【絶望のロースクール】~はじめに~
新シリーズです!
司法試験を受験するには現在法科大学院=ロースクールを卒業して受験資格を得るか,予備試験に合格し受験資格をえる必要があります。
法律や制度の建前で言えば法科大学院ルートが原則で例外的に予備試験があるという異なっています。もっとも周知のとおり法科大学院卒業者よりも予備試験合格者の方が,圧倒的に司法試験の合格率が高くなっています。そして,法科大学院では最低2年間,費用として学費だけでも2年で200万円以上がかかります。経済的時間的負担がかかる法科大学院を忌避し,確実に司法試験に合格する予備試験を優先して受けるのは必然のことと思います。
一方,学者や政府は法科大学院を前提とする行動をさも当然のように話しています。12月4日に弁護士会のシンポジウムで司法試験に関するものがありました。司法試験に関する題材のため当然に司法試験に限った話をするのではなく法科大学院教育や予備試験の存在,司法試験の現状の機能について話すものと私は思っていました。しかし,シンポジウムを聞いている中で予備試験の話は一言も触れられず,制度は当然素晴らしいもので受験生の質が低下している可能様な発言が見られ唖然としました。
加えて私の出身法科大学院より非常に悲しい文書が届きました。本来であれば内容をここで晒上げたいのですが,内容がないようなだけに差し控えます。かいつまんで話すと,司法試験制度の変化や3+2への移行を経ても法科大学院の入学者合格者数は減少しているのでお金で学生を釣りたいから寄付してください。学生はみんな法科大学院の魅力がわかってないのでお金で釣ります!みたない内容でした。
出身校の経営陣の無能さ,プライドの無さ,司法試験や予備試験制度への無知であきれてしまい目が回りました。
それでもなお司法試験制度の根幹にはロースクールがあります。
私は,ロースクール修了ですが,予備試験も最終学年に合格しています。奨学金の関係でロー卒の資格で司法試験は受験しております。卒業からもう5年近く経っていますが,受験生や種々の情報源から現在のロースクールの状況についてもある程度の知見はあると思います。
そうした立場の,しかも司法試験・予備試験を指導している者として法科大学院制度の闇をすコスづつでも話していき,実体の理解をして将来の進路選択の役に立ててほしい。そんな思いで本シリーズを開始しました。この後,司法試験の歴史についても書いてく予定ですのでかぶりも生じますがご愛嬌ということで。
最後に私は,法科大学院そのもの否定するつもりはありません。良質な教育,環境,やる気のある教員に学生,そうした環境があるとすれば法科大学院での教育は意味もあると思います。また,学生が予備試験に合格しなかった場合の受け皿として法科大学院という制度があることも重要だと思います。かつてはそれを修士課程などが補っていたことからすればという話ですが。
まぁでも,司法試験の受験資格じゃなければって話ですが(笑
ということで,今後は法科大学院の実態についてや3+2の実態についてのもろもろを発信していこうと思います!