#11 ガマン

我慢の由来を調べると、「自分自身を抑制し耐えるという忍耐。」
しかし本来は仏教の言葉で、「強い自己意識から起こす慢心(おごり高ぶる心)」らしい。つまり、我が強く堪えることができないという意味で、現代とは正反対の言葉である。
それであれば、耐え忍ばなければならない時、「我慢するな」というのが正解になる。
それでは本題に入る。
よくラグビーの試合の時に、特にディフェンスに回った場面で「我慢やぞ!ここは我慢の場所やぞ。我慢の時間帯やぞ。」という外野からの激励をよく耳にすることがある。
ここでいう我慢を具体的に示すとどういう意味を持っているのだろう?
一般的にはペナルティーを起こさないで、ディフェンスで耐え忍ぶという意味でつかわれているように感じる。
果たしてこの考えで、勢いに乗った相手や自分たちよりフィジカルが強い相手に通用するだろうか。私は難しいように感じる。
考え方を変えて、相手の攻撃側から考えてどういうディフェンスが嫌なのかというと、攻撃しても攻撃しても相手が崩れないディフェンスで、攻撃している側が術がなくなり崩れてしまい、ミスを犯すという状態になることではないか。
要は、相手になす術を奪い、我慢比べに勝つという状態である。
ゲーム中の具体的な指示としては、相手の攻撃のキーマンやアタックパターンである強みを完全に封じてプレッシャーをかけることで、相手にミスをさせることである。
次にメンタル面から考えると、ターゲットに圧力をかけ続けて、絶対に譲らないという強い気持ちで、相手から闘争心を奪うことではないかと考える。
このガマンを手に入れるには、筋力トレーニングといっしょで、負荷を徐々に大きくしていき、高強度のガマンを手に入れるしか方法はない。
最後にまとめると、ガマンとは「相手の強みに圧力をかけ続け、全員が強い気持ちでチームのために体を張り続けて、相手から闘争心を奪うこと」である。
チーム全員がこの状態を持たなければならず、ガマン出来ず個人プレーに走ると我慢比べに負けてしまう。
つまり、仏教の我慢を相手にさせたチームが勝利に近づく。
多くのチームがこの暑い暑い夏合宿で、ガマンを大きく成長させてほしい!


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