無視された聴衆 現代音楽の命運 ペーパーバック – 1998/12/10原 博 (著) Amazonレビュー
現代音楽は、クラシック音楽とは、明らかに、別のジャンルの音楽です。
2023年4月8日に日本でレビュー済み
◎9:45 2023/04/08
現代音楽は、クラシック音楽とは、明らかに、別のジャンルの音楽です。
私は、大学時代から45年以上、現代音楽を聴いています。最近は、もっぱら、youtubeで最新の現代音楽を楽しんでいます。ちなみにクラシック音楽も聴きます。
無調音楽(/現代音楽)と調性音楽(/クラシック音楽)とでは、明らかに、「楽しみ方」が違います。無調音楽(/現代音楽)を楽しむには、「慣れ」が必要ですが、慣れれば楽しめることも事実です。
現代音楽の聴衆は、世界的に着実に増えていますが、未だ、極めて少数派です。これはyoutubeの動画を視聴していると よく分かります。youtube上で頻繁に開催されているライブ(日本で視聴すると通常夜中)の聴衆も通常一桁です。
※以下、蛇足です。
●現代音楽とは何なのか?/以下、私見を述べたと思います。
●"美学的公理系"について(1)
◆シェーンベルクが成し遂げたことは、"美学的公理系"という考え方によって うまく説明できる。
シェーンベルクは、クラシック音楽の"美学的公理系"に対し、新たな公理群を付け加えたのではなく、一部の公理群の入れ替えを行なった。その結果、「新たな公理系」は、「既存の公理系」と矛盾するようになった。結果として、「既存の公理系」に基づくと醜かった作品が、「新たな公理系」に基づくと美しくなった。
◆しかしながら、「新たな公理系」は、「既存の公理系」と矛盾しており、多くのクラシック音楽リスナは、「新たな公理系」を受け入れていない。
●"美学的公理系"について(2)
◆"美学的公理系"は、現在の"クラシック音楽"と"無調音楽(/現代音楽)"とについてのリスナ,音楽専門家を含む状況をうまく説明している。つまり、互いに矛盾する2つの公理系が存在している。"調性音楽公理系"と"無調音楽公理系"とである。◆この2つは互いに矛盾するため、双方を包含する公理系は存在しない。
◆"調性音楽"と"無調音楽"との双方を楽しむリスナは、無意識に"モード"を切り替えて聴いている。
◆"無調音楽"を聴くモードを持たないリスナは、"無調音楽"を理解しない。つまり、"無調音楽"を美しいと知覚しない。
◆"無調音楽"を聴くモードは、意志的に作品を聴く経験を経ると 自動的に獲得される。学校教育等で経験を持つと有効である。
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