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NSに聴く曲5選

(N) 日本の音楽を (S) 相対評価したいときに聴く曲。あるいは、(N) 日本発の (S) 世界市場で通用した/通用する曲

高橋幸宏、坂本龍一、と相次いで亡くなり、改めて YMO の偉大さを認識されたリスナーも多いのではないでしょうか。ぼくらは洋楽ロックにずっとルサンチマンを抱いてきた世代。「欧米に追いつけ追いこせ」で頑張ってきた辛酸の歴史に、ようやく終止符を打ったのが YMO でした。いっぺんに欧米を置き去りにして、世界の最先端へと躍り出ました。そんな哀悼の意も込めながらの 5曲です。世界で通用した/する和製サウンドをどうぞ。

☆Tong Poo☆

Title             Tong Poo
Artist           Yellow Magic Orchestra
Album       「Yellow Magic Orchestra」1978
Comment 世界の音楽シーンで認められ、逆輸入的に凱旋した YMO。テクノというジャンルを確立したのみならず産業技術先進国として日本のブランド・イメージをも世界に知らしめたのです。もっと評価されて然るべき。戦後の終わりを決定づけた象徴であり、日本の誇りです。

☆Unicorn☆

Title             Unicorn
Artist           渡辺香津美
Album       「TO CHI KA」1980
Comment 弱冠17歳でプロデビューした天才ギタリスト、渡辺香津美。79年の YMO ワールドツアーにもサポートで参加。フュージョンにはジャズのマイルド化の一面もあり、純粋なテクだけで勝負できる強者が日本からもゾロゾロでました。未曾有のフュージョン・ブームでした。

☆Zanzibar Breeze☆

Title             Zanzibar Breeze
Artist           泉 陸奥彦
Album       「Metal Gear Music Collection」2007
Comment DADAKennedy、などのプログレ・ユニットで斬新なギター&シンセを繰り広げた泉陸奥彦。「飯が食えないプログレ」からゲームの世界に活路を見出したのは、劇的で壮大な音楽性からも一理あったのです。ゲーム会社コナミ入社後は「ギタドラ」にコミット。根はギタリストです。シーンの表舞台から退くも、ワールドワイドなゲーム音楽で発揮された才能をこそ銘記すべき。クールジャパンの陰にプログレあり。

☆Saigo No Bansan☆

Title             最後の晩餐
Artist           mouse on the keys
Album       「Irreversible」2011
Comment この10年、たぶんぼくがもっとも聴いている/推しているバンドがこの mouse on the keys。元来はハードコア系のサウンドだったのが、ポストロック (マス) やジャズ的要素を取り込んでスケールアップ。複雑なアンサンブルが病みつきになります。未聴のかたは是非この機会に。

☆Heart Of The World☆

Title             Heart Of The World 
Artist           DESOLVE
Album       「CoMOVE」2023
Comment 若き才能集団 DESOLVE の最新アルバムから。フュージョンの正統派でありながら、新しい感性で各ジャンルを横断します。西欧コンプレックスのない世代だからこその素直さ・無邪気さに逆に未来を感じます。この種のサウンドがぼくの大好物なのは、もうご存じで。

今回、最終候補まで争ったのが、toe、LITE、Nuito、Sorma、BOOM BOOM SATELLITES、ONE OK ROCK。それだけ和製サウンドのレベルが上がっている、ということですし、ぼくが知らないだけで、もっと凄い日本のアーティストもいることでしょう。なにより、この日本 vs 世界という図式そのものがもう古いのだと思います。現在では、YouTube でも TikTok でも、昨日まで無名だった中高生が一夜にして世界の注目を浴びる、ってこともフツーに起こり得る時代ですから。もとより音楽に国境はないので、イイ時代になったなあ、と素直に喜びたいものです。ハイホー。

それでは、また。
See you soon on note (on Spotify).

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