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鍋山の巨大杉の伝説
初冬という言葉がぴったりな季節になってきました。屋号坪上屋の古民家で過ごす初めての冬が近づいてきて、朝晩はストーブが欠かせません。
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今日は安芸太田町内で仕事をするという夫へ、昼のお弁当を配達したついでに、仕事を見学させてもらいました。
内容は、元山神社に祀られている巨大杉の所以のある場所へ御幣としめ縄をかけに行くそうです。
昼食中、巨大杉の言い伝えを聴きました。
その言い伝えは少し怖くて、おもしろいものでした。
昔、鍋山(元山)という山に巨大な大杉が生えていて、それはそれは大きな木だったので、山の麓の田畑が木の影になってしまい、作物が育たなかったそうです。そこで麓の木こりがその木を切るために山に登って大杉を切り始めますが、1日では到底切り倒すことができず、翌日も続きを切ろうと山に登りました。すると、切ったはずの傷口が元通りに塞がっているではありませんか。木こりは大杉の近くに小屋を建て、7日7晩不眠不休で切り続け、やっと倒すことができました。
しかし、倒れてきた大杉の下敷きとなってしまい、その体は近くの山々6ヶ所へ飛び散ってしまいました。
以来、大杉の立っていた鍋山(元山)の現地を含め、計7ヶ所に7体の御幣を造って、大山祇神に御初穂を献供し、お祀り事をするようになったそうです。今は3ヶ所に御幣をお供えしているとのこと。
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驚いたのは、鍋山の巨大杉は、3キロほど離れた集落までその大きな巨体の影を落としていたということ。近くに杉の影の意味の屋号を持つ家もあるという話を聞き、田舎ならではの妙な信ぴょう性の持たせ方に思わず唸ってしまいました。
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地域の方々は代々言い伝えを守り、山の神様をお祀りしながら、山との暮らしを大切にしていることが伝わってきます。
来年は生まれてくる子どもと一緒に山の神様に挨拶をしに行きたいと思っています。