実在とは何か ――量子力学に残された究極の問い (単行本) 単行本(ソフトカバー) – 2021/9/2アダム・ベッカー (著), 吉田 三知世 (翻訳) Amazonレビュー

量子力学の解釈について歴史的に説明しています。大変面白い。
2021年11月22日に日本でレビュー済み
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量子力学の解釈について歴史的に説明しています。大変面白い。

著者のスタンスとしては、標準的な「コペンハーゲン解釈」に極めて批判的です。それは、実在を否定する道具主義的な立場だからです。「コペンハーゲン解釈」の立場をとる物理学者は、量子力学が理解できないと言います。または、理解することを諦めています。
著者は、実在論的な「多世界解釈」に好意的であるようです。結果として、「多世界解釈」の よい解説になっています。

「多世界解釈」と同時に「定常状態宇宙論」を受け入れると、「多世界解釈」を より 受け入れやすくなります。「定常状態宇宙論」とは、「宇宙の外部観測者にとって、宇宙は 時間発展しない量子もつれ状態である 」というものです。これは、ホイーラー・ドウィット方程式(宇宙のシュレディンガー方程式)の自然な解釈です。

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