#3 ホタルの光
令和5年6月10日に山口県豊田町のホタル船に乗船して、ホタル観賞に行ってきた。このホタル船は豊田町の木屋川で毎年6月のみ運行している。
いよいよ21時に船頭さんの説明を受けながら、わずかに霧雨が降る中、出航して緩やかな川を下っていく。水が主食のホタルにとっては絶好のコンディションだ。
案の定出港して最初のポイントですごい数のホタルが左右に待ち構えていており、まるでホタルのトンネルをくぐっているようだった。
この木屋川のホタルはゲンジホタルで、基本的には川に生息しているのがゲンジホタルで、田んぼや池などの水の流れが少ないところに生息するのが平家ホタルだそうだ。
この近くには田んぼも多くあるため、平家ホタルも少しであるがこの川に顔を出すという。
このゲンジホタルは、光の明るさがわずかに違うように見える。これは明るい光で、光ったり消えたりしているのがオスで、少しボヤっと薄明るく光っているのがメスらしい。
メスはこのうす暗い光で光り続け、これを見つけたオスが明るい光を点灯させて、セックスアピールしてるという。まるでクリスマスツリーが点灯消灯を繰り返すイルミネーションだ。
船頭さんが言うには、幼虫から光り続け、川に落ちて死んでも光り続けるらしい。蛍は2週間という短い一生だが、生まれてから死んだ後まで光り続ける姿は、切なさと何か逞しさを感じる。
生きた証を残そうと、最後まで光り続ける!
どんな光を灯して生きているのか?
明るいのか暗いのか?
ホタルみたいに死んだ後も光り続け、後世にも語り続けられる人間になれたら最高なんだろうな。