見出し画像

水底に揺蕩う

くそみたいなことがあったとき
"あ~やっちゃったな"って思うとき

誰とも連絡をとらず、独りになって、ずーっと沈んでいる

独りでしか克服できない
いや
独りでしか癒せない
悲しみや絶望があるから

そんなとき、
”今、隣にあの人がいてくれたら、どれだけ救われるだろうか”
と思って輪をかけてやるせなくなることもあるが

”大丈夫、私がいるから”
って何度も何度も自分に声をかける

”私がいるからって言うけど、現実に対処してるのはこの「私」なんですけど?”
”お前が一番しんどいのに無理すんなよ…”
とかいう別の声も聞こえるけど

そういう声を聴いたら
”確かにすぎる…”
とも思うけど

でもそれらに対して私の内側で大きく響く音がある

”それでも、私は知っている”

そう、私は知っている
このネガティブな自分に時間と手間をかけてあげられるだけの器に、私はなったのだということを
沈む「私」の隣で、”まあこんな日もあるよね”とのんびり構えていられる余裕を得たことを

この展開が必要だということを
このコントラストを利用して、想像もできなかった最高の未来が生まれるということを

私は知っている

そして、あなたも知っている

そうやって沈む私たちは、まるで沈没船のようで

夢を抱いて航海に出て
あの輝く星を目印に
日照りの日も風の日も雨の日も嵐の日も進み続けて
それでもうまくいかず、沈没

全部ぱあだけど
最悪だけど
悔しいけど

でも、まだ魂だけは死んでない
ちょっと休んだら、浮上できる

浮上したら、今度こそ、諦めない
絶対に約束の場所にたどり着くんだ

なんならここに戻って
沈没船の中にある宝物を回収できるかもしれない

そんなことを考えつつ
今だけは、あと少しだけでいいから

水底に揺蕩っていたい



いいなと思ったら応援しよう!