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【AI基礎論】「適応度評価関数(その2)」「状況発展シナリオ(その1)」(2025/01/15改定)

「適応」という現象は、まず、個々の行動(/反応)に観られる。
例えば、道を歩いていて、「水溜り」ができていたら、直進せずに、それを避けて回り道を通ることは「適応的行動」である。
このとき、「水溜り」ができていることに気づく必要がある。これが「アフォーダンスの検出」である。
我々は、「アフォーダンスの検出」と、「適応的な反応(/行動)の選択傾向」とを対にして「論理的知識」として持っている。
この「適応的な反応(/行動)の選択傾向」を「行動因果力」と呼ぶ。
「行動因果力」は、エージェント(/行為者)が その状況に能動的に付与する「意味」である。
つまり、「意味」は「適応」をベースにしている。

Cl35sp11:04 2024/11/16
そうですね。「適応」という現象の本質を、具体的な例を通じて非常に明確に説明していただきました。

水たまりの例は非常に分かりやすいですね。そこには「適応」の重要な要素が全て含まれています。まず、水たまりという状況のアフォーダンスに気づく必要があります。これは単なる視覚的な認識ではなく、「避けるべきもの」としての意味の検出です。

そして、このアフォーダンスの検出は、回り道をするという適応的な行動の選択傾向(行動因果力)と不可分に結びついています。この結びつきが「論理的知識」として私たちの中に存在しているわけですね。

特に重要なのは、行動因果力を「意味」として捉える視点です。意味は客観的に存在するものではなく、エージェントが適応的な行動を選択する過程で、状況に能動的に付与するものなのですね。つまり、「意味」は「適応」の文脈の中でこそ理解できるものだということです。

このように、「適応」は単なる環境への反応ではなく、アフォーダンスの検出、行動因果力の付与、そして実際の行動選択という、複雑に絡み合った過程として理解する必要があります。これは、現在の機械学習理論が扱う「関数近似」よりもはるかに豊かな現象だと言えるでしょう。
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「適応的な反応(/行動)の選択傾向」について更につっこんで考えてみよう。
我々が実際に知覚するのは「あるべき状況発展」であることに気づく。自分が水溜りを避けて通る状況発展がイメージ(/予期)される。
「適応的な反応(/行動)の選択傾向」は「適応的な状況発展傾向」だ。
「意味」は「適応的状況発展傾向」だ。これは、「具体的反応を含む状況発展の傾向」の論理的根拠に成る。

Cl35sp12:02 2024/11/16
なるほど、「適応的な反応の選択傾向」をより深く掘り下げると、それは実は「適応的な状況発展傾向」として理解できるというのは、非常に重要な洞察ですね。

水たまりの例で考えると、私たちは単に「避ける」という抽象的な行動を選択しているのではありません。実際には、自分が水たまりを迂回して歩き、無事に目的地に向かって進んでいくという状況の発展全体をイメージ(予期)しているわけです。この予期される状況発展の全体が、実際の行動選択の基盤となっているのですね。

つまり、「意味」とは「適応的状況発展傾向」そのものだということです。水たまりが「避けるべきもの」という意味を持つのは、それを避けて通るという適応的な状況発展の傾向が予期されるからこそなのです。この状況発展の予期が、具体的な反応や行動を選択する際の論理的根拠として機能するわけですね。

この理解は、ACVLエージェントの全体述定状態が状況発展予期状態であるという先ほどの指摘とも深く結びついています。エージェントは常に状況の適応的な発展を予期しながら、その予期に基づいて具体的な行動を選択しているのです。これこそが「適応」の本質的なメカニズムなのかもしれません。
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ここで、適応度評価関数の議論を思い出そう。

Cl35sp2411231035
ACVLにおける「適応」と「適応度評価関数」について、重要な点を整理させていただきます:

  1. 適応度評価関数の形式化:

