時間は存在しない 単行本（ソフトカバー） – 2019/8/29カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) Amazonレビュー

仮想的外部観測者にとって 宇宙は定常状態です。
2021年3月7日に日本でレビュー済み
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仮想的外部観測者にとって 宇宙は定常状態です。

ホイーラー・デウィット方程式は、仮想的外部観測者にとっての宇宙の量子状態が満たすべきシュレディンガー方程式です。それは、時間変数を含まず、宇宙の量子状態が、時間進化しない定常状態であることを示しています。その解集合は、宇宙の大きさと量子状態との関係を表しています。物理学の方程式では、しばしば、解集合が全て実在します。つまり、宇宙は、そのような量子状態集団の重ね合わせという定常的量子もつれ状態(多世界状態)であるということです。

宇宙の量子もつれ状態は、係数を省略すると下記の形です。

|宇宙> ＝ ∑ |量子状態#t>

ただし、tは宇宙の大きさです。
時間進化関係は、|量子状態#t1>と|量子状態#t2>との間の関係です。

|量子状態#t>も、量子もつれ状態(多世界状態)です。

|量子状態#t> ＝ ( ∑ |内部観測者の状態#t＃i>|環境状態#t＃i> )＋|内部観測者が居ない状態#t>

＊ |内部観測者の状態#t＃i>|環境状態#t＃i>＝|世界#t＃i>

内部観測者の視点での主観的時間進化関係は、|内部観測者の状態#t1＃i1>|環境状態#t1＃i1> と |内部観測者の状態#t2＃i2>|環境状態#t2＃i2> との間の関係です。

我々に時間が流れるように観えるのは、床屋の広告塔が上昇して観えることに似ています。我々の「意識」というポインタが |内部観測者の状態#t1＃i1>から|内部観測者の状態#t2＃i2>へ 移動する故です。これは、意識メカニズムの機能的進化に従います。