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アートの魅力を引き出す照明の重要性

今年9月18日から10月17日まで開催されたKYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィ)。京都を舞台に、世界から気鋭のアーティストが集まった国際写真フェスティバルです。9年目を迎えた今年は、「ECHO(エコー)」をテーマに掲げて開催されました。この写真祭には、ダイソンが協賛しており、最新のDyson Lightcycle Morph™ライト(ダイソン ライトサイクル モルフ)を展示会場で使用していただきました。アート作品をさらに引き立たせる照明は、どう活躍をしたのでしょうか。


KYOTOGRAPHIEの共同代表を務める照明家の仲西祐介さんと、パートナーで写真家のLucille Reyboz(ルシール・レイボーズ)さんに、今年の状況をお聞きしました。

Lucilleさん x Yusukeさんプロフィール写真

▲©︎ Isabel Muñoz


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京都から世界へ発信する理由

―― KYOTOGRAPHIEは、2013年に始まったそうですね。

仲西:KYOTOGRAPHIEを始めたきっかけは、2011年に起きた東日本大震災でした。日本中が大きな打撃を受けましたが、発生当時は正確な情報が知らされず、私たちは不安を抱えて生活をするしかありませんでした。原発の放射能問題についても、正しい情報を把握するには、かなり時間がかかりました。
こういった震災の混乱を体験して、環境問題をはじめ私たちの社会が抱える問題をオープンに話せる場を作りたい。写真というメディアを通して広く世界へ発信したいと考え、KYOTOGRAPHIEの開催を決意しました。

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―― 京都を選んだのはなぜでしょうか。

仲西:震災後、私たちは東京から京都に移住しました。東京は過密になりすぎて、表現の場にはふさわしくないと考えたからです。一方、京都は世界に知られる歴史ある都市。メッセージを発信するのに適した街だと思いました。
ただ、実際に住んでみると、外から見るだけではわからない、独特の風土や習慣があります。例えば、何か物事を始める際にも、きちんと段階を踏んで進めていかねばなりません。順番も飛ばしてしまったこともありましたが、その都度お詫びをしながら、少しずつ前へ進めて行きました。京都は新しいことを始めるには難しい街ですが、一度、相手の懐に入ってしまうと、仲間とみなされ、以後はスムーズに進行することができました。

―― どんなご苦労があったのですか。

仲西:私たちが京都のことを何も知らないアウトサイダーだったから、逆に良かったのかもしれません。実施にあたって配慮したのは、まず、京都の長い歴史に対して敬意を表すること。そして、展示は常に高いクオリティを維持するよう心がけました。京都では品質の低いものは排除されてしまいます。そういう意味でかなりプレッシャーはありましたが、京都で開催したからこそ、写真祭のレベルが上がったと自負しています。

未来への願いを込めたテーマ

――今回のテーマ「ECHO」に込めた思いを聞かせてください。

仲西:昨年、新型コロナウイルスが発生し、パンデミックにより世界が分断されてしまいました。さらに以前のようにコミュニケーションが取れない状態になりました。だからこそ、人と人が共鳴し、未来へ繋げていけるようにとの願いを込めて、ECHOと決めました。
今回はコロナの影響で、海外からアーティストや観客の来日が難しい状況でしたが、あえて開催に踏み切ったことで、思いに共感してくれる方が来場してくれ、良かったと思います。安全な環境を整備するために、会場にダイソンの空気清浄機「Dyson Purifier Cool™(ダイソン ピュリファイヤ クール)空気清浄ファン」を設置しました。

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――観客の反応はいかがでしたか。

仲西:会場に足を運んでくださった方は、今まで以上に展示作品を一つずつ真剣に、じっくりと見ていらっしゃると感じました。おそらくコロナ禍で、自分の目で直接アートを見るという行為に飢えていたのではないかと思います。そういう方々にKYOTOGRAPHIEが少しでも貢献できたのなら、非常にうれしいことです。

―― 世界遺産の二条城では、「2011年から今へエコーする」と題して、5人の作品が展示されました。

仲西:2011年の大震災は、10年経った今でも衝撃的な出来事です。そこで福島の現状をあえて二条城に展示しました。住民が逃げた後、繋がれたままの牛がかじった柱の写真は、まさに人間のエゴを表現しています。命を賭けて最前線で闘っているものの、メディアから注目されない人々に焦点を当てた写真や、自然災害に遭っても強く生きていくというメッセージを込めた竹のインスタレーションなど、多彩な表現で現状を訴えました。

