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【ここの看板商品は?】あのドリアへの愛を語るように
ミラノ風ドリア。299円。
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焦げ付きそうなチーズの香ばしい香り、オーブンから取り出された瞬間の温かさ。
サイゼリヤのミラノ風ドリアは、私にとってただの一皿の食事ではなく、心まで満たしてくれる特別な存在です。
初めてミラノ風ドリアに出会ったことはあまり覚えていません。おそらく学生時代だったようなぼんやりとした記憶。
友人との食事で、看板商品だから、唯一知ってるメニューだからと軽い気持ちで注文した一品でしたが、一口食べた瞬間、私はその虜になりました。目の前の友人が熱がりながら、だけど凄く美味しそうに食べていたのを覚えています。
ミートソースの濃厚な旨味と、ホワイトソースのまろやかさが織りなすハーモニー。そして、熱々のチーズが口の中でとろける感覚。
後々知ることになるのですが、このホワイトソースは胸焼けしないよう「さらさら」に作られているそうです。
「さらさら」に作るのはかなりレベルの高い技術で、使用するバターの量が一般的なボデっとしたホワイトソースと全然違うと。かなりたっぷり使用されているのが秘訣だそうで、
「バターを増やすとしつこくなりそうなものですが、逆にキレがよくなります。だからお腹いっぱい胸いっぱいと言うより、満足感でいっぱいになれる、そういうホワイトソースを作りました」と以前なにかの記事で読んだ記憶があります。
たしかに、ペロリとドリアを食べたあとのおなかが、重たかったことはない気がします。
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味の素冷凍食品のギョーザ、チャーハン?
カルビーのかっぱえびせん、ポテトチップス?
meijiのきのこの山、たけのこの里?
選ぶ看板商品が人によって違うのは、
そのもの自体の優劣だけじゃなく、思い出効能が大きく作用していると思います。
思い出って、いつまでも覚えていられないけれど、
肝心な時に忘れちゃうかもしれないけれど。
一方的な「これ看板商品です」がなぜ成就しないのか、
それは誰かの思い出にならないから。
看板になれるかなれないかは、受け取る方の思い出の、積み重ねられた量なのかなと考えた、サイゼリアの夜です。
思い出の積み重ねすら、生成AIが代行する時がくるのでしょうか。
プレゼント・ギフト研究員のさきぽんでした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。