プライド・パレードは終わらない 足元にレインボー
8月27日(土)はプライド・パレードだった。
昼12時に始まるのを待ちきれず11時半にはすでに沿道に人だかりができていた。
待っている間にも、誰が流しているのか音楽が流れ、通りを挟んで向かいに立つ70代は軽くいっておられるのではないかと拝察する白髪の女性がノリノリで踊っていた。
その前後はプライド週間ということで、街中にはレインボーがあふれかえっていた。各店舗のショーウインドウもしかり、である。
200に迫る数のグループが参加したパレードで、もっとも盛り上がったのはNHSが登場した瞬間だった。
あらためてイギリスの人びとのNHS愛を感じた。
プライド・パレードの翌週9月2日(金)、わたしがボランティアへ行っている農園でパーティーがあり、イギリス人の大好きな「パブ・クイズ」がおこなわれた。
その時私は、近所のバイク屋の飲んべえおやじ3人組のテーブルにたまたまいて、同じ回答者グループになった。
出題された問題の一つが「マンチェスターでプライド・パレードが最初に開催されたのは何年でしょうか?」だった。
そして愛すべきワインがぶ飲みおやじたちはあっさりと答えていた。
プライド・パレードとその思想が深く広く定着していることを間近で知った。
この記事を書いているのは11月8日(火)だ。
プライド週間はとっくに終わっている。
けれどマンチェスターにはずっとレインボーがあふれかえっている。
わたしの好きなピカデリー駅にも虹がかかっている。
通りに出ればしっかりと足元に埋め込まれている。
一時の熱狂とはとても言えない。
カバー写真:2022年8月22日撮影