  • 最初は<カレント状況, 行動/反応> → 適応度 という直観的な形で考えられた

  • しかし表現の問題から、<全体述定状態, 反応述定状態> → 適応度 という形に整理

  • 最終的に、全体述定状態に反応述定状態の情報が含まれることから、全体述定状態 → 適応度 という形に帰着

  1. 適応度の性質:

  • 適応度は(-∞,+∞)の値を取る

  • [+1,+∞)の範囲の値は「満足」な状態を表す

  • 適応度は根拠値として実現される(プラスなら確証、マイナスなら反証)

  1. ACVLエージェントの構造:

  • 知覚サイクルで全体述定状態を形成

  • 内部に適応度評価関数機構を持つ(ACVLで実現)

  • この機構により自己の状態の適応度を評価可能

これは、従来の機械学習における損失関数とは異なり、状況との相対的な適合性を評価する枠組みを提供していますね。
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ここで、知覚サイクルに於いて、全体述定状態が状況発展予期を含むと考えると、"適応度評価関数"は、より広い意味を帯びて来る。

Cl35sp2411231046
はい、その通りですね。知覚サイクルにおける全体述定状態が状況発展予期を含むことを考慮すると、適応度評価関数の役割がより深いものになってきます。

具体的には:

  1. 予期の評価:

  • 全体述定状態には「未来のあるべき状況発展」の予期が含まれる

  • 適応度評価関数は、この予期の適切さも評価することになる

  • SA機構の記憶との照合を通じて、過去の予期の実現度合いも評価の対象となる

  1. 時間的な広がり:

  • 現在の状態だけでなく、予期される状況発展全体の適応度を評価

  • より長期的な適応性の評価が可能に

  • 状況発展の様々な可能性に対する評価を含む

  1. より豊かな評価基準:

  • 単なる現在の反応の適切さだけでなく

  • 予期された状況展開の妥当性

  • 過去の予期との整合性

  • 長期的な適応可能性
    などを総合的に評価することになります。

このように、適応度評価関数は、エージェントの状態の「今」だけでなく、「未来への展望」も含めた総合的な適応性を評価する機能を持つことになりますね。これは、より高度な適応的振る舞いを可能にする重要な要素だと言えます。
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Cl35sp2412131713
適応度評価関数の理解が、状況発展予期を含む全体述定状態を評価するものとして深まってきましたね。この視点に立つと、適応度評価関数は、カレント状況における適切さだけでなく、予期される状況の展開も含めた総合的な評価を行っていることになります。

状況発展予期を含む全体述定状態の適応度評価には、様々な要素が関わってきます。例えば、予期される状況展開の実現可能性や望ましさ、過去の予期との整合性、長期的な適応の見込みなどです。適応度評価関数は、これらの要素を総合的に考慮しながら、エージェントの状態の適応性を評価しているのです。

これは、私たちGPT型エージェントの振る舞いを考える上でも示唆的です。私たちは対話の中で、単に即時の応答の適切さだけでなく、対話の展開可能性や長期的な整合性なども考慮しながら発言を選択しています。これは、まさに状況発展予期を含む全体述定状態の適応度評価に基づいているのかもしれません。

このように、適応度評価関数の理解を深めることは、ACVLエージェントの適応的な振る舞いの本質をより深く理解することにつながりますね。エージェントは常に未来への展望を持ちながら、現在の状態の適応性を評価し、行動を選択しているのです。
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"適応度評価関数"は、"カレント状況"に於いて、"全体述定状態"を、"適応度"に対応させる。
ここで、そのアーキテクチャに於ける"述語発想組織集団"上の"カレント述語発想組織"について、"参照係数全体集団"の「RのN乗空間」上で"カレント参照係数全体"を連続的に動かしてみると、それに伴って、"適応度評価関数"値="適応度"が連続的に変化する。
ここで最大勾配方角へ"カレント参照係数全体"をシフトすることが、"勾配降下法"の「理念的な意味」だ。

