Smokey Robinsonを聴きまくる!【6】Recorded Live On Stage
ミラクルズが1963年に発表したライヴ・アルバムです。このLive On Stageはモータウンでシリーズ化されており、他にマーヴィン・ゲイやメアリー・ウェルズ、マーヴェレッツなども制作させています。とても熱い演奏で、ゴスペル的な高揚感を感じさせる場面も多いのですが、全体の流れが悪く、収録も7曲29分弱ということで、とてももったいないアルバムとなってしまいました。録音はニューヨークのアポロシアターとシカゴのリーガル劇場で、どちらもブラック・ミュージック界においては有名な演奏場所で、ジェームス・ブラウンやB.B.キングなど数々の名ライブアルバムも録音されています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZwC39G4O_RY&list=OLAK5uy_nJzx5kBnkBkViaHeEd89zhhSt6hYumzso
A-1 Mighty Good Lovin'
この曲はオリジナルアルバムには収録されず、当記事でも2作目Cookin’ With The MiraclesのCDボーナストラックで紹介しました。アルバムで聴いた時にはあまり心が動かされませんでしたが、このライヴ・ヴァージョンは無茶苦茶カッコいい演奏となっています。まずMCに導かれてスタートするギターが最高で、マジック・サムを思い起こしたほどです。切れの良いホーンがかぶさり、まさにソウル・レヴューの始まりという感じでワクワクします。スモーキーもとても熱く、カッコイイ歌唱を聴かせます。
A-2 A Love She Can Count On
前作The Fabulous Miracles収録のミドルテンポナンバーです。曲も演奏も素晴らしいのですが、特にスモーキーの歌が光ります。時にサム・クックを思わせるような節回しもあり、ソウル・シンガーとしての魅力全開という感じです。
A-3 Happy Landing
全曲と同じく、前作収録のナンバーですが、おそらく当時の最新シングルです。素晴らしい演奏ですが、編集の関係もあって、前曲の流れから少し唐突な感じがします。後半ゴスペルチックに盛り上がる感じになりますが、もう少しイケるだろ、とちょっと欲求不満です。これでAサイドは終わり…この辺がこのアルバムの残念なところです。
B-1 I've Been Good To You
Bサイドは改めてMCが入り、やはり前アルバム収録のバラードからスタートします。途中にバーバラ・リンのYou'll Loose A Good Thingが織り込まれ、いい感じです。甘いだけ、スィートだけではない、ソウルフルなスモーキーの歌唱を聴くことが出来ます。
B-2 What's So Good About Goodbye
3作目I'll Try Something New収録の名曲です。しかしここでは割とあっさりとした仕上がりで、当時のグループの勢い、実力ならもっと高いレベルで演奏できそうな気がします。
B-3 You've Really Got A Hold On Me
さて、ここで大ヒット曲の登場です。観客の盛り上がりもすごく、コール&レスポンスも聴くことが出来ます。途中、この曲に影響を与えたサム・クックのBring It On Home To Meが歌いこまれますが、観客もみな大合唱でとてもエキサイティングです。しかしこの曲も前曲同様あっさりと終わってしまい、とても残念です。
B-4 Way Over There
ファーストアルバムHi We're Miraclesに収録されていたロッキンR&Bです。最後にアイズリー・ブラザースのShoutで有名なコール&レスポンスもありますが、中途半端に終わってしまいます。
いくつかの場面で、ソウル/R&Bの最高の高揚感を味わうことが出来るアルバムです。これが全編持続していたら…ハーレム・スクエア・クラブのサム・クック並みになったのでしょう。でも当時のモータウンやアメリカ黒人音楽の勢いとか、若々しさ、溌溂とした感じ、スモーキーのソウル・シンガーとしての凄さなどは味わえるアルバムです。