世界の名著 66 現代の科学 2 ペーパーバック – 1970/6/1プランク (著), 湯川 秀樹 (編集), 井上 健 (編集) Amazonレビュー

フォン・ノイマン「人工頭脳と自己増殖」が 収録されています。

2019年5月7日に日本でレビュー済み

フォン・ノイマン「人工頭脳と自己増殖」が 収録されています。
※「計算機と脳」より こちらの方が 分かりやすく 書かれています。

「脳は、二値論理でない論理(言語)を使う!」というノイマンの洞察に感服します。
今日のニューラル・ネットワークは、多値論理(連続値論理)で動作します。

ノイマンは、脳理論が 離散的数学(代数学,組合せ論,計算論,記号論理)から 連続的数学(解析学,ヒルベルト空間論)へ移行する必要性を洞察していました。それは、解析学が 数学で 最も巧緻な(かつ、大域的性質を捉える)道具である故と述べています。記号論理主義AI から 今日の ディープ・ラーニング へのシフトは 正に その方向です。

※自己増殖モデルの より厳密な展開は「自己増殖オートマトンの理論」に見られます。しかし、そのアイデアは、本書で 十分に 述べられています。
どのようなマシン<X>も、万能マシン生成装置<UCC> 及び 制御テープ複製装置<TR>と組み合わせ、更に、<X>+<UCC>+<TR> を生成する制御テープ<T>と組み合わせることで 自己増殖能力を獲得します。
なんとなれば、まず、万能マシン生成装置<UCC>が 制御テープ<T>を読み取って、<X>+<UCC>+<TR> の複製を生成し、続いて、制御テープ複製装置<TR>が 制御テープ<T>を読み取って、<T>の複製を生成します。これで、<X>+<UCC>+<TR>+<T> の複製が生成されます。つまり、生物と同じやり方です。ただし、当時、ノイマンは DNAを知りませんでした。
※実は、セル・オートマトン空間上では、制御テープを使わずに、直接、マシンを読み取って、複製を生成する万能マシン複製装置<UCR>が存在します。マシン<X>は、万能マシン複製装置<UCR>と組み合わせると 自己増殖能力を獲得します。つまり、<X>+<UCR> は、自己を読み取って、<X>+<UCR> の複製を生成します。

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