ルシール:今までは目をふさいでいた問題も、パンデミックが起こった今だからこそ、意味をなすものだと思います。今回のパンデミックは人の考え方やマインドセットを少し変えたと考えています。
京都文化博物館別館のErwin Olaf(アーウィン・ オラフ)の写真もパンデミックに関連した作品でした。Sferaでは女性の性被害をモチーフにしたYingfei Liang(リャン・インフェイ)の展示があり、目を覆いたくなる作品もありましたが、たくさんの方が真剣に見てくださり、彼女のメッセージが響いたと感じました。パンデミックは、誰もが社会の問題を自分の問題として捉え、考えないといけないというムードを作りました。

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繊細な表現を支えたDyson Lightcycle Morph™ライト

―― 今回、様々な展示会場でDyson Lightcycle Morphライトをご使用いただきましたが、中でも両足院の展示が印象的でした。

仲西:両足院には、Thomas Dhellemmes(トマ・デレーム)というフォトグラファーが撮影した、希少な古代種の野菜の写真を展示しました。野菜の写真なので、できるだけ自然光だけで見せたかったのですが、暗くなると見えにくいという問題がありました。天井のライトでは違和感があったため、Dyson Lightcycle Morph™ライトを使用したのですが、その効果に驚きました。光のグラデーションが美しく、とても自然光に近い状態で作品を照らすことができました。
私は照明家として展示会場では自然光で足りれば、なるべく人工光は使わないようにしています。それは、作品よりもライトが目立ってしまうことが多々あったからです。しかし、ダイソンのライトはこういった嫌な主張がなく、位置を自在に調整でき、ほしいところに光が届くようになっていて、大いに役立ちました。

――一般家庭の照明については、どうお考えですか。

仲西:日本では、これまで部屋全体を照らすシーリングライトが大半でしたが、最近は、少しずつ間接照明を導入する家庭が増えています。コロナ禍で在宅時間が増え、自宅の環境を整える人が増えましたが、まだ照明を十分に意識していないケースが多いようです。不思議なもので照明を変えるだけで、私たちの気分は変わります。食事や読書、睡眠時など照明を意識すると、より豊かな生活になるのは間違いありません。
そういう意味では、Dyson Lightcycle Morph™ライトは、間接照明として使えるし、スポットライトにもなる。光量も色温度も調節できる。多機能な点が便利だと感じています。

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社会を考える入口にしたい

――来年KYOTOGRAPHIEは10周年を迎えますが、どんな構想をお持ちですか。

仲西:今年は震災10周年であり、社会へのメッセージを込めた作品を数多く展示しました。しかし、実際に誰もが社会問題について考えているかというと、そうではありません。これまで関心のなかった方への入り口をKYOTOGRAPHIEで作りたいと考えています。
写真祭というと、一方的に見せたいものを見せるのが一般的です。イベントを開いてもパネルディスカッションで終わる展示が大半でした。しかし私たちは、次につなげる必要があると考え、社会問題について誰もが話をできる機会を設け、専門家を招いて詳しくレクチャーをしたり、視座を広げる様々な企画を構想しています。

ルシール:KYOTOGRAPHIEは、写真家が作品を発表するプラットフォームとして設定しています。あえて枠組みを用意せず、何でもオープンな形にしたいと考えています。フォトフェスティバルだからと言って、必ずしも写真展だけである必要はありません。常に変化を恐れず、何にでも挑戦できるフェスティバルでありたいと考えています。

仲西:来年は10周年記念として、コロナ後の世界に向けて、KYOTOGRAPHIEをリスタート(再起動)できればと考えています。写真ファンだけでなく、世界中の全ての多様な人に対して、これまでも開催してきました。利益追求型の商業的なイベントではなく、インディペンデントの社会的なイベントだからこそできる挑戦です。どうぞ楽しみにしていてください。

―― ありがとうございました。

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Dyson Lightcycle Morph™ライト
1台で4つの照明モードで、一日中最適な光を照らすことができる照明。