も集まってもらい、意見を出し合う場を設けました。「みんなのやりたいことは何か」「会社が持つイメージはどのようなものか」など、具体的なテーマについて社員全員と頻繁に議論を重ねました。そうして集まった意見をもとに、「それならこういう方向性が良いのではないか」と形にしていきました。

ライトさんの進め方も独特で、結論を提示するのではなく、私自身に考えさせるプロセスを大切にしてくれました。例えば、私に宿題を出す形で「次回までに考えてみてください」と言われることもありました。一見遠回りのように思えますが、自分自身が納得しないと人前で話すことはできない、とライトさんが理解していたからこその手法だったのだと思います。この過程を通じて、私自身も考え方が鍛えられました。

衝撃!社長が初めて知った社員の価値観

ミッション、ビジョン、バリューをしっかりと作らなければならないと感じたのは、当社の「会社としての性格」に気づいたことがきっかけでした。外部から見ると当社は「リサーチ会社」に見えるかもしれません。分析や評価を行い、その結果をクライアントに提供する、そういう役割の会社だと捉えられることが多いのです。
 
ところが、社員にとって当社は「リサーチ会社」ではなく、「ラボ(研究所)」だという認識が強いことに気づきました。社員の多くが、「ここは研究や開発に専念できる場所。みんなであれこれ意見を出し合いながら、良いものを作り上げるのが楽しい」と感じていました。こうした雰囲気が好きだからこそ、ここで働いている社員が多いのです。
 
私は当初、「脳波やリサーチを行う電通の子会社」というイメージでこの会社に参加しました。ところが、実際には「ラボとしての側面が社員にとって重要」であり、それが彼らのモチベーションの源泉だと知ったとき、大きな衝撃を受けました。この発見は、その後のミッション、ビジョン、バリューの策定を進める上で非常に大きな意味を持ちました。

社員の本音や価値観が見えたことで、「では、この会社のミッションは何か?」「社員が大切にしている価値観は何か?」という議論が、自然な流れで進むようになりました。社員との対話を通じて、それらを一緒に形にしていくことができたのです。

やらされたからこそ生まれた一体感

振り返ってみると、ミッション、ビジョン、バリューの策定から評価制度の整備まで、私自身が「やらされた感」を持ちながら進めた部分もありました(笑)。しかし、それが結果的には良かったのだと思います。もし私が丸投げしてしまって、ライトさんから提案されるがままになっていたら、ここまで深く考えたものにはならなかったでしょう。
 
社員の気持ちに寄り添いながら、自分も一緒に考えるプロセスを経たことで、会社全体に一体感が生まれました。ミッション、ビジョン、バリューを策定する過程で、「会社が成果を出せば皆で幸せをシェアする」「会社が苦しいときには皆で協力して乗り越える」という意識が自然と浸透しました。その結果、社員たちのエンゲージメントも高まりました。
 
この取り組みの成果は、業績にも現れています。ほどなくして会社の業績が上向き、2022年には過去最高益を達成しました。社員のエンゲージメントスコアも引き続き上昇しており、会社全体が一つの方向にまとまって動けるようになったと感じています。

 ▼営業戦略 事例

営業がわからない、困ったぞ…

2023年に入ってから、今度は業績の揺り戻しがあり、「やはり営業を強化しなければならない」という課題に直面しました。それまで当社の営業活動の多くは、ホームページ経由の問い合わせに対応するものでした。当社は脳波計測を活用した受託研究を行っており、そのためお問い合わせは主に企業のR&D部門や新規事業開発チームからでした。ニューロや脳波というキーワードが注目されるようになり、当社がインターネットの検索結果に表示されることで問い合わせが発生する仕組みだったのです。

しかし、こうした受け身の営業では限界があると感じ、「外に向けて自ら営業していく必要がある」と考えるようになりました。ただし、当時の当社には「対R&D営業」のノウハウがほとんどなく、どう進めるべきかわからない状態でした。クライアントと向き合い、単発で終わらせずに継続的な仕事にするにはどうすればいいのか。新規クライアントにどうアプローチして関係を深めるのか。こうした課題に直面して、「また困ったぞ、どうするライトさん」と相談することにしました。

営業ってどうやるの?

「どうやってR&D営業するの?」とライトさんに相談したところ、具体的なアドバイスをいただきました。実は、ミッション、ビジョン、バリューを策定しているときから、社員をどう成長させるかという話題が度々出ていたので、その経験を踏まえ、ヒントをもらおうと考えたのです。
 
まず指摘されたのは、「足元をしっかり固めることの重要性」でした。当時の当社は、過去の営業データや実績を分析しきれておらず、「これまでどのような営業活動をしてきたのか」が把握できていない状態でした。ライトさんのアドバイスに基づき、まず過去4年間の営業データを徹底的に棚卸しすることから始めました。
 
その過程で、「どの分野が最も利益を生み出しているのか」「収益が伸びていない分野はどこか」「今後どこを攻めるべきか」など、詳細にタグ付けしてソーティングを行いました。また、昨年と今年で案件数が同じでも、トータルの収益が異なる理由を調べたり、特定の案件がどう成果に結びついたかを担当社員も交えて検討したりしました。
 
こうした分析を基に営業の方針を固め、戦略を立て直したことで、当社は少しずつ営業力を強化することができました。

そんなに受注して、誰がやるの?

営業体制を見直した結果、徐々に問い合わせが増え、攻めの営業が奏功し始めました。「そんなに案件を取ってきて、誰が対応するんだ?」という嬉しい悩みも出てきました。
 
振り返ると、ミッション、ビジョン、バリューの策定や評価制度の整備から始まり、攻めの営業体制の構築へと至った一連の取り組みは、非常に有意義だったと感じます。社員たちが「やるべきこと」と「やらなくても良いこと」の線引きができるようになり、会社全体の効率が上がったことが成果として現れています。

ーライトに頼んだ理由は?

私が電通在籍時にクライアントに対しては助言ができていたような内容でも、いざ自分自身が当事者になると、なかなか自分では判断に悩むことがあります。やり方が分かっているつもりでも、会社の内側にいると忖度や甘えが入り込み、見えなくなる部分がどうしても出てきます。
 
だからこそ、外部の視点を取り入れることが重要だと考えました。自分では見落としてしまう課題や改善点を第三者の目で指摘してもらえることに、大きな価値があると思ったのです。このような理由から、ライトさんに依頼することに決めました。

ーどんな企業や人にライトをおすすめしたいですか?

よく「パートナーたれ」と言いますが、実際のところ、本当にパートナーとして機能しているのか疑問に感じるケースもあります。営業の一環として「パートナー」と名乗っていても、実際にはクライアントに寄り添うというより、売り込みが目的になっていることが多いのではないでしょうか。
 
本来、パートナーとは「横で同じ方向を向いて寄り添っている存在」であるべきです。ライトさんには、その安心感があります。ライトさんと接すると、「この人たちはセイムサイド(同じ側)に立っている」と感じられるのです。

ライトさんが特別だと思うのは、弱みをさらけ出しても、そこを攻撃される心配がないことです。普通の営業的なスタンスで来られると、「弱みを握られるのではないか」と不安になり、本音を話すことをためらってしまうこともあります。そうなると、相談も建設的なものにはなりません。
 
しかし、ライトさんは違います。一緒に横に並んで「最近どうですか?」と気軽に話せるような雰囲気を作ってくれます。この安心感があるからこそ、こちらも本音で相談でき、課題に真剣に向き合えるのだと思います。

(代表・天野)ありがとうございます。私たちは昔から「担当者ファースト」を掲げてきました。一般的には「クライアントファースト」と言いますが、私たちは「担当者」が幸せであることを最優先に考えています。なぜなら、その担当者がハッピーであれば、最終的にクライアントの成果にもつながると信じているからです。例えば、経営者であれば会社の成果につながるでしょうし、担当者であればその人が昇進したり、キャリアを叶えたりすることができる。そのために私たちは、担当者がより良い成果を出せる環境を整えることを意識し続けてきました。


組織開発や営業戦略に関してお悩みがある方は、ぜひ以下ホームページよりお問い合わせください。




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