不当解雇(再編集 2024.06.23)
再編集しました。
2023年秋。私はある修理工場の事務スタッフとして再就職した。
この年、私の転職歴は過去最悪。3月に3年勤めたハウスメーカーを退職後、葬儀会社→飲食業チェーン店の本部総務 ときてここが4社目になる。
創業10年ほどの中小企業で、新社屋への移転を機に事務方の人員を増やそうと募集をかけたようだ。
社長を含めた全社員の中で私は上から数えた方が早いくらいの年齢。
社員は10数名。腕が良いとの評判があり収益を上げられている。でも社内のソフト面での意識が社長が現役だった頃の社会通念(昭和後期から平成前期)そのもので、時代の流れに追いついていない。
例えば健康診断。健康保険組合では「年内に1回受ける分には補助が出る。病院の予約や変更は会社を通さず個人の責任でする」となっている。
入社間もない頃、社員たちの健康診断の日程調整を事務方がしなければならないということを聞いた。この会社では毎年決まった時期に全社員がおなじ病院で受けているのだという。そして健診日は有給休暇扱いとなる。
会社の財務状況にもよるので、有給休暇で健康診断を行ってくださいという点について反論はない。
でも、私は健康診断の日程や病院を全て会社にコントロールされたくない、自分のタイミングで、今までの資料がある病院で受けたいと主張。
「有給休暇を使用して受けるのなら、いつ、どこで受けても良いではないか。今までずっと同じ病院で受けてきたのに、それを『会社の方針に従って、病院を替えてください』というのはおかしい」と猛抗議。
それを受けて作業方トップが言い放った言葉に私は耳を疑った
「あなたの意見はわがままです。あなたは入って間もないのだから、先輩社員の言うことをよく聞いて会社の方針に従ってください。」
私は総務職での経験が長い。他社で何度も同僚たちの健康診断の日程調整を担当してきたから、この作業方トップがいう「会社の方針」でなくても良いことを知っている。
むしろこの方法だと自分の都合で他人の時間を奪ってしまうことが心苦しい。「外せない仕事が入ったから健康診断の日程を替えてください」(←これにしたって、健康診断を理由にお客様と時間の調整を頼めない社員側にも問題がある)という心無い一言が、事務方の通常業務を放置させること、また病院側と連絡を取るのが時にはハードルがどんなに高いことか、まったく理解していない。
このことに限らず、この会社では「あなたの主張がどんなに正しくても、会社の方針と違う場合には正しくないのです。」と言わんばかりの言行統制(言論と行動の統制)がここそこであった。
そんな言行統制により私は退職に追い込まれる。
ある日私用電話が長いので仕事が回らないと事務方トップに怒られた。
私は普段自分の携帯電話はならないようにしている。着信が入っていたら仕事終わりの時間や昼休みなどに折り返すようにしている。
怒られた時の電話は年金機構からのものだった。こればかりはどうしても平日の日中にしなければならないため就業前の比較的業務量が少ない時間に席を外す。
電話に思いのほか時間がかかり、気が付いたら20分以上は話していた。そんなことが2回あり、2回目に大目玉。
どうしても平日日中に折り返しが必要な電話だと話したのだが、受け入れてもらえない。
他方、この人は作業場でのおしゃべりで30分以上席を外し、その間私が一人で電話を受けなければならない理不尽も発生していた。
私が電話対応している横でもう一台の電話が鳴りっぱなしのこともあるが、それでも職場の雰囲気を回すためには必要なおしゃべりなのだろう。私はそう飲み込んで特に相手への直接抗議はしなかった。
そんな理不尽さをnote以前のページに綴っていた。
社名や個人名は一切出していない。
あくまでも一般論として投稿した。
だが私のその投稿がリンクから社長夫人の目に留まる。
社長夫人はそれをスクリーンショットして社長に見せ、社長が激怒。
「個人名は出していない」と主張したが、「でも見る人が見れば当社のことだとわかる」と主張。
社長夫人は事務方トップにも見せたらしい。その日の出社から退職まで必要最低限以外は口をきいてもらえなくなっていた。
今まで笑い声が聞こえて穏やだった職場が一気に寒々しくなってしまった。
「謝罪をしましょう」という社長の計らいで事務方お局への謝罪の席を設けてもらった。
頭は下げたが、社長に場を設けてもらわないと謝れないのは最低だとか、私の頭の下げ方が悪い、なんで怒られているのかわかってないと暴言を浴びせる。社長が別の社員に呼ばれて離席すると、事務方トップは「仕事が回らないから戻りますね」と皮肉を浴びせて部屋のドアを力任せに閉めて退出。
事務方トップは、私がもう一度謝ってきたら水に流すつもりだったのかもしれない。
でもこの暴言と暴動は十分モラルハラスメント、パワーハラスメントに値する。
何を話したらよいのか、何を話しても聞いてもらえないかもしれないと、私は恐怖から話しかけることができなかった。
謝罪の席から1週間。
事務方トップが社長に、私が働き続けるのならば自分は辞めたいと話したらしい。
自分の暴言と暴動を棚に上げ、他方で悪いことをしても謝らず、ほとぼりが冷めるのを待っているような私とは一緒には働きたくないと。
「わかりました。お世話になりました。」
出社から1時間後、私は帰宅した。
荷物をまとめて社長に挨拶に行くと、「あなたの本性が見えました。一度は謝ってくれたから、水に流してまた一からやり直したかったです。あなたの意見は経営側からみると間違っているとは言えませんが、そのような方とは一緒に働きたくないです。今後のことは嫁(社長夫人)から連絡します」と通告。
(続きます)
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