二十世紀の音楽 (岩波新書 青版 273) 新書 – 2018/8/23吉田 秀和 (著) Amazonレビュー
当然、超古い本ですが 現代音楽ファン(+クラシック音楽ファン)にとって 素晴らしい内容です。
2023年4月21日に日本でレビュー済み
当然、超古い本ですが 現代音楽ファン(+クラシック音楽ファン)にとって 素晴らしい内容です。
この本は、私の生年(1957年)に出版されました。当然、超古い内容です。
私は45年来の現代音楽ファンであり、たまにクラシックも聴きますが、普段、一日中、現代音楽、特に1970年以降、主に、超最近の作品・作曲家を聴いています。
discord上に自分のサーバーと、自分のチャネルも持っています。
本書での吉田秀和氏による指摘は、正に、その通りであり、現代でも妥当します。
※以下、蛇足です。
●現代音楽とは何なのか?/以下、私見を述べたいと思います。
●"美学的公理系"について(1)
◆シェーンベルクが成し遂げたことは、"美学的公理系"という考え方によって うまく説明できる。
シェーンベルクは、クラシック音楽の"美学的公理系"に対し、新たな公理群を付け加えたのではなく、一部の公理群の入れ替えを行なった。その結果、「新たな公理系」は、「既存の公理系」と矛盾するようになった。結果として、「既存の公理系」に基づくと醜かった作品が、「新たな公理系」に基づくと美しくなった。
◆しかしながら、「新たな公理系」は、「既存の公理系」と矛盾しており、多くのクラシック音楽リスナは、「新たな公理系」を受け入れていない。
●"美学的公理系"について(2)
◆"美学的公理系"は、現在の"クラシック音楽"と"無調音楽(/現代音楽)"とについてのリスナ,音楽専門家を含む状況をうまく説明している。つまり、互いに矛盾する2つの公理系が存在している。"調性音楽公理系"と"無調音楽公理系"とである。
◆この2つは互いに矛盾するため、双方を包含する公理系は存在しない。
◆"調性音楽"と"無調音楽"との双方を楽しむリスナは、無意識に"モード"を切り替えて聴いている。
◆"無調音楽"を聴くモードを持たないリスナは、"無調音楽"を理解しない。つまり、"無調音楽"を美しいと知覚しない。
◆"無調音楽"を聴くモードは、意志的に作品を聴く経験を経ると 自動的に獲得される。学校教育等で経験を持つと有効である。
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