ペンローズの〈量子脳〉理論 ―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫) 文庫 – 2006/9/6ロジャー ペンローズ (著), Roger Penrose (著), 竹内 薫 (翻訳), 茂木 健一郎 (翻訳) Amazonレビュー

大変面白く読みました。脳が量子コンピュータである必要性は、純粋に、計算量から来ると思います。
2021年3月10日に日本でレビュー済み
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大変面白く読みました。脳が量子コンピュータである必要性は、純粋に、計算量から来ると思います。
脳は、数百ミリ秒で 行動を選択します。その際、大規模なボトムアップ述定候補集団を生成し、そこから 相対的に尤もらしい 1つのボトムアップ述定候補を選出します。
ボトムアップ述定候補集団は、組み合わせ爆発を起こしているので、膨大です。それを生成するには、大規模並列計算が必要です。脳のサイズはグレープフルーツ程度しかありません。そのような大規模並列性は、コヒーレントな(/干渉可能な)量子論的多世界でなければ無理です。量子論的多世界では、それぞれのマクロ的世界に脳が1つづつ存在して古典マシンとして動作します。そして、1つづつボトムアップ述定候補を生成します。
また、最終的に、大規模なボトムアップ述定候補集団から、相対的に尤もらしい 1つのボトムアップ述定候補を選出する計算量も膨大です。そこでは、量子論的な波動関数の収縮が有用です。こうして、ゲーム理論に於ける確率的混合戦略に従う行動を導きます。
※波動関数の収縮とは、"自我(/意識)"が、多数のマクロ的世界集団の"重ね合わせ状態(/スーパーポジション)"から 1つのマクロ的世界へ 非決定的に ジャンプするように経験するという現象です。行動系が脳(/知覚系)の"知覚状態(/述定状態)"を参照(/観測)するときに波動関数が収縮します。

※※以下、蛇足です。
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●11:05 2023/03/16
◆知覚処理サイクル(数百ミリ秒サイクル)に於いて、脳の一時的(数百ミリ秒間)な「量子もつれ状態(/局所多世界共存状態/モナド状態)」が「意識」を持つ。
◆「意識内容」は、すべての「局所世界」で共通な{「直接述定(/感覚)」+「記憶述定(/脳が持つ記憶の内容)」}である。
これは、次の『意識程度加算仮説』で説明できる。

◆局所多世界状態(/量子もつれ状態)では、各「局所世界#i」での「仮説述定#j」について、「意識程度#j#i」=「仮説述定値#j#i」✕ε が加算される。ここで、「仮説述定値#j#i」= -1(/F)/+1(/T) とする。すると、「仮説述定値#j#i」= -1 であるiと、「仮説述定値#j#i」= +1 であるiとは同数なので、打ち消し合って加算結果は"0"に成る。結果、「仮説述定#j」は"意識"に上らない。
◆「直接述定#j」については、「直接述定値#j#i」=「直接述定値#j#0」である。故に、加算結果は、「直接述定値#j#0」✕ε✕N である。ただし、ε:意識量子定数、N:局所世界総数。
ε✕N =1とすると、加算結果は、「直接述定値#j#0」である。
結果、「直接述定(刺激)#j」は"意識"に上り、「述定値#j」=「直接述定値#j#0」である。
◆「記憶述定#j」については、「記憶述定値#j#i」=「記憶述定値#j#0」である。故に、加算結果は、「記憶述定値#j#0」✕ε✕N である。ただし、ε:意識量子定数、N:局所世界総数。
ε✕N =1とすると、加算結果は、「記憶述定値#j#0」である。
結果、「記憶述定(刺激)#j」は"意識"に上り、「述定値#j」=「記憶述定値#j#0」である。
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