【仕事編:1】初日、かつて無い環境
間に合うかな、大丈夫かな、此処でいいのかな。
海外の豪邸にあるような門を通って、しばらく進むと、これまた立派な建物の前に、一台の救急車が停車していました。
あぁ、此処は、わたしの選んだ『医療福祉業界』は、こういうことが当たり前にあるところだった。
1ヶ月ほど離職して、すっかり忘れていたようで、そのことが、さらに衝撃でした。
だからさっさと現場を離れたいのです。
だから、現場と少し距離がある、事務職に就きたかったのです。
早々に厳しい現実に頭を殴られ、ワタワタしながら支度を済ませ、朝礼で挨拶をし、同期の方々と施設外説明に。
駐車場と繋がる見事な坂は、まぁ、運動不足にはいい刺激となりました…。
同期とは各部署で分かれ、いざ業務へ!
…と思いきや、この日は予防接種やら、通院介助やら、てんやわんやの大忙し。
新人に物を教えている余裕は無いのです…。
何か手伝えることはありませんか、と勇気を出して尋ねてみても、座っていていいよ、と忙しなく往復している先輩方に、これ以上は声をかけられず。
ひとりだけ、トイレットペーパーの場所を教えて下さった先輩がいたので、ペーパーが欲しくて訪ねてきた利用者さまに、お渡しすることが出来ました。
その後、リーダーさんとご挨拶をし、マニュアル読み、シフト決めて、施設内見学をひと通りして、昼食の食介へ。
いよいよ利用者さまと本格的に関わる…!と、緊張と不安と気合とが織り混ざったわたしの視界に、今まで、どの現場でも見たことの無かった光景が飛び込んできました。
昼食の介助が終わって昼休憩。
夜勤帯が業務をやりやすいように、備品を準備して、掃除の時間まで、お部屋を一緒に回らせてもらうことに。
そして此処でも、厳しい現実に頭を殴られることとなりました。
掃除をして、施設内をもう一度回って、間違えやすい部屋を見せてもらって、昼食時と同じ光景が広がる夕食食介をこなし、退勤のやり方を教わって、初日は終了。
まずは利用者さまの名前を覚えるところから、頑張ろうと思っています。
…翌朝、景気よく咳き込み、自分の咳と喉の痛みで起床することに。
【続く】
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
おひま潰しにでもなれたら、嬉しいです。