懐かしい未来
魔法使いの弟子 1
その人は「シャンタン」と呼ばれることが多かった。それは平和を意味するサニヤスネームだそうだったが、サニヤスネームというのはインドの覚醒者で晩年日本の禅とのかかわりで「OSHO」と称された人の弟子・サニヤシンに与えられたミドルネームだった。
普通にシャンタンさんとか、シャン爺とか、単に爺ぃとだけ呼ぶ人もいて本名で呼ぶ人はほとんどいなかった。
シャンタンは若い頃は映像作家として活躍し、事業家としてもディスコの先駆けだったりプロジェクトマッピングの創始者の一人でもあったらしい。歴史に名の残るような有名人とも付き合いも多く、その交流は相当派手なものだったようだ。
シャンタンはその名の示す通り穏やかな人で、ある時は少年のようにも別の時には女性的にも思われたが、山羊のような白いひげを生やした老人だった。が、若い女性からよくモテて同じような立場の男性の羨望や嫉妬の対象となっていたとも聞いた。
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