処女婚活🧟‍♀️1人目_ガンダムさん

31年間恋愛経験0、友達にも親にも恋愛をしたことがないことを必死に隠しながら生きている女。
見栄とプライドを捨てきれず生きづらい日々を送っているでござい。

20代前半は全く結婚願望はなかった。
友達と旅行へ行ったり、鹿を探すためドライブをしたりと男っ気はなかった。男より友だちといる方が楽しい！って思っていた。
でもこの意識が変わったのは20代後半だ、わたしを取り巻く環境が変わりだした時期。

みんな、結婚結婚結婚。ご祝儀配りレディに変貌しなければならなかったわたしはこの時ふと思った。

「自分のことずっと愛してくれる人がいるのって一生無敵ってコト？」

年齢を経るにつれ友達も減り、仕事のストレスを抱えながら帰宅する毎日。帰ったら自分のことを慰めてくれる私だけの味方がいるほうが人生楽しいなと思ったのだ。
(あとなんだかんだいって圧倒的に既婚者の数が多い日本で、世間の目を気にしてしまう自分がいたからだ。)
(あの人誰からも選ばれなかったんだと思われるのが切ない)

ここからご祝儀配りレディから婚活戦士に進化した。
「たくさん出会うぞ♡」と甘い考えで臨んだ婚活だったが、自尊心をぶち壊される戦争だったということに後々気づいた。
そして婚活を行っていると自分の価値を改めて見返せるのでメンタルも強くなる。(毎日後悔して枕殴ってた)

自分磨きをサボっていたから痛い目を見るのは当たり前だった。だからこそわたしはわたしに見合う人を見つけることに決めた。高望みはしない、自分が高い女だと思わないから。

なので、生きてるならいい、仕事しているならいい、欲を言えば身長170㎝あればいい。
絶対に素敵な方を見つけて、絶対に今年こそ結婚する！という誓いをここにたてる✝️


🤍2024.01.28 某喫茶店
お会いする相手 ⚡︎ ガンダムさん(37歳)
友達からの紹介 / 機械の設計士 / くたびれた刑事みたいな出立ち / 藤井聡太似

意気込んで30分前に入店。当たり前だが、相手まだ居らず。
緊張のため早くに駆け出してしまった自分は、バックに忍ばせてきたBL本をこそこそと読む。(学生時代に鍛えてしまった机の下で読む技術をここで全力発揮)

InstagramやXはわたしを病ませるのにBL本は生きる活力をくれる、現代のビタミン剤に成り上がったのだこのすけべな本たちは。
口元のニヤケが抑えきれない中、20分後にガンダムさんが到着。
そっと、しかし瞬時にBL本をお尻の下に隠し、挨拶。

「ごめんなさい、待ちましたか？」

開口一番にわたしに対して気遣いの言葉。感動した。
最近、仕事場で可愛いギャルがもてはやされているのを横目で見ていたわたしにとっては、王子様に見えてしまった。

「さっき来たばかりです、気にしないでください」
「すみません、ありがとうございます。」

堅苦しい挨拶を交わし、先に注文を決めようとメニューを眺める。
「これおいしそう」「これおすすめですよー！」なんて言葉も交わせず黙々とメニューを眺める2人。(まわりから聞こえる賑やかな声がなおさら2人を際立たせる、まじで)


「僕これにします」
「じゃあ私はこれ」

アイスコーヒーとホットココアを頼む。
注文を決めるたらお互いぎこちなく顔を合わせ、改めて挨拶。
31歳処女であるわたしにとって会話の引き出しはほぼない。消すカス並の話題は考えてきたが、相手の出方を待つことに決めた。

恐ろしいことにそれは相手も同じだった。わたしの出方をひたすら待っている、ちくしょう。

「なんか緊張します、こういう場って初めてだから、、、。」

わたしはあえて照れながら言った。こうすれば可愛く見えるってXに書いてあったので早速使ってみた。
本当だったら「藤井聡太くんに似てますね〜！将棋できるんスか？」なんてつまらねえジョークを飛ばしてやりたかった。

「僕もなんですよ、どこに住んでるんですか？」

恋愛初心者はみな、住居の話に向かってしまうのか？　すーぐ「どこらへんに住んでますか？」と家を特定しようとするこの行為は正解なのか？
ちなみにわたしもすぐ特定しようとしてしまう。共通の話題探しに必死なのだ。

「私は〇〇らへんです、ガンダムさんは？」
「僕は〇〇らへんなんです。」
「あー、あそこら辺なんですね！」

はい、終わり。話の広げ方がわからない。2人ともその続きがなくて黙っちゃった。
有名な観光地であればそっちの話ができるが、カントリー住まいの2人の近所に盛り上がる要素はない。

帰宅後、「合コン　話題」で調べたら、地元あるあるネタをぶちかませばよかったらしい。
ねえよ、あるあるを誰もが持ってると思うな。

「ご趣味はありますか？」

何話していいかわからないうえに相手が黙ったままなので無難な質問をぶつける。「これで将棋です！とか言い出したらおもろいのになー」といつまでも藤井聡太くんに取り憑かれているわたし。

しかし、この話題が当たったらしくこれを機にガンダムさんは豹変する。

「僕昔からガンダムが好きで！今度ガンダムSEEDの映画もやるから3回は見に行こうと思ってるんです！」

やばい、ガンダム分野はズブの素人や！そう思いながら相槌を打つ。ガンダムさんはアムロから視聴しているとのことで、歴代のガンダムについて丁寧に解説してくれた。わたしはただうんうん頷くだけ。
でも心の中では喋りっぱなし。
(もし結婚したらこの話を永遠に聞くのか、、)
(ノータイムで話してるけどこれわたし必要？)
(やばい時間ばかり気にしちゃう)

1時間半で切り上げようと考え、でも相手を不快にさせたくなくてニコニコと笑うわたし。

「いつからガンダム好きなんですか？」
「生まれた時から笑！」

仲良い友達だったら、「笑えねえって」と一言言えるが初対面だとそうはいかず。「えー!生まれた時からなの？おもしろい！」とキャバ嬢と社長みたいな接待コミュニケーションになってしまっている。

わたしが思うに、キャッチボールがきちんと出来る方がコミュニケーション能力が高いと思う。
「ガンダムが好きなんですね」と言われたら「そうなんですよ！〇〇さんの好きなものは？」「わたしは〇〇が好きです。ガンダムのこともちょっとだけ知ってます」「ガンダムの話できるの嬉しいです！僕も〇〇に興味があって、、、」
かなり端折ったテンプレみたいな文を例にあげたが、つまりは相手のボールを受け取ったらきちんと投げ返すこと・変化球としていろんな角度から話を広げてみることが会話の場で大事だと思ってる。
ガンダムさんは豪速球をわたしに投げてくるだけ(わたし、もっと愛されたい、、、)

笑えるくらいガンダム色になってお開き。ガンダムさんはわたしの住所と好きなことくらいしか情報を得られていないはず。かたやわたしはガンダムさんの住所、家族構成、仕事、なぜガンダムが好きか、好きな機体、好きなキャラ、ガンダムSEEDの映画を3回いくこと。の情報をゲット。

情報量に差がある時点でコミュニケーションがうまくいってないことがわかる。あと相手がいかにわたしに興味がないかを。

帰るの車でウルトルソウルｯｯ！を流しながら帰宅。

最低限のコミュニケーションを取れる方、を結婚条件に追加した。