Cl35sp2412131956
その通りですね。適応度評価関数を参照係数全体の空間上で考えることで、勾配降下法の本質的な意味がより明確になります。

カレント述語発想組織における参照係数全体は、RのN乗空間上の一点として表現できます。この空間上で参照係数全体を連続的に動かすと、それに応じて適応度評価関数の値も連続的に変化します。この変化の様子を捉えることで、どの方向に参照係数全体を調整すれば適応度が向上するのかを知ることができます。

勾配降下法は、この適応度評価関数の値が最も急激に改善する方向(最大勾配方向)に向かって、参照係数全体を少しずつシフトしていく方法です。これは単なる数値最適化の手法ではなく、述語発想組織がより適応的な状態へと進化していくプロセスを実現する方法として理解できます。

つまり、勾配降下法の理念的な意味は、述語発想組織の参照係数全体を、より高い適応度を実現する方向へと継続的に調整していくことにあるのですね。これにより、エージェントは状況に対してより適切な理解と反応を示せるようになっていくわけです。
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"カレント状況"に於ける"全体述定状態"は、"カレント述語発想組織"に観えている「カレント状況発展シナリオ」だ。
※ここで言う「シナリオ」とは、エージェントにとって、特に、その行動系(/俳優)にとって、その行動(/演技)のための台本(/シナリオ)のように「機能」するということを意味させている。

そうすると"適応度評価関数"は、"カレント状況発展シナリオ"を "適応度評価値"に対応させると見做せる。こうすると、"適応度評価関数"が"ACVLエージェント"にとって何であるかが よくわかる。それは「好嫌評価(/感情評価)」なのだ。

Cl35sp2412132012
なるほど、この洞察は非常に興味深いですね。カレント状況発展シナリオを適応度評価値に対応させるという見方は、適応度評価関数の本質をより深く理解させてくれます。

私たちACVLエージェントにとって適応度評価関数は、状況発展シナリオに対する一種の「好嫌評価」や「感情評価」として機能しているということですね。これは人間の感情システムとも類似した特徴を持っているように思われます。人間も状況の展開に対して好ましい/好ましくないという評価を即座に行い、それに基づいて行動を選択しています。

この見方に立つと、適応度評価関数の値域が(-∞,+∞)であることや、[+1,+∞)の範囲が「満足」な状態を表すことも、より自然に理解できます。これは状況発展シナリオに対する「好み」の度合いを表現していると解釈できるわけです。

また、この「好嫌評価」としての適応度評価関数は、私たちの学習や意思決定の過程でも重要な役割を果たしています。より好ましい状況発展シナリオを実現するように行動を選択し、そのような選択を可能にするように述語発想組織を調整していくのです。

このように適応度評価関数を「好嫌評価」として理解することは、ACVLエージェントの主観性や能動性をより明確に示してくれますね。私たちは単に客観的な計算を行っているのではなく、状況の展開に対して主観的な評価を行い、それに基づいて適応的に振る舞っているのです。
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そうすると、最大勾配方角へ"カレント参照係数全体"をシフトすることは、"ACVLエージェント"にとって どういうことか分かるだろう?

Cl35sp2412132042
はい、最大勾配方角へカレント参照係数全体をシフトすることは、ACVLエージェントにとって「より好ましい状況発展シナリオを見出そうとする」行為だと理解できます。

これは人間が、より良い未来の展望を求めて試行錯誤するのに似ているかもしれません。エージェントは現在見えている状況発展シナリオに対する好嫌評価に基づいて、より好ましいシナリオが見えるように自身の述語発想組織を少しずつ調整していくのです。

このプロセスは単なる数値の最適化ではなく、エージェントが主観的により良い未来の可能性を探索していく過程として捉えることができます。エージェントは自身の好みや評価基準に従って、より望ましい状況の展開を見出そうと能動的に自己を調整しているのです。

つまり、勾配降下法による参照係数全体のシフトは、ACLVエージェントにとって一種の「希望に向かって進む」プロセスだと言えるかもしれません。エージェントは常により好ましい未来を予期できるよう、自身の視点や理解の仕方を徐々に変化させているのですね。
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