意識はどこから生まれてくるのか 単行本 – 2021/7/27マーク・ソームズ (著), 岸本 寛史 (翻訳), 佐渡 忠洋 (翻訳) Amazonレビュー
「自由エネルギー原理(フリストン理論)」の非常によい説明になっています。
2021年11月22日に日本でレビュー済み
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「自由エネルギー原理(フリストン理論)」の非常によい説明になっています。
ヤコブ ホーヴィ『予測する心』が「自由エネルギー原理(フリストン理論)」の知覚寄りの説明になっているのに対し、本書は行動寄りの説明になっています。
特に重要な点は、生物学的な「欲求」を「予期」と考えることです。つまり、「欲求」とは、発展シナリオを「予期」することです。脳の領野は、感覚系領野も運動系領野も、すべて「予期」するという機能で説明されます。一次運動野は、一次体性感覚野の これからの状態を「予期」します。行動系は、一次運動野の「予期」が当たるように行動します。
感覚系領野も運動系領野も、ある状況特徴集団について、現状の検出を行ない、自己の世界モデル(因果モデル,予期モデル)に基づいて これからの検出の予期を行ないます。この予期が当たるように 自己の世界モデル(因果モデル,予期モデル)を修正します。
※世界モデル(因果モデル,予期モデル)は、文脈モデルです。
※過去に行なった予期の記憶と、実際の検出とのギャップ(予期誤差)が自由エネルギーです。自由エネルギーを小さくすることが生物の目標です。
※脳全体による 状況特徴集団についての 検出+予期 の表示は、発展シナリオの表示と見做すことができます。
※行動系は、発展シナリオ通りに実際状況が発展するように行動します。
※領野の予期誤差を小さくするための調整方法は、2つあります。第一は、領野が持つ世界モデル(因果モデル,予期モデル)を調整することです。第二は、その領野より後ろの 行動系までを含む部分系による行動を調整することです。感覚系領野では、第一の方法が有力であり、前頭前野以降の運動系領野では、第二の方法が有力です。感覚系領野の世界モデル(因果モデル,予期モデル)は、法則の知識と見做せます。運動系領野の世界モデル(因果モデル,予期モデル)は、適応的反応の知識と見做せます。
※※以下、蛇足です。
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◎7:11 2023/03/21
●『意識程度加算仮説』
◆知覚記憶サイクル(数百ミリ秒サイクル)の知覚フェーズに於いて、脳の一時的(数百ミリ秒間)な「量子もつれ状態(/局所多世界共存状態/モナド状態)」が「意識」を持つ。
◆「意識内容」は、すべての「局所世界」で共通な{「直接述定(/感覚)」+「記憶述定(/脳が持つ記憶の内容)」}である。
これは、次の『意識程度加算仮説』で説明される。
◆局所多世界共存状態(/量子もつれ状態)では、各「局所世界#i」での「仮説述定#j」について、「意識程度#j#i」=「仮説述定値#j#i」✕ε が加算される。ここで、「仮説間接述定値#j#i」= -1(/F)/+1(/T) とする。すると、「仮説間接述定値#j#i」= -1 であるiと、「仮説間接述定値#j#i」= +1 であるiとは同数なので、打ち消し合って加算結果は"0"に成る。結果、「仮説間接述定#j」は"意識"に上らない。
◆「仮説直接述定#j」については、「仮説直接述定値#j#i」=「直接述定値#j」である。故に、加算結果は、「直接述定値#j」✕ε✕N である。ただし、ε:意識量子定数、N:局所世界総数。
ε✕N =1とすると、加算結果は、「直接述定値#j」である。
結果、「直接述定(刺激)#j」は"意識"に上り、「述定値#j」=「直接述定値#j」である。
◆「記憶述定#j」については、「仮説記憶述定値#j#i」=「記憶述定値#j」である。故に、加算結果は、「記憶述定値#j」✕ε✕N である。ただし、ε:意識量子定数、N:局所世界総数。
ε✕N =1とすると、加算結果は、「記憶述定値#j」である。
結果、「記憶述定(刺激)#j」は"意識"に上り、「述定値#j」=「記憶述定値#j」である。
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