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NIKKE研究各論(32)なおりはしないが、ましになる

註 今回は発達障害について論じていますが、当該キャラクターの行動が近いのではというだけであり、公式で明らかになっているわけではありません。
他のキャラも含め安易なラベリングはしないよう、予めご了承ください。

 先日より宝ものシステムが実装された。これはニケ達の能力を向上させる効果と、そのニケの深掘りを行うことが出来るのだ。(ただし指揮官のぬいぐるみを手入れすると言うのがすさまじく不評を買っている)
 その対象キャラのひとり・プリムの宝ものストーリーのネタバレによると、人間だった頃はすごく真面目だったが今はぐーたらものぐさニケになったのだとか。見事に価値観が逆転してますなぁ。

 そんななか、新しいイベントの主人公はクレイ!

明るく元気なチアリーディング部隊所属
クレイの過去が明らかに!?

 彼女は運動音痴であったため、とある仕事を辞めチアリーディングチームに入った訳だが、そこでも上手く踊れなかったりを繰り返す。彼女はその分、盛り上げる能力は高かったのでベイが加入を認めた(なおリワインド部隊はその時解散の危機を迎えており、更に以前は採用担当は別人だったためクレイは審査を落とされまくっていた)が、とある大会前の特訓時にはミスしまくるは遅刻はするはで流石のベイもブチギレモードに!
 この時は指揮官と、臨時で助っ人を引き受けたポリが仲裁したので仲直りし、見事な演技を披露することが出来た。
 さて、今回はベイが検査入院するのでひとりでパフォーマンスすることになるのだが、上手くいかずチームの信用問題(もともとベイの問題でチームメイトの脱退が相次ぎ、死に体になっていた)が再燃してしまう。堕ちに堕ちたリワインドは地下闘技場で応援しなければならなくなったが、そここそがクレイが昔働いていた場所だったのである!
 ちょうどそこではニケのミルクが趣味と実力アップを兼ねて参戦していたのだが、相変わらず(キャラスト参照)彼女はクソ雑魚ナメクジだったりしていた。しかしクレイはそんなミルクのトレーナーになるのだ!

逆境をバネに
最近はそれなりに勝てるようになったようだ。

 長いあらすじであった。ここからが本題です。
 
 クレイって発達障害の気がない?

 発達障害とは、広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達に関係する障害である。発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手だが、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害だ。
 発達障害は非常に範囲が広いが、大まかに分けた場合だと3〜4種類に分けられる。
 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、気が散りやすくてすぐに行動に移してしまいがちな特性だ。うっかりも多く、なくしものが多かったりする。
 自閉症スペクトラム障害は、逆に常同行動(おんなじ事を好んでし続ける)が多く、コミュニケーションの取り方に難がある。自分の世界が第一でこだわりが強すぎるタイプだ。
 学習障害は前ふたつとはだいぶ違って、読み書き計算のうちのなんかが極端にできない。ひらがながどうしても覚えられないとか、漢字が上手く書けないとかである。
 アスペルガー症候群は発達障害の中ではよく聞く存在かもしれない。これはコミュニケーション・対人関係・社会性の障害であり、パターン化した行動、興味・関心のかたよりがある。NASAとかに沢山いるイメージで、特定分野をしゃべらせたら天下一品(というよりそればっかりになる)といった感じだ。自閉症スペクトラム障害などと合わせて広汎性発達障害とまとめることも多い。
 このほかにもベスティーちゃんがよく吃っていることで有名な、吃音も発達障害に含まれる。
「ぼ、ぼ、ぼくはおにぎりが好きなんだな」のセリフで有名な画家・山下清は幼少期の病気の後遺症で知的障害などになったが、発達障害の中には軽度の知的障害が見られることもある。
 これらはハッキリ出てくることもあれば、あれやこれの合いの子みたいなカタチになったりとあやふやなものもある。
 これらの特性が出る発達障害だが、原因はハッキリしないものの脳の機能に偏りがあるからだと言われる。なので、薬によってある程度その偏りを健常者(あえてこう書く)のように近づけることが可能だ。前々回の各論でやった麻薬のうち、アッパー系のものの中には向精神薬が含まれる。メチルフェニデート系のリタリンは鬱病に効くものの薬物依存を出しやすく麻薬代わりに転売されたり殺人事件にまで発展したこともある。そのため、発達障害向けにはゆっくり長く効く抑えめのコンサータ(だがこれも強めの部類のようだ)やストラテラなどが処方される。ちなみに体質によって合う合わないがあり、相性や仕事の都合によって服用の是非を決める必要がある。薬自体も高価である。(自治体で補助を受けられる場合がある)
 今回のタイトルはカレー沢薫先生の同名漫画のタイトルで、診断が出て薬も出たが、嘔気や食事が美味しく無くなる副作用などで服用を中止したようだ。

 さて、何故クレイが発達障害に見えたのかを順を追って説明していこう。
 第一に、運動が苦手だ。発達障害では不器用さが伴う場合がある。何度も同じ個所で転んだりする彼女は疲れもあるだろうが、根本的な運動の才能が見えにくい。
 第二に、集中力がありすぎる。失敗を繰り返すので全体練習後もトレーニングをし続ける彼女。だがそれゆえに限界までやり続け体力をすり減らし、起きれなくなって遅刻が目立つようになる。こういう状態を過集中というが、そうなると却って周りが見えなくなるし、集中したぶん疲れもひどくなるのだ。ADHDや自閉症によくみられる。

真面目すぎるので逆にミルクの反感を買うことに。

 第三に、コミュニケーションが苦手だ。持ち前の明るさで見えにくいが、空気が読めていないシーンが少なくない。動揺して病院で騒いだり、トラブルが発生したのにベイに相談しない。上記のように正論を言うのはいいがしつこくなって相手を怒らせることもあるのだ。
 海外版の紹介文にすら、「協調性の低さでオーディションに多く落ちたけれど、彼女は意志あるところに道はあると固く信じている」と書かれている。

 これらによって、クレイは失敗を続けてドンドンとネガティブになっていく。学習性無力感と言うやつだ。これが続くと何やってもダメだと考えだして鬱や自殺の原因にもなりかねない。

 しかしこれは負の側面であって、プラスの面ももちろんある。
 彼女は体力には自信があるというようにバイタリティに溢れている。また、向いていないと判断すれば別の方法を取ろうとするフットワークの軽さもある。昔の杵柄で格闘技の知識を披露し、恐るべき集中力でミルクの戦闘解析をして綿密な訓練スケジュールを作り上げた。専属マネージャーに向いているとミルクが太鼓判を押すほどだ。

 発達障害で言う障害とは、社会生活上でうまくやれるかやれないかに他ならない。この特性について双方が理解を深めれば深めるほど素晴らしい成果が生まれることを忘れてはいけないのである。

 おっと、これが結論だと思ったでしょ?私も綺麗にまとまってたので一瞬そう思った。しかし冒頭のプリムの話と繋がりませんよね?
 そう、ニケになるということは、無意識下の自身の理想型になるということを意味する。運営もそう言ってる。


 プリムがああなりたいと思ってたから今グータラなのならば、なしてクレイちゃんはうんちになって空気の読めないニケになっているんだという強烈なカウンターパンチがそこにはあるのだ!
 
 吃音持ちのベスティーは、ニケになる前も同様に吃音で、それゆえに学友にいじめられていた過去がある。脳は人間のまま変化がないならあり得る話だ。
 逆にプリムの場合は真面目に不真面目してるだけなのかもしれないし、クレイもニケになる前は全く別の特性を持っていたのかもしれない。私は残念ながらクレイをガチャで引けなかったのだが、生前話があったらぜひ読みたいものだ。

 最後に漫画のリンクをペタリ。試しに読んでみて下さい